西高裕美 さん

株式会社日立システムズ 勤務 2022年度修了生 松嶋登ゼミ

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

私は大学時代に、ITを使ってどうビジネスを変革するかをゼミで学んだことがきっかけで、2013年にシステムインテグレータである日立システムズに入社しました。入社以来、主に関西圏に本社を置く流通業のお客様に対して、ITインフラ、基幹システム、業務システム、BPOサービスなどの提案活動を行ってきました。近年は、お客様企業のDX推進を意識して、主に経営層の方と課題を伴走しながら解決することにチャレンジしています。

2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?

まずMBAを受験した背景には、私自身の営業活動の幅を広げたいと考えたことがあります。近年、急速に社会情勢は変化してまいりました。特にCOVID-19の感染拡大に伴い、多くの企業の事業活動にも大きな影響をもたらしたと考えます。これまで日本では、ハンコ文化やFAXでの業務は一般的でありましたが、これらをデジタルで完結していく動きが加速しました。そのような変化の中で、ITに求められる役割も大きく変わってきました。ここ数年で大きく認知されるようになったDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、ITで業務を効率化するだけでなく、デジタルで価値を創り出し、事業や経営環境を改革していくことを指します。私たちシステムインテグレータにおいても、お客様の経営層や事業部門とデジタルで価値を協創していくことが求められてきており、私自身もデジタルを通してお客様の事業にどう貢献できるか語れるようになりたいと思いMBAを志望しました。

その中でも、神戸大学を選んだ理由は、社会人として働きながら通えるカリキュラムになっていたからです。サラリーマンとして、現行業務を抱えたまま大学院に進学することは不安な点が多かったのですが、身近な社会人の先輩たちが修了できている神戸大学MBAであれば、自分にもできるかもしれないと思えました。また同期となる方たちも、多種多様なフィールドで活躍されている方たちが多いことも魅力的な要素でした。

3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?

学びという点では、MBAの目的は一定程度達成できたと思っています。しかし、修了した今から実社会でどれだけ活用できるかという点が重要ですし、学びには終わりがないため、日々アップデートしていくことが必要だとも感じています。

神戸大学MBAでは、研究のやり方という武器を習得させて頂いた実感があります。今後、日々変化する世の中で学びつづけるために、自身で“どのように情報収集を行い、どのように分析するか”を頂いた武器を用いて、磨いていければと考えています。

4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。

毎週のレポート課題を日曜日と平日の勤務時間後に取り組む日々を過ごしていました。特に業務が多忙な時期など、どうしても時間を捻出することが難しいこともありましたが、 強力な同期たちと励まし合って、時に自身の理解が及んでいないところをサポートしてもらうこともありました。通常のレポートと併せて、プロジェクト科目なども並行して進むため、時間のない中で同期と助け合って両立できたと感じています。また勤務先の上長や同僚、家族など、周りの理解といった環境にも恵まれていたことも大きかったです。

5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。

神戸大学MBAの特徴だと感じたのは、プロジェクト形式のカリキュラムがある点だと思います。コア科目などを通じて基礎となる学びを行った上で、チームプロジェクトでアイデアを出し合って学びが深まっていく実感がありました。自分ひとりでは導くことの難しいアウトプットやそれらを融合して更にアイデアが発展していく過程はプロジェクトでしか味わえないものでした。また自身の職場とは違い、様々なルーツや経験値を持つ同期との共同作業は新鮮で、日々発見も多かったです。これらを通して、同期の結束力が強くなり、今でも公私にわたって本音を語り合えるかけがえのない仲間です。

6. 在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?

一番印象的だったのは、テーマプロジェクトで銅賞を頂けたことです。テーマプロジェクトは自分達で何を研究するか設定して取り組む必要があり、最初のテーマ設定や調査したことが自分たちの仮説と異なっているなど、壁にぶつかることはたくさんありました。多様な経歴をもつ6人のメンバーで夜中まで議論したり、休みの日に集まって一日中向き合ったり、仲間と共に困難を乗り越えてきました。また苦難を乗り越えて、発表内容を評価頂けたことは本当に嬉しく、一番の思い出になっています。

7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?

私自身、学生生活を通じて、大きな変化があった一人だと思います。それは、学んだことを実践するという点においてです。

私の修士論文は、“官僚制組織を持つ大企業がどのようにしてボトムアップでイノベーションを創出できるか”について研究しました。その事例研究にあたり、NTTドコモ様の『アグリガール』に関心を持ち、調査を行ってきました。実際にインタビューなどを通じて、書籍などでは感じられない現場起点でイノベーション創出に取り組む方々の熱量を感じることができました。また、自身の立場に置き換えても彼女たちのやり方を上手く取り入れることができれば、更に新たな挑戦ができるのではないかと感じさせられるものでした。修士論文での研究を通して、今では職場にて若年層での学ぶ場のコミュニティを同僚と設け、その運営は『アグリガール』の取り組みを参考にして行っています。まだまだ、始動間もない状況ですが、やらされ感がない互いの成長を励まし合う場としては、良いスタートをきれているという実感があります。

更に、『アグリガール』の方や修了生が関与されている『5G・IoTデザインガール』というデジタル人材育成プログラムにも実際に参加し、外部の企業の方たちとの社会課題解決のアイデア創出にむけたワークショップにも実際に取り組んでおり、まさに修了後も継続しているところです。加えて、デザインガールでの取り組みで未だにお世話になった松嶋登教授にご相談することもあります。今後は理論と実践において、より松嶋教授や神戸大学と連携し、社会実装側の立場として貢献していきたいと考えています。

8. これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。

MBA受験において、仕事や家庭との両立に不安を覚える人が多いと思います。私も同じように感じていました。確かに、徹夜することもありましたし、思い返せば常に走り続けていたような気がします。結論を申し上げると、「Show must go on」 の精神のように、人間はやらなきゃいけない場に置かれるとなんとか乗り切るようにできていると思います。1年半~2年という期間は、長い人生の中ではすごく短い時間です。私はこの中で、出来不出来は別として、学ぶ喜びと生涯にわたって切磋琢磨できる素晴らしい仲間ができたと思っています。ぜひ、思い切ってジャンプイン頂いて、損はないと思います!

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