清水敦 さん

オムロン株式会社勤務 2006年度修了生 加護野ゼミ

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

1998年に早稲田大学商学部を卒業後、オムロン株式会社に入社しました。入社後約4年間は原価計算や予算策定業務等に従事し、その後は新規事業開発に携わっています。

神戸大学MBAは2005年4月に入学しました。加護野忠男ゼミに所属し、新規事業について研究しました。

2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?

もともと経営学に興味があり、民間のビジネススクール等や独学で学んでおりましたが、その集大成として「いつかはMBA」という想いを数年前から抱いておりました。

昨今、数多くのビジネススクールが設立されていますが、やはり各分野で日本を代表する著名な教授が多く在籍されているのと、名実ともに関西No.1だと思っていたので、机を並べるクラスメイトも優秀な人たちが多く、大いに触発されるであろうことを想定して神戸大学を選びました。

また、平日は淀屋橋にあるサテライト教室(大阪経営教育センター)、土曜日は六甲キャンパスで授業が行われるというハード面での就学環境も、西宮市在住で大阪市内に勤務する私としては、非常に好都合でした。

3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?

入学当初は広く体系的に経営学を学びたいという漠然とした目的でしたが、結果として、目的以上のものが得られました。

カリキュラムが進むにつれ、神戸大学MBAは単なる表面的な経営知識を身につける場ではないということに気づかされます。日頃の業務の中に内在する理論や課題を顕在化すること、問題を深く追求する姿勢など、もっと根本の部分で得るものがありました。環境の変化が激しい昨今、我々ビジネスパーソンは「走りながら考える姿勢」が求められます。しかし、経験を重ねるにつれて惰性が働き、いつしか「走る」ことに力点がシフトしてしまいがちです。神戸大学MBAに通ううちに、改めて「深く考える」という行為の重要性に気づきました。

また、一緒に研鑽したクラスメイトとの人的ネットワークも神戸大学MBAで得られた大きな財産です。クラスは、様々な業界で様々なキャリアを歩んだ人達が高い志を持って一堂に会すため、これまで自社内、業界内の繋がりしかなかった私にとっては、かなりの刺激になりました。修了後もこのネットワークは大切にしていきたいと思います。

4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。

MBAと仕事との両立は予想通りタフなもので、プライベートな時間や睡眠時間は確実に削られます。ただ、熱気あふれるキャンパスに通うということ自体が数年ぶりであるため、毎日がとても新鮮で、さらに異業種で活躍するクラスメイトと議論し、新たな知識を身につけることが思いのほか楽しく、正直なところあまり苦痛に感じることはありませんでした。修了した今だから言えることかもしれませんが、辛いことより楽しいことの方がはるかに多かった1年半でした。

また、私の場合は企業派遣ではなく私費での通学でしたが、職場の理解が得られ、業務上十分にサポートしてもらえたことも大きかったと思います。

「いかに楽しんで取り組むか」「職場の理解が得られるか」という点が、長期に渡って仕事と学生生活を両立させるポイントではないでしょうか。

5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。

全ての科目に「応用研究」と銘打たれているように、経営の基礎的な知識の習得に留まらず、ベーシックな理論を基盤としつつも、理論と実社会とのリンクを強く意識したカリキュラムだったように感じました。

神戸大学MBAの特徴として、いわゆる「プロジェクト方式」が挙げられますが、特定の分野においてテーマを設定し、グループで研究するミニ・プロジェクトやプロジェクト実習においては、各職場での問題意識を共有し、議論することで、より実践に近い研究に従事することができます。また、他の科目においてもクラスメイトとチームを組んで特定の課題解決に取り組むグループワークが頻繁にありますが、このスタイルは、相互に刺激を与え合うだけでなく、実務におけるプロジェクト遂行のノウハウも同時に学べ、さらにクラスメイトとの結束が強まるという副次的な効果もありました。

6. 在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?

最も印象に残る授業・イベントは2つあります。

1つ目は経営戦略応用研究です。言わずと知れた神戸大学MBAで最もハードな授業で、莫大な量のレポート提出を課され、実際この授業を受講している時期は睡眠時間もほとんどなくなりますが、その分得るものも非常に大きかったと思います。70名近いクラスメイト1人1人のレポートに目を通し、その全てにコメントを書いていただいた小島先生の熱意には頭が下がります。

2つ目は修士論文を完成させたことです。私は加護野先生にご指導いただきましたが、先生からのご指導を通して改めてMBAの価値に気づきました。論文作成の過程でいただいたアドバイスの1つ1つが今でも心に刻み込まれています。神戸大学MBAは、あくまで「専門職大学院」であり、一般大学院とは一線を画します。働きながら研究を進めることは、一般大学院と比べて時間的制約が大きいですが、時間が決してない中、一般大学院で書くべき修士論文に近づけるということではなく、一般大学院とは違ったアプローチが求められるではないでしょうか。MBAにおいては、日常の業務における問題意識をベースに、より実践的な問いを立て、より実践的な解を自分の限界まで徹底的に深く追求することこそが自分自身にとっての価値であると同時にアカデミックな世界への貢献にもなり得ると思います。

7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?

1年半の就学を通して、これまでの社内というクローズドな尺度でなく、新しい尺度で自分の強み、弱みを自覚するに至りました。また、自分のキャリアパスに対する価値観も大きく変わりました。

今後はMBAで学んだことを生かし、自分の弱みを克服するとともに、グローバルな舞台で活躍できるレベルにまで強みを引き上げたいと思っております。

MBA修得はあくまでスタートラインだと思っております。学んだことを実務に生かせないのであれば、MBAの意味がないと思っています。

8. これから受験を考えているみなさんへアドバイスをお願いします。

私は受験する時、「果たして合格できるのか」「仮に合格しても授業についていけるのか」「ちゃんと修了できるのか」と不安で一杯でした。しかしとにかく一歩踏み出すことが大事だと思います。

神戸大学MBAは「大きく叩けば大きく響き、小さく叩けば小さく響く」そんなビジネススクールです。もしここで学ぶことになったら、とりあえず単位を揃えてMBAというタイトルを取得する、というスタンスではなく、100%の力で挑んでいただきたいです。

それに応えてくれる教授陣、クラスメイトが待っています。