佐々木 良瑞さん

日本生命保険相互会社 勤務

1 . プロフィールをお聞かせ下さい。

2013年度入学の佐々木良瑞と申します。1997年に大学(経済学部)を卒業し、日本生命保険相互会社に入社しました。入社後2年間は生命保険販売の支援業務に従事しておりましたが、以降は資産運用部門で部門決算や予算策定、資産配分(アセットアロケーション)の決定や投資信託販売戦略企画、株式投資等の業務を経て、現在は融資部門で企業向け融資業務を担当しております。

生命保険会社が融資業務を行っていると聞くと驚かれる方も多いのですが、長期安定運用を志向する生命保険会社の資産運用スタイルに安定的に利息収入を得られる融資はマッチしており、資産運用の柱の一つとなっております。

生命保険会社の融資は長期にわたる生命保険契約に基づきますので、長期の安定的・継続的な資金として活用頂いております。また、全国各地への資金還元という視点から、地域性にも十分配慮して、地域産業の発展に役立つよう努めております。

2 .なぜ神戸大学のMBAを選択されましたか?

MBAへの通学を漠然と考え出すようになったのは、社会人となって3年~4年経った時期だったと思います。資産運用業務に従事するようになり、ファイナンスや財務の知識が絶対的に足りないと感じる場面が多々あり、何とかしなければと思っていました。自己研鑽として、証券アナリスト等の資格取得等を通じて知識の涵養は行いましたが、恥ずかしながら学生時代は殆ど勉強しておらず、一度体系的にファイナンスや財務について学びたいという思いを持つようになりました。結局、その当時はMBAに対する漠然とした憧れの様な感じで、行きたいという思いは持ったものの、受験するという行動には至りませんでした。

その後年次を経るにつれ、会社でも組織の運営や、部下、後輩の指導・育成も経験し、ファイナンスや財務だけでなく、組織運営にも思いを馳せるようになりました。更に、融資営業担当者として、企業の経営者の方々と直接に言葉を交わし、経営に対する考え方や悩み等に接するにつれ、組織運営やマネジメント、経営等にも関心を抱くと共に、自身も経営者の方々と同じ言葉で話を出来るようになりたいと強く思うようになりました。そこで、企業を構成する重要な要素であるヒト・モノ・カネについてトータルで学ぶことができるMBAへの通学を社会人16年目で改めて検討し、受験することを決意しました。

数あるMBAの中で神戸大学を選んだのは、(1)基本土曜日の通学のみで修了が可能であり、業務への影響が最小限に抑えられること、(2)実務経験を有するものしか入学できないこと、(3)自身が学びたいと思う先生が多数いらっしゃったことの3つが主因です。

そもそも業務を通じて学びたいという気持ちを持ち始めましたので、働きながら学ぶことができるというのがMBA進学にあたっての大前提でした。業務上の課題を講義に持ち込み、習った理論や知識を即座に応用することができるのではと考えてのことでしたが、実際講義を受け、その内容を、実務を通じ咀嚼するという場面が何度かあり、自分自身ではこの選択に満足しています。

また、実務経験を有するもののみが学生ということも大きなポイントと思います。講義の中では学生同士のディスカッションもあるのですが、異なる職業ながらも、業務経験に裏付けされた各学生の意見は各々深く、考えさせられることが多いと感じています。もし、社会人経験の無い学生がある程度入っていたら、別の良い効果はあるのかも知れませんが、現在、各講義で行われているような実務経験に基づく深い議論というのは難しいのではと感じています。

3 .MBAに在籍されて、今現在の1週間のスケジュールを教えて下さい。

神戸大学のMBAでは通常金曜日2コマ(18時20分~21時30分)と土曜日5?6コマ(8時50分?20時20分)の講義が行われています。私は業務の関係上、原則土曜日の講義のみに出席しておりますが、学べるものは何でも学ぼうという精神で、専門に拘りなく時間の許す限り履修可能な講義は全て受講する様にしています。

講義の準備は想像通り大変です。MBA入学前でしたら、平日は仕事が終わったら同僚と良く飲みに行っていましたが、現在は極力プライベートなお付き合いは控えるようになっています。

平日は、プライベートの時間の大部分は教科書を読んだり、課題レポートを書いたりと講義の準備に費やされています。時間は幾らあっても足りない状況ですので、自ずと睡眠時間を削っての準備となります。多分、入学前と入学後で1日の睡眠時間は1時間?2時間程度減ったのでは無いかと思います。

日曜日は、プロジェクト研究に向けたグループでの打ち合わせや、大き目の課題レポートを書いたりということもありますが、なるべく家族と時間を過ごすように心がけています。

仕事をしながらのMBA生活ですので、両立が大きな課題となりますが、時間を確保するために日常生活や業務において効率化やタイムマネジメントをより意識し時間を捻出するようになったと思います。どうしても、業務との両立が厳しい時がありますが、その時は、私は業務の方を最優先で考えるようにしています。両方を完璧にできるのが理想ですが、完璧を追い求め両方とも中途半端になると元も子も無いと考え、ある程度割り切るようにもしています。

さて、具体的な講義についてですが、11月までのところで印象深い講義を挙げると、入学直後に始まる三品和広教授の「ゼネラルマネジメント応用研究」や砂川伸幸教授の「経営戦略応用研究」、松尾博文教授の「オペレーションマネジメント応用研究」、松尾貴巳教授の「マネジメントコントロール応用研究」が挙げられます。

「ゼネラルマネジメント応用研究」で自分が将にMBAに入学したのだということを嫌でも認識させられます。事前に相当数の課題図書を読み込み、講義では様々な角度からケースを分析し「ゼネラルマネージャー」とは、「マネジメント」とは何ぞや、ということを突き詰めていきます。この講義で自分が如何に偏狭な視野に留まっていたかを認識させられます。

