外村衡平 さん

メーカー勤務 2007年度修了生 古賀ゼミ

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

2006年度入学の外村衡平と申します。所属ゼミは古賀ゼミです。現在、ごみ処理プラントなど環境プラントを作っているメーカーで株主総会の企画運営など総務の仕事をしています。2007年4月に勤務先企業は敵対的買収防衛策を導入しましたが、ちょうど在学中の2006年から2007年にかけて、この中身を作っていく作業に携わりました。

2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?

こう言うと身もふたもありませんが「縁があった」のだと思います。直接の要因は経営コンサルタントをしていた伯父からの勧めでした。キャリアについての自分の想いを相談した際に、神戸大学のビジネススクールに挑戦するべきだと指導を受けたのを切っ掛けに受験することにしました。当時の勤め先の役員が神戸大学大学院経営学研究科のアドバイザリーボードに名を連ねていたのも「何かの縁」を感じていました。自分が神戸大学法学部のOBだったことももちろん「縁」を感じる要因でした。

また、神戸大学の社会人MBAは既にビジネススクールとして老舗の粋に達するくらいのブランドイメージを持っていたことも「是非ここで勉強したい」と考える要因になっていました。受験から入学まで、自分が合格できるのか、合格しても勉強についていけるのかなど、色々と思いめぐらしはしましたが、他のビジネススクールの願書を書こうと思ったことは有りませんでした。神戸大学のMBAを選択したのではなくて、導かれるままここに来たという感じがしています。やっぱり「縁があった」のだろうと思います。

3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?

何を学びたいか、という点で焦点を置いていたのは今まで仕事で携わっていなかった会計や財務の知識でした。これらの分野に関しては本を読んで知識を得るだけではだめで、一定の訓練が必要だと聞いていたので、是非ここで体得したいと考えていました。優等生ではありませんでしたが、講義からはとても多くのものを得ることができました。今後仕事でこれらの領域に触れることがあれば、躊躇なく最初の一歩を踏み出せるようになったと思います。

MBAで学ぶことによってどんな人間になりたいか、という点では、法律と経営を結びつけて考えることができる人間になるという目的をもっていました。この目的が達成されるかどうかは分かりません。これから私が何をするかによると思いますがMBA修了が最初の一歩になっていると思います。

結局、MBAで習得することは仕事で使うこと、使える人間になることが目的なので、まだ結果は出ていないのですが、この一年半学んだことを切っ掛けに、達成できるまで頑張り続ける決意を得ることができました。

4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。

私がした工夫は、早起きをして早朝の時間を勉強にあてることです。これは入学前から行っていましたので習慣になっていましたが、入学してからは、時間が必要になるたびに起きる時間を早めていきました。人それぞれのスタイルがあるので何とも言えませんが、徹夜するより僅かでも睡眠を取ったほうが、その後の集中力が違うので俄然効率的だと思います。工夫や苦労は、私よりずっとハードな環境でやりこなしている人が沢山いました。

私は、家族や職場の方々が理解して協力してくれたことのほうが、自分の工夫や苦労より大きかったと、とても感謝しています。どうしても講義に出られないときにフォローしてもらったクラスメートも忘れてはいけないと思っています。自分が努力するのは普通だと思います。周りの人たちがそれを認めて支えてくれたので、凡庸な自分にもやりこなせたのだと思います。

5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。

MBAに入学してよかったと思うのは、仲間と出会えたことです。年齢も、職種も、勤め先の業界も様々ですが、MBAで学ぶという同じ志をもち、みな努力を惜しまない高い向上心をもっています。そんな人たちと学びあうことにとても刺激を受けました。

先生方との出会いもとても貴重です。MBAの講義をなさる先生方は、例外なく大変な時間をかけて準備されています。講義内容も我々受講者の反応を見ながら、議論が活発になるにはどうしたらいいか、当該科目ではどのような論点がもっとも関心を持たれるかと、考え抜かれて講義をされています。こちらも真剣に参加しなければもったいないと思わせられます。

6. 在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?

私が所属した古賀ゼミでは、修士論文完成後に、その成果を海外でプレゼンテーションする機会を設けていただきました。オーストラリア国立大学とシドニー大学で6名のゼミ生が自分の修士論文の内容を英訳し、オーストラリアの研究者の前で発表しました。英語で生活した経験のない自分にとっては無謀とも言える挑戦でしたが、素晴らしい経験をさせていただきました。

海外の研究者の先生と自分が論文を書いたテーマで話ができるというだけでも、それは得難い経験だと思いますが、現地の先生方は、我々が発表している内容に真摯に耳を傾けてくださって、議論してくださいました。自分が論文で論じたテーマがオーストラリアでどんな風に理解されるのか、少しでもそれに触れることができて、自分の関心の幅が広がったと思います。

7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?

よく修了後に本の読み方が変わったという話を聞きます。書いてあることを批判的に読むようになり、深く読むことができるようになったと言われます。自分も「それは本当か?」ととことん考えるようになりました。しかし、これは大きな変化ではなくて、「MBAを修了してこんな風に変化した」というからにはもっと創造的な変化が欲しいと思っています。学んだことを今後どう生かすかが重要なのだろうと思います。そのための第一歩として、新聞の記事などを読むときに意識的に「次に起きることを予想」するようにしています。MBAで培った「ここで論じられていることは本当にそうか?」と深く考える癖を創造的に生かす方法だと考えているのですが、これも情報に対するアプローチの仕方であって自分自身が変化していることではありません。大学院の修了は変化を起こすスタートラインであって、今、何か欲しいものが得られたというのではない気がしています。

8. これから受験を考えているみなさんへアドバイスをお願いします。

年齢も職種もバラバラなのに同期入学の人たちとは不思議な紐帯を感じます。ノリが合うというか、打ち解けやすいというか、互いに受け入れる体制ができている感覚を持ちます。しかし、一年前後するだけで教室の雰囲気などがらりと変わってしまうようです。先輩たちが我々の講義へ見学に来て仲間のプレゼンテーションを見ると何か違和感のようなものを感じるようです。私たちの同期の仲間が一年あとに入学した方たちの教室に行ったときも、同じような違和感を覚えたようでした。ここにも「縁」が働いているのだと思います。同じ期に入学した仲間とは何か同じものを共有しているのです。

これからMBAへ来て学ぼうとする方にも、今ここでしか会えない人、経験できない挑戦があると思います。一度飛び込んでしまえば、やるべきことは後から付いてきます。挑戦する気持ちがあるなら、一度は門を叩いてみてほしいと思います。これも何かのご縁ですから。