松田 年史さん

本田技研工業株式会社 勤務

1 . プロフィールをお聞かせ下さい。

2012年度入学しました松田年史と申します。2000年にHondaに入社し、マーケティングの実務を担当して参りました。具体的には、入社3年目に販売店に出向し営業スタッフを経験した後、本社の宣伝販促部で企業広告やブランドコミュニケーション戦略を担当していました。更に海外営業部門では、Acuraの商品企画や将来の四輪事業戦略を研究所・生産・購買部門と共に立案する業務を担当していました。神戸大学に入学後、4月から毎週東京─神戸間を新幹線で通学しておりましたが、6月に兵庫県に転勤となり、現在は兵庫県内のHonda販売店をサポートするエリアマネージャーを担当しています。

2 .なぜ神戸大学のMBAを選択されましたか?

神戸大学と東京にある公立のMBAに合格し最後までどちらに通うか迷いました。東京のMBAは平日に授業があり、6時には退社しなければならず、業務が中途半端になると考えました。しかし、週末の神戸であれば通学さえ頑張れば業務に影響無く学業と仕事の両立が可能なのではないかと考えました。神戸大学のMBAは、仕事と学業を両立させたい多忙な社会人にとっては最高の環境であると思います。実際に関東・中部・中四国など遠方から通われている方が多数在籍されています。

3 .MBAに在籍されて、今現在の1週間のスケジュールを教えて下さい。

平日は週末の授業に向けて課題をこなす為、移動時間を含め空き時間は全て読書やレポート作成・グループワークに時間を費やしています。深夜2─3時ぐらいまで勉強をして、翌日眠い目をこすりながら仕事をするという日々です。ただし日曜日は家族の時間と決めており、小学生の遊び盛りの子供2人と遊ぶようにしています。自分自身のゆっくりする時間は取れずストレスが溜まりますが、土曜日の授業とグループワーク終了後の夜10時以降は唯一ほっとするひとときで、仲間とお疲れ会などをし、ストレスを溜めないように情報交換しています。

選択授業に関しては、全て履修しています。興味があるのは組織論とマーケティングですが、自分自身がこれまでの実務で経験出来なかった未知の領域こそ、勉強出来る絶好の機会であると考えており、京都大学との提携の授業も一部出席しています。復習にはあまり時間が取れていませんが、授業に集中して、将来読み返せば分かるよう必要以上にメモを取るようにしています。

仕事と学業の両立については、妥協していません。MBAに通って仕事がおろそかになるのは本末転倒だと考えているからです。また、学んだ事をすぐ実践で役立てる事で理解が更に深まっていると思います。その為、仕事が忙しい時は、学業は限られた時間の中で出来る事を取り組もうと割り切っています。逆に学業を優先して、仕事を後回しにする時もあります。受験勉強を開始してから1年間、その時々にやるべき事に必死で取り組んでいるのが実情です。時間は自ら作り出すと良く言われますが、限られた時間内で仕事をこなす為に、例えば無駄な資料を作らない、相手に伝われば体裁はこだわらないなど、効率良く仕事を進める工夫をしています。その結果、授業の課題をこなそうとする日々のスケジューリング力は格段に向上しました。何をしている時も、次は何をするべきなのか、と考え、無駄に過ごす時間が本当に無くなったように思います。

4 .ゼミではどのようなことを学ばれていますか?また、専門職学位論文に向けて現在どのような研究に取り組まれていますか?

マーケティングのゼミに所属しており、授業では論文の書き方、参考文献の紹介、文献の検索方法、作文と学位論文の違いなどマーケティングの研究をする為の基礎知識を最初に学びました。現在は自分が研究したい分野の関連書籍や文献を読み込み、マーケティングの理論と自分の疑問を重ね合わせて、自分は何を研究したいのか自問自答しています。授業の中で進捗を発表し、南教授に視点の甘さをご指摘頂いている状況です。

研究テーマは「EVカーシェアリングの顧客ニーズ」を挙げています。関連企業や顧客など聞き取り調査を実施し、自動車業界の将来のビジネスモデルを考えるヒントを得たいと考えています。また、製造業のモノづくりを中心としたビジネスモデルではなく、ビジネスモデルから考えたモノ作りのあり方を考えていく事で、新たな価値を創造出来ないか模索しています。

MBAには競合他社や部品メーカーなど関連企業の仲間が数多く在籍しており、普段お会い出来ない方々と意見交換出来る絶好の場であると考えています。自社だけで議論しても発想出来ない色々な視点を聞く事で、自動車業界全体の成長に繋がる研究が出来ればと考えています。

5 .神戸大学に入学してから、今までを振り返ってどのような感想をお持ちでしょうか。

授業は必ず “気付き” がある充実した内容です。教授の方々は、限られた授業枠の中で生徒に最新かつ最高の知識を得てもらいたいと、準備に相当な時間を掛けて授業に望まれていると感じます。

また、他大学の教授や企業の経営者を招き入れての授業など、毎週土曜日の授業が本当に楽しく充実しています。大学生の頃は眠かった授業ですが、MBAでは授業の内容とこれまでの実務経験が合致していたのかと自問自答しながら聞いているので飽きる事がありません。事前課題の読書や授業で学んだ知識を実務経験に結びつける事で、理解が深まると同時に疑問も生まれます。「自分の仕事の取り組みは正しかった」「自分の今の業務に活かせる」「本当に授業の内容は正しいのだろうか?」など授業後に更に考えさせられます。そして授業を終えた後の周りのMBA生との“気付き”の共有は、更に理解を深める貴重な時間となっています。様々な分野のエキスパートの方々がいらっしゃるので、情報交換すると更に“気付き”が増えるわけです。

平日もFacebookを利用し、議論が繰り返されています。議論を重ねて行くと、価値観が異なる事に気付きます。そして自分自身がいつの間にか企業に染まっており、考え方が偏っている事を思い知らされます。自分一人では無く、全員で支え合って学びを共有しているところが神戸大学MBAの特徴であり、自分がこれまで必死に頑張れているのも、周りの仲間と一緒だからだと心から感謝しています。

6 .今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。

MBAで学んだ知識を活かし、社内でリーダーシップを発揮し、新しいビジネスモデルを形にしていきたいと考えています。私たちの使命は、自分の子供達が大きくなった時代に備えて、日本の雇用を守っていく事だと考えています。日本企業が子供達の時代にも生き残る為に、自分自身が何をすべきか答えはまだ見つかっていませんが、卒業までに定めたいと考えています。会社という枠を超えて、社会人として父親として次世代に残す事を念頭に置いて、今後のキャリアプランを設計していきたいと思います。

7.残りの学生生活に関して、どのような希望をお持ちでしょうか。

社会人でありながらMBAで学べる残り少ない時間を大切にしたいと考えます。そして多忙な日々の中、誰一人として脱落していない同級生と共に卒業を目指し、第二の学生生活を満喫したいと考えています。