「経営戦略応用研究」ではファイナンスで学んだ知識を用い、企業価値向上に向けた方策を実際のケースに当てはめ色々と検討し、ディスカッションをします。また、企業の第一線で活躍されている実務家を招き、普段聞くことの出来ない話も伺うことができますので、教科書だけでは学べない企業の生の息遣いを体感できる講義でした。

「オペレーションズマネジメント応用研究」は毎回課題となる英文のケーススタディと格闘しながら、レポートをまとめ、講義でディスカッションします。数字や、数字に表れない部分を読み解くことで本質を把握することの重要性やロジックの組み立て方を学ぶことが出来ました。

「マネジメントコントロール応用研究」では、グループワークを通じ、メンバーが属している会社の組織設計について、アンケート調査を実施し提言をまとめました。理論と実践が一体となっているMBAらしい講義だと感じました。

また、現在は「テーマプロジェクト研究」に注力しております。この講義は、自分たちで5名-6名程度のチームを組み、職務上直面する企業・社会にとってインパクトのある、何故、如何にというような問いからなる研究課題について説得力のある仮説、結論の提示を求められる、神戸大学独特のプロジェクト方式に基づくもので、後期の一つの山場となるものです。1月4日の最終発表に向けて、土曜日だけでなく平日も業務終了後各自集まり、企業へのインタビューやデーターの収集、ロジック構築に取組んでいます。
今後も実務家の方が教官となる興味深い講義も並んでおり、今から非常に楽しみにしています。

4 .ゼミではどのようなことを学ばれていますか?また、専門職学位論文に向けて現在どのような研究に取り組まれていますか?

ファイナンスや経営戦略がご専門の砂川伸幸教授のゼミに所属し、14名の仲間と学んでいます。ファイナンス系のゼミということで、ゼミメンバーは金融機関関係者が多いと思われるかもしれませんが、インフラ系企業、メーカー、運送業、鉄道業、製薬会社、公認会計士と多岐に亘っており、金融機関関係者は2名と少数です。

論文テーマは、入学時に提出した研究計画書を基に実務から生じた課題をテーマとしていることが多いです。毎回のゼミでは各人が 論文執筆に向けて先行研究の調査や、論文執筆方法など進捗状況を発表し、自身の持つ課題について色々とディスカッションを行っています。同じゼミのメンバーでも関心事は当然ながら各々異なりますので、他メンバーの発表を聞いているだけでも、新たな知見を得たり、物の見方に触れることができ、非常に参考になります。

私も自身の実務から研究テーマを設定しました。研究テーマを決定したばかりで、これから本格的な準備という段階ですので、どの様な論文となるのか模索中ですが、様々な分野の参考文献や論文を読み、これまでのMBA生活で得た知見を活かし、何か意義のあるものを成果として残していきたいと考えています。

5 .神戸大学に入学してから、今までを振り返ってどのような感想をお持ちでしょうか。

入学してから、これまであっという間でした。毎週土曜日の講義に向け、様々な準備で大変ですが、日本を代表する教授陣と向学心の高いクラスメートに毎週刺激を受け、やればやるほど、得られるものは大きいと思いますし、学ぶ楽しみというものを常に感じています。

またクラスメートとの関係も非常に貴重です。平均年齢は35歳程度と他のMBAに比べると若干年齢が高いかもしれませんが、その分、キャリアを積まれている方々が、多忙な業務の合間を縫って来られているだけあって、皆さんモチベーションが高く、タフで優秀であり非常に刺激を受けます。業種や年齢、性別を超え胸襟を開き語り合ったり、深夜にまで及ぶ課題作成やプロジェクト研究ではお互い励まし合い助け合いながら、また時には忌憚の無い意見を述べ合い、激しく議論を交わしながら切磋琢磨できる71名のクラスメートとの交流や、そこで培われた人脈は得がたい財産だと感じています。

6 .今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。

具体的なキャリアプランは未だ見えていない状況ですが、神戸大学MBAでの数多くの学びを業務で活かし、高い専門性とバランス感覚を持ったリーダーとして活躍していきたいと考えています。年齢的にもミドルマネージャーとして、自分自身でリーダーシップを発揮していくことが期待される時期に差し掛かっていますので、MBAで得た知見を活かし、不確実な時代の中、時代の変化を敏感に察し(「窓」の外を意識し)、前例に囚われず柔軟な思考で、主体的に踏み出していけるマネージャーになれればと思っています。

MBAでの学びを通じ、キャリアプランの幅は広がっているように感じていますので、消極的になることなく、自身の可能性を最大限伸ばし、業務や社会に貢献していきたいと考えています。

7.残りの学生生活に関して、どのような希望をお持ちでしょうか。

1年半の学生生活のうち、もう既に半分以上が過ぎようとしていますが、振り返ってみるとあっという間だったと思います。自分自身に何か+αを身に付けたいと思い入学しましたが、当初の期待以上に、物の考え方や捉え方が変わってきた様に思います。この様な成長の場を与えて頂いた教授陣やクラスメートに感謝しつつ、更なる研鑽を図っていきたいと思います。

テーマプロジェクト研究や論文執筆等、まだまだ大きな山場が続き、気を抜く間もありませんが、自分自身が選択した道ですし、充実した日々にすべく少しでも高いレベルに達せれるよう努力したいと考えています。

最後になりますが平日は夜遅くに帰宅し、土曜日も早朝から深夜まで大学と迷惑を掛けているにも関わらず、何一つ文句を言わず快く大学へ送り出してくれる妻や3人の子供には常に感謝しております。周囲の方々、特に家族の支え無しでは仕事と大学の両立は困難だと思います。この場を借りて深く感謝申し上げます。