前畑景子 さん

日本生命保険相互会社勤務 2010年度修了生 上林ゼミ

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

大学で商学部を卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、現在は人材開発室で採用関係の業務に従事しています。人材開発室へ異動する前は、個人保険販売部門で営業部門の教育・研修企画・運営や教材作成等を約7年間担当しておりました。
2009年4月に神戸大学MBAコースに企業派遣として入学し、人的資源管理を中心に研究する上林憲雄ゼミに所属していました。

2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?

入社してから10年間、目の前の業務に一生懸命取り組んできましたが、上司から神戸大学MBAの派遣制度があることを聞き、改めて自分自身の業務について客観的に見つめ直すとともに、自分の視野を拡げる非常に良い機会なのではないかと思い、神戸大学MBAにチャレンジすることにしました。神戸大学のMBAコースは著名な先生方による講義が非常に充実しているだけでなく、全員が社会人として仕事と両立をしながら勉強している方だということを知り、そのような環境に自分の身をおくことによって非常に良い刺激を受けることができる機会だと考えました。また、社会人経験をもった方ばかりで経営学を学ぶことによって常に実践を意識した知識を習得することができ、仕事と両立しながら学ぶことによって日々の業務への問題意識を理論と結び付けて考えることができると思いました。

3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?

予想以上にハードな毎日でしたが、自分自身がいかに視野が狭かったか、知識が浅かったかを痛感する1年半でした。MBAコースに入る前は10年という業務経験を活かして仕事をしていた分、十分な理論を考えることなく仕事を進めてしまっていたということも実感しました。そういった自分自身の未熟さを実感できたのは、単なる講義ではなくディスカッション形式の講義で様々なクラスメイトの考えを知ることができたことで、知識を深堀りできたことや、ゼミの中で何度も修士論文の理論構築について上林教授やゼミの仲間に意見を頂いたからだと思います。
こうして日々刺激を受けながら勉強できたことで、今までよりも自分自身の考えや意見について様々な角度から考えられるようになったと思いますが、神戸大学で学んだことをこれで終わらせず、日々の業務に問題意識を持ちながら活かしていくことが大切だと思っています。

4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。

在学中は仕事と勉強に追われる毎日でした。講義は1コマ90分で金曜日に2コマ、土曜日に5?6コマありますが、講義を受けるにあたって事前の必読文献やケーススタディを予習していく必要があります。また受けた講義について事後レポートを提出するため常に予習と復習を家に帰ってから睡眠時間を削ってこなす日々でした。
また、1年目は6?7名のグループで行うケースプロジェクト研究・テーマプロジェクト研究が必須となっています。クラスメイトは全員社会人のため、発表会に向けて講義のない日に仕事が終わってからグループメンバーで集まって議論したり、企業訪問に向けての事前準備をしたりしたため、講義の予習や事前・事後レポートと並行して行うことは体力的にも精神的にも非常に大変でした。これらをこなすために、短い移動時間でもできることを考えながらスケジュールを考えたり、家では集中できないため家の近くの図書館等で勉強するようにしていました。職場の周囲の方も講義のある日は早く会社を出られるように配慮してくださったり、日頃「頑張ってる?」といった声をかけて頂き、温かく見守っていただいたので本当に感謝しています。

5. 神戸大学の修学環境についてお聞かせ下さい。

充実したプログラムを受講できたことはもちろんですが、さらに素晴らしい仲間と受講できたことが自分にとって何倍も意味のある1年半になったと思っています。
プログラム内容は講義だけでなくケーススタディが多く組み込まれているため、インプットした知識をどのように自分で考えアウトプットするかまで求められます。そのため講義も緊張感を持って臨むことができ、ディスカッションによってさらに理解を深めることもできました。また、グループで行ったケースプロジェクト・テーマプロジェクトでは自分だけでは考えが及ばない様々な視点から本音の議論ができ、理論と実践をプログラムの中でも実感できる内容になっていました。
2年目はゼミ中心で、修士論文に向けた問題意識を整理することから悩む毎日でした。ゼミがある日は先生方やゼミの仲間から厳しい指摘を受けましたが、その後は全員で飲みに行き、さらに気になる部分はその場で意見をもらうといった非常にメリハリのある日々でした。

こうしたプログラムを通じて、日頃社内では受けることのできない刺激を受けることができ、素晴らしい仲間と共に過ごせたことでハードな日々でも粘り強く取り組めたのだと思います。

6. 在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?

ケースプロジェクト・テーマプロジェクトやゼミ以外で印象に残っている授業としては、常にディスカッション形式の講義で行われるゼネラルマネジメント応用研究やかなりのボリュームのレポートを求められる経営戦略応用研究などがありますが、どの講義も非常に著名な先生方による講義で刺激を受けることができました。
その中でも特に印象深かった出来事は、ビジネスエコノミクス応用研究の最後の講義です。講義の中で学んだことを活かして実務経験を踏まえたレポートを作成するという課題について、数名の同期生が発表を行ったのですが、そのレポートが非常に素晴らしく、同じ講義を受けていたにも関わらず実務に活きる知識としてここまで理解・習得しているのかと自分自身を反省するとともに、その同期生のように自分ももっと学んだ知識や理論を活かす努力をする必要があるのではないか、と刺激を受けました。その発表した同期生は講義の中で何度も出てきた「ナッシュ均衡」という語を使って「ナッシュ」というあだ名がつけられましたが!

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