山田恒仁 さん
シスメックス株式会社 勤務 黄ゼミ
1. プロフィールをお聞かせ下さい。
2011年度入学の山田 恒仁と申します。
工学系の大学院卒業後、現在の勤務先に入社し、情報システム部門、広報部門を経験し、就学当時は商品企画部門に所属していました。当時は、商品企画立案を担当し、顧客の声や技術情報の収集・分析、収益性評価などを行っていました。本学では、黄教授のゼミに所属させていただき、商品企画・開発段階における市場情報のマネジメントのあり方について学んでいました。現在は、研究開発企画部門に所属し、主に米国市場を対象に新たな技術の探索・評価を主な仕事としています。
2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?
入社後10年間で比較的幅広い業務経験を積むことができ、自社の事業や仕組みについて理解を深めてきている実感はありましたが、今後自社の成長に自分がどう貢献できるかを考えると力量の不足を感じるようになっていました。将来をみすえて自分がしておかねばならないこと考える中で、経営学やマーケティングに関するセオリーを徹底的に学び、最先端の事例に触れられるMBAの就学を希望するようになりました。
就学環境に求めたのは、経営学の基礎に加えて最先端の理論・事例が集まり、学べる場であること、理論だけでなく実際の経営課題の解決に必要な経営者の事業観に触れられること、環境変化にあわせてアップデートできること、を挙げていました。神戸大学のMBAは、日本型MBA教育の長年の実績があり、経営学の幅広い分野においてトップクラスの教授陣を揃えていること、プロジェクト形式を採用しており、自ら手を動かしネットワークを拡大し解決策を追求していくことができ、より実践的かつ創造的な学びが可能なこと、卒業後も教授陣やMBA卒業生と継続的な交流の機会を持ちやすい立地環境にあることから、学習環境として最適であると考えました。
3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?
すでに多くの方が書かれているように、期待はいい意味で裏切られました。神戸大学MBAでは、学びは、あくまで自分自身で行うものであります。神戸大学MBAはその先にある経験を提供してくれました。それは、チームワークには困難が伴うが、それを乗り越えた瞬間、いかに豊かな創造性をもたらすかという驚き。そして、論文指導や授業を通じて日々増え続ける膨大な知の財産があることを知り、その片鱗に触れる喜びです。
全く期待していなかった素晴らしい経験が得られました。この二つの経験が現在の私にとって強力な補助エンジンになっていると言っても過言ではありません。
4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。
入学時のガイダンスで金井教授より「ワーク・ライフ・スタディ・バランスをうまくとってください」とのアドバイスをいただきましたが、これには大変苦労しました。仕事に影響させないことを大前提とし、少しの時間でも、本を読んだり課題を考えたり、自分の稼働率をあげるよう心がけていました。それでも睡眠時間を削ることになり、あまりほめられたことではないかもしれませんが、業務の状況を見ながら全力投球する授業とそうでない授業を予め決めておく、家族とのイベントも例年よりは控えめにするなど、バランスがとれているとは言い難い状況になりました。おそらく、当時の上司やチームメンバー、そして家族に、負担をかけたり、考慮してくれたところも多いのではないかと思い、感謝しています。
5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。
学生を休むことなく1年半を走らせるようにうまくデザインされています。春の初回の授業から夏にかけて、夏から冬の間、そして冬から次の夏にそれぞれ配置されている2つのプロジェクト(グループワーク)と修士論文作成からなる合計3つのピークに立ち向かうことで、学問的知識の習得、チームビルディング力、問題意識の先鋭化、セルフマネジメント力等がスパイラルアップしていくようになっています。日々の授業では、ファイナンスなどのいわゆるMBAらしいものから、自らのキャリアを俯瞰して見つめ問い直すようなものまであります。さらには経営者と対話する機会もあります。
神戸大学MBAでの学びの深さ・広さは入学前に想定していたものとはレベルが全くちがっており、非常に充実していました。
6.在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?
授業のひとつひとつが印象的でした。ここまで幅広い範囲が学問として研究され、深く理論化されているのかと知的好奇心が喚起され、実際の事例を題材とした授業では、現実のビジネスの難しさや経営理論を上回る経営者の凄味に触れ身の引き締まる思いがしました。もちろん2つのプロジェクトと修士論文作成も非常に印象的です。