瀬谷洋子 さん
有限会社オフィスワイズ 代表 2004年度修了生 坂下ゼミ
1. プロフィールをお聞かせ下さい。
航空会社にて国際線客室乗務員を 12 年間経験後、研修インストラクターを経て 1993 年に有限会社オフィスワイズを設立し代表を務めています。仕事は人的資源活用に関する経営コンサルタントが業務の中心で、セミナー・講演活動や企業顧問を行っています。
2003 年に入学し、 坂下昭宣 教授 ( 組織論 ) ゼミに所属していました。
2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?
大学院入学以前より経営コンサルタントをしていましたので、より充実した内容でクライアントからの仕事の依頼に対応したいと考え、常にレベルアップを目指し経営に関する勉強をしてきましたが、兼ねてより機会に恵まれれば MBA の勉強をしたいと願っておりました。神戸大学 MBA は MBA 教育の充実および教授陣の素晴らしさに関して大変高い定評があり、基本的に土曜日に通学するだけで MBA の勉強が可能であることを知り、最大限の研究を最小限の仕事への影響で出来る可能性があるというメリットで選択しました。
3. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?
学生生活を通じて私に変化があったことは3つあります。第 1 は、充実したプログラムの講義を受講したことにより、現在の現代経営学の主要な理論を習得できたことが挙げられます。第 2 に、社会科学の研究の方法論(リサーチメソッド)をしっかり認識できたことです。第 3 に、これまでには知り合える機会がなかった教官や MBA メンバーと知り合えたことによりネットワークが広がり、ディスカッションにより知的な良い刺激や影響を受けたことです。これらにより、私の仕事に活かせるより高度な知識の充実度・理論構築・人的ネットワークに関して入学以前よりステップアップしたという3つの変化がありました。
4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。
在学中は、プライベートタイムはほとんどなく勉強と仕事のみしていました。ミニプロジェクト研究や経営戦略応用研究では他の MBA メンバーと一緒に研究するので、大学院の勉強を優先的に考慮して仕事を能率的に業務処理する等のスケジュール調整をするように努力しました。
また講義に際して数多くの専門書の読書を含む事前準備や講義前後課題レポートの提出が在学中は常に求められていましたので、仕事以外のプライベートな会合等は失礼し、帰宅後深夜まで、あるいは早朝にレポート作成のための時間を捻出していました。
5. 神戸大学の修学環境についてお聞かせ下さい。
修学環境は充実しています。ネットワークのインフラ整備により研究・課題レポート提出・コミュニケーションなど便利に活用出来ました。
設備環境については、土曜日の昼間の講義がある六甲台のキャンパスは神戸市街を一望できる高台にあり歴史的な素晴らしいキャンパスですし、平成 16 年開設で平日夜間の講義が行われる大阪経営教育センターは大阪中之島にあり大変便利です。
6. 在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?
MBA で学ぶ全ての講義が有意義で内容が充実していますが、特に修士論文を書き上げたことが一番印象に残っています。
私は坂下昭宣教授ゼミに所属し『女性のキャリア開発』というテーマで定性的方法により 138 頁(約 13 万字)の修士論文を作成しました。坂下教授には特に社会科学の方法論について厳しくご指導頂きましたが、私にとっては自分自身の研究認識を確実に構築することが出来ました。論文作成にあたっては全国の職業経験豊かな長期就労女性に働く意味に関しての意識をインタビューし、貴重な意見を集約することができたことも意義がありました。
7. 今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。
現在の経営コンサルタントの仕事自体が大学院で学んだことを活かせる職業であり、キャリアプランは、既に起業していますので会社を維持継続することです。MBA で学んだ知識やこれまでのキャリアでの経験を活かしながら講演活動やコンサルタント業務を通して社会に広報し、今後も継続的に自分も勉強を続けながら 人的資源活用の分野での人材 育成や社会貢献をしていくことが 私のミッションである と思っています。
修士論文のテーマである『女性のキャリア開発』は、今後の重要な課題ですので、キャリア・コンサルタント資格を取得したこともあり、特に力を入れて女性のキャリア開発支援を積極的に行うつもりです。
MBA 取得後『エンパワーメントのビジネス・コミュニケーション』 ( 文芸社 ) を出版しましたが、このなかにもキャリアに関してのアドバイスをまとめています。私にとっては 2 冊目の本ですが、今後も執筆活動を続けることからも、 キャリアに関する支援を行いたいと考えています。
8. これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。
仕事を続けながら神戸大学 MBA で学ぶ 1 年半あるいは 2 年は大変ハードな毎日ですが、それ以上に数多くの有意義な充実した素晴らしいことを習得出来ます。私は受験を考えている人には迷うことなく自信を持って受験することを勧めます。単に MBA を取得したいという漠然とした目標だけでなく、まず自分の研究目的をはっきり持って研究計画書を作成し、強固な意志で受験に臨むことが大事です。入学後 MBA 取得まで勉強をするには、職場や家族の協力がなければ難しいので、驕らず謙虚な態度で協力を依頼することが不可欠です。大学院は自分自身で研究し向上する場所ですので、自分が勉強したいという柔軟でかつ自分に克つ強い意思と体力が必要です。何事も前向きに取り組む姿勢を持って積極的に受験準備を進めて下さい。