広木誠 さん

パナソニック株式会社 勤務 2014年度修了生 原田ゼミ

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

2013年入学の広木誠と申します。

2003年に工学系の大学院を卒業後、松下電工(株)に入社しました。入社から10年間は主にBtoB向け設備系システム機器のシステム設計やソフトウェア開発を担当していました。現在は商品企画部にて新商品の企画立案や市場分析、顧客や現場からの要望を元にした改善検討などの業務を担当しております、本学では原田ゼミに所属し『新商品開発時における組織内の合意形成』をテーマに研究を行いました。途中、修士論文のテーマ変更や仕事との両立に苦労しながらも、原田先生からは的確なご指導とご助言を賜り、また同級生からは暖かい励ましを頂いたおかげで、2014年10月に無事修了する事ができました。

2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?

神戸大学MBAの存在を知ったきっかけは、会社の新人研修時代にチューターとしてご指導いただいた人事部の方が本学のOBだったことです。非常に博識の方であり、苦労して本学で学ばれ、多くの知識や経験を得られた話を伺い、『いつか自分も本学へ通学できれば』との漠然とした思いは持っていました。実際に本学へ進学を決断するのはそれから10年後になります。そのきっかけは、日々与えられる開発の仕事に追われ、気が付くと自分自身の視野や知識が非常に狭く、偏っていることに危機感を覚えたからです。
また、数あるMBAスクールの中で神戸大学を選んだ理由は、働きながら通学可能なこと。そして、関西圏で最もレベルの高い学生が集まると言われていたからです。それは、受験勉強に対するモチベーションにもなりましたし、周りの優秀な方々と一緒に学ぶことで自身の成長がより期待できると思ったからです。

3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?

私の本学での目標は、自分自身の知識や視野を広げること。具体的には、経営学を体系的に学び、正しく理解し、自分なりの理論として日々の業務に活用できるようになることでした。『体系的に学ぶ』と言う点に関しては、濃密に練られた本学のカリキュラムを最後までやり遂げた点において達成できたと思います。『正しく理解する』と言う点においては、通学期間だけが学習時期であるとは思っていません。多忙なスケジュールの中できなかった復習を今後徐々に進めながら達成していきたいと思っています。『業務への活用』と言う点に関しても、今後長い会社生活の中で達成していければと考えております。

4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。

勉強時間の確保には最後まで苦労しました。少しでも集中して勉強できるように通勤経路内に有料の自習室を借りて帰宅前に勉強するようにしていました。また、比較的出張が多い業務なので新幹線の移動時間は貴重な勉強時間になっていました。当然ながら、友人や部署の飲み会にはほとんど参加できませんでした(期間中で会社の飲み会に参加できたのは3回程度)。日曜や祝日も基本的には課題や論文作成、グループワークの打合せを行っていたので、期間中に丸一日休めた日は10日も無かったと思います。それでも、日曜の夕方以降だけは意識的に学校からは頭を切り離し、リフレッシュするようにしていました。
また、仕事には極力影響しないように心がけてはいましたが、課題の進捗悪化やケースプロジェクトやテーマプロジェクトのインタビュー取材などで、急遽、休暇や早退させてもらうことがあり、結果的には部署や上司に迷惑をかけたこともありました。その意味でも、会社や上司の理解を得られてから入学されることをお勧めいたします。

5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。

練りに練られたカリキュラムだと思います。実際に講義を受講するとそれぞれの講義が独立した存在ではなく相互に関連しており、その順序にも意味があることに気付かされます。毎週、講義を受ける毎に知識が広がっていく様は、ロールプレイングゲームで徐々にレベルアップしていくような気分でした。そして、その素晴らしいカリキュラムを年齢、職業、ポジションなど異なるバックグラウンドを持った71人の同級生と共に学べることが最大の魅力だと思います。講義での同級生とのディスカッションやグループワークを通して、教授からだけでなく同級生からも色々教わることも多く、毎週新たな発見の連続でした。
本学のカリキュラムを通して自分の知識や経験、所属組織での業務範囲が如何に狭い世界であったかを知ることができました。ただし、悪いところだけではなく、自分自身の業務や所属する組織の良さや深さを同時に再発見することができたように思います。それは原田先生が良く仰っていた『井の中の蛙、大海を知らず、されど空の深さを知る』そのものだと思います。

6.在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?

