中水 陽子さん

パナソニック株式会社 勤務

1 .プロフィールをお聞かせ下さい。

2019年度入学の中水陽子と申します。英国Westminster大学交換留学、神戸市外国語大学中国学科卒業を経て、2000年に松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)に入社しました。入社後は秘書室海外渉外担当に配属され、2005年にブランドコミュニケーション本部に異動しました。その後は一貫してオリンピック・パラリンピック業務を担当し、2006年トリノ冬期オリンピック大会以降の7大会において、宣伝・広報・機器納入等の業務に携わっています。また、2018年には当社創業100周年記念事業「クロスバリューイノベーションフォーラム」を担当し、「くらしアップデート業」で社会やみなさまのくらしに貢献し続けるこれからのパナソニックの姿を発信するプロジェクトに携わりました。現在は、これからの100年を創る新規事業創出を、ブランドコミュニケーション活動を通じて支援する為、展示会やショールームといった、リアル・スペースの顧客接点を活用したブランド戦略立案に取り組んでいます。

2 .なぜ神戸大学のMBAを選択されましたか?

私が神戸大学のMBAを受験したのは、神戸大学MBAを修了された会社の先輩から、「人生を変えるMBA」(有斐閣 2015)という書籍を紹介頂いたことがきっかけでした。当時、創業100周年記念事業を通じて、経営戦略の重要性を痛感していた時期だったこともあり、神戸大学MBAが仕事と両立しながら受講できる社会人プログラムであること、素晴らしい教授陣に指導頂けること、また、仕事の中で抱えている問題意識や課題を持ち寄り、優れた学術的研究成果を活用しながら解決策を模索していく、「プロジェクト方式」という教育手法を採用していることなどを知り、興味を持ちました。不確定な経営環境の中でも、経営課題に対して、適切な方法やデータを使って結論を導き出す技術を身につけられる実践的なプログラムだと思います。

3 .MBAに在籍されて、今現在の1週間のスケジュールを教えて下さい。

金曜日の夜と、土曜日に終日開講される講義がメインになりますので、平日はその準備や復習を中心に計画します。1年目はリズムがつかめない中、宿題レポートや、参考文献の読書、ケース・プロジェクトやテーマ・プロジェクトといった研究チームでの議論、他大学MBAも参加して行われる「日本ビジネススクール ケース・コンペティション(JBCC)」の準備なども続き、連日目が回るような日々でした。2年目は、残念ながらコロナ禍によって、いくつかの講義を受けることができませんでしたが、修士論文のテーマ研究やゼミを中心に取り組んでいます。

このように集中して学びに向き合える時期は、人生の中でもなかなかない機会と思い、2年目も授業は可能な限り受講するようにしています。それにより負担は大きくなり消化不良もありますが、業務の優先順位を決め、会社の残業や家族サービスへの影響などについて周囲の理解を得ながら、時間のメリハリをつけて取り組むのが良いと思います。

4.ゼミではどのようなことを学ばれていますか?また、専門職学位論文に向けて現在どのような研究に取り組まれていますか?

現在、神戸大学副学長であり、ご専門は社会環境会計、経営倫理の國部克彦教授のゼミに在籍しております。コロナ禍により、隔週で開催されるゼミも対面ではなくオンラインで開催されています。各ゼミメンバーから、論文執筆に向けた先行研究の調査や、論文執筆方法など、研究進捗を発表する形で行われています。製造業、デザイン業界、医療業界といった多彩な業界から集まった13名のゼミメンバーに恵まれ、それぞれの研究内容や視座からも、多くの刺激を受けています。SDGsに代表される、20世紀の行き過ぎた経済至上主義に起因する様々な社会課題に対し、企業が社会の一員として社会との新たな関係性をどのように構築するべきか、どのように説明責任(アカウンタビリティ)を果たしていくかといった、企業倫理や会計制度の役割など、業界や分野を超えた議論が行われています。このような本質的な問いに対して、的確かつ分かりやすく丁寧にご指導頂いている國部教授には、敬意と感謝の気持ちしかありません。

5 .神戸大学に入学してから、今までを振り返ってどのような感想をお持ちでしょうか。

なかなか一言では言い表せませんが、私が受け取った本のタイトルの通り、私にとっては「人生を変える」体験なのではないかと思います。優れた先人の研究成果に学び、同じような課題に直面しているメンバーと共同してさらに深く思考・分析し、よい問いを見つけ、解決策を共に作っていく経験は、これまで実務で実践してきた解決手法ではない、新しい思考プロセスを与えてくれたと思います。また、業種や年齢を超えた同級生・卒業生との強いネットワークは、神戸大学MBAの持つ最大の強みだと思います。週末・深夜を問わず課題作成やプロジェクト研究でお互いに助け合ったり、授業後の飲み会で熱く議論したり、日英産業事情応用研究でイギリス企業を訪問したりと多くの貴重な体験を共有してきたメンバーとの人脈は、私にとって得がたい財産だと感じています。

6 .今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。

神戸大学のMBAを通じて学んだ、多面的な経営学の知識、社会的意義のある問いの探索、また常に学び続ける姿勢を忘れず、今後の業務に活かしていきたいと思います。リーダーシップや経営戦略立案のスキルを高めることで、将来は経営職として、企業にとって正しい経営判断ができる人材になりたいと考えています。

また、今回の修士論文テーマで扱ったオリンピックとCSVの関係についての研究をこれからも継続し、会社に対しての具体的な経営提言を行い、オリンピック・パートナーシップを活用した事業貢献と、企業ブランド価値の創出を目指していきたいと思います。

7 .残りの学生生活に関して、どのような希望をお持ちでしょうか。

学生生活も残りわずかとなりましたが、振り返ってみるとあっという間だったと思います。修士論文執筆という大きなプロジェクトがまだ続いていますので、気を抜かず充実した日々を送り、悔いのないよう取り組んでいきたいと思います。コロナウイルスの影響により、クラスのメンバーとはなかなか顔を合わせる機会がありませんが、オンライン授業やSNSなどで連絡を取り合い、切磋琢磨していきたいと思います。この様な厳しい環境の中、私たちが継続して学べる環境を維持くださっている大学関係者の皆様やご指導頂いている教授陣に、この場をお借りして感謝申し上げたいと存じます。