研究科長挨拶

2020年初頭に発見された新型コロナウィルスは、瞬く間に多大な社会的影響を与え、収束のタイミングが見えないまま、2021年度新学期を迎えることになりました。グローバル化の進展は人の移動と感染拡大という意味では負の側面も持つことや、サイエンスにおける叡智にもまだまだ限界があることが露呈しました。一方で、遠隔授業の導入など、新技術の導入による創意工夫で教育を行えるという点では、新しい局面も表れてきています。激動する環境下でも人材を育成する教育の質を保持し、また社会に資する研究を発展させていくために一層の尽力をしていきたいと思います。

神戸大学大学院経営学研究科・経営学部は、国公立私学を通じて日本初の経営学部、経営学研究科として輝かしい伝統を持ち、日本の経営学の教育と研究の中心としての役割を果たしてきました。学界及び産業界において中核的な人材を育成すべく、教育研究拠点として革新を続け、海外大学とのグローバル・ネットワーク及び産業界との連携も拡大し続けています。創設以来の理念である、「学理と実際の調和」を守り続け、教育研究活動を統合する基本理念として「オープン・アカデミズム」を掲げています。これは学問の府としての主体性と自律性を保ちつつ、社会に開かれた、産業界との連携と相互交流の中で、「理論知」と「実践知」とを融合させることを目指すものであり、経営学の研究成果を社会に還元しようとするものです。

経営学研究科は日本の経営学の研究拠点として、経営学・会計学・商学領域において、最先端の研究を推進する一方、教育拠点として、研究者を育成するPh.Dコース、産業界における高度専門職人材を育成するMBAコース、産業界を中心に将来の社会を担う人材を育成する学部教育の3つの教育体制を有しています。さらに学部およびPh.DコースのそれぞれにおいてKIBER、SESAMIという国際教育プログラムを設置し、Ph.Dレベルでの海外大学とのダブルディグリープログラム(IDP)も開始し、グローバルレベルでの経営教育を推進しています。また学部教育においても経営学特別学修プログラムおよび会計プロフェッショナル育成プログラムを提供するなど、高度な人材育成のための教育を実践しています。

六甲山に位置し、海を臨む美しい自然に囲まれたキャンパスは、勉学や思索に最適な場所といえ、この地において世界レベルでの経営学の教育研究を発展させられることを願っています。

2021年4月1日
神戸大学大学院経営学研究科長 南 知惠子

 

MBA教務委員のメッセージ

令和2年度は、日々発表される新型コロナウイルスの新規感染者数の増減に一喜一憂する1年でした。現在(令和3年2月)、「改正新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づく緊急事態措置が10都府県で延長された状態が続いており、その中にはこの兵庫県も含まれています。最近少しずつ減少傾向が見られるものの、未だ感染者数は多く、病床はひっ迫し、医療提供体制は依然として厳しい状況にあることが伝えられています。引き続き、国民の生命と健康を守るための感染症対策が最優先課題として掲げられており、私たち一人ひとりの自覚、努力、行動が大切であることが宣言されています。

こうした中、文部科学省からも次年度の各授業科目の実施方法についての基本的な考え方が公表されています。主に教室等において対面で授業を行うことを想定しながらも、地域の感染状況や教室の規模、受講者数、教育効果等を踏まえ、感染対策を講じた上で授業を実施することが要請されており、対面授業の実施が困難な場合には、遠隔授業等の実施を検討していくことが求められています。いずれの場合にせよ、授業計画(シラバス)では丁寧に説明することを基本とし、その実施方針等についてもできる限り早めにホームページ等を通じて公表していくことに努めたいと思います。ただし、感染の状況は日々刻々と変化していることから、一度決定した実施方針についても、直前の感染状況や、学生からの希望等も踏まえながら、必要に応じてその実施方法を見直すなど、柔軟な対応をも心掛けて参ります。

ウィズコロナ、あるいはパンデミック下での大学の在り方についての検討はたった今始まったばかりであり、教員、職員、学生、そして市民を問わず皆様の率直な意見を聞き入れながら、誰にとっても意味のある、あるべき姿が模索されていくものと思います。このような未曽有の状況下におきまして、至らない点も多々あるかと思いますが、共にこの六甲山の麓で学び合い、世のため人のためとなるような成果を上げることができるよう切に願っております。

巻頭言にもかかわらず、暗い話題ばかりに目を向けましたが、今年度新たにご入学される皆様が無事にご修了される頃には、晴れ渡った明るい未来が待ち受けていることを心よりお祈り申し上げます。

令和3年2月19日
神戸大学大学院MBA教務委員 堀口 真司