日々の講義やゼミでの議論、また講義後の飲み会や城崎温泉へのゼミ旅行など印象的な出来事は語り尽くせないぐらいありました。その中でもプロジェクト方式によるグループ研究であるケースプロジェクト、テーマプロジェクトのどちらも大変印象深いものになりました。
ケースプロジェクトでは、入学と同時に始まることもありチームビルディングに苦労しました。考え方やバックグラウンドが異なるメンバーとコンセンサスを得る事は容易ではありません。時に空気が悪くなるまで議論したこともありました。試行錯誤の議論を通して、全員が妥協を許さない何でも言い合えるチームへの成長過程を肌で感じることができました。その結果として金賞をいただけたことは非常に光栄であります。
※ケースプロジェクトの様子は下記を参照ください。
ケースプロジェクト研究 2014年金賞

テーマプロジェクトでは、チーム結成時から「金賞」のみを合言葉にメンバー6人で5ヶ月間濃密な時間を過ごすことができました。早稲田大学・井上達彦教授や取材企業7社16名様への訪問、2回の合宿など打合せ回数は50回(時間は200時間以上)にも及びました。それだけの時間と労力をかけることができたのは、ただ闇雲にテーマを決めるのではなく、メンバーの持つ問題意識を何度も何度も話し合い、それに対する共通アプローチとして「模倣」というテーマに至ったことが最大の要因だったと思います。また、毎回の打合せには必ず自分の意見を紙に纏めてくるという暗黙のルールがありました。これは、自分の意見を整理できるだけでなく、メンバー間で良い意味での理論の競争意識が芽生えたと思います。その結果として「銀賞」に終わったことは、今でも悔しさが残っております。これだけの悔しさを日常生活で経験する事はなく、非常に貴重な経験をさせてもらったと思っています。

7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?

小さな変化はたくさんあります。例えば、仕事との両立で限られた時間の中、最大限(時に最低限)のアウトプットを出すために、やるべきことの優先度を常に意識できるようになりました。それに付随して、スケジュールの先読みや割り切りなどタイムマネジメントができるようになった点です。
ただし、MBA期間はあくまで変化の起点であると思っています。多くの講義や同級生や教授とのディスカッションを通して自分自身の目標設定はできたと思います。その目標に到達できるか否かは今後の努力次第だと考えております。

8. これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。

このページを見られているという事は少なからず本学や社会人MBAに興味を持たれていると思います。それと同時に働きながら通学することへの不安を抱えられていると思います。睡眠時間と余暇時間は確実に減りますが、1年半の限られた期間ですので、やる気があればきっと乗り越えることができると思います。同級生の中には、毎日深夜まで仕事されている方、子供が生まれた方、遠方へ転勤された方、毎週遠方から通われている方、在学中に転職された方など私とは比べられないぐらいハードな環境で通学されている方が数多くいます。とにかく本学に興味を持たれたら、まずは受験されることをお勧めいたします。
入試に対するアドバイスは、入学年のゼミ担当の先生とその専門分野をチェックし、その先生の著書を読むことをお勧めします。MBA期間の後半は、ゼミでの修士論文の作成が主になります。自分が誰のゼミでどのような研究を行うかを事前に思い浮かべる事は、受験に対するモチベーションの向上だけでなく、研究計画書の作成にも非常に役立つと思います。また、運悪く不合格だった場合も決して一度の不合格で諦めないでください。私自身も一度の不合格の後に合格しました。