2013年度ケースプロジェクト 金賞

金賞

メンバー:佐々木良瑞、田中章弘、谷口格崇、徳村優、広木誠
(※五十音順、敬称略)

2013年8月3日(土)、神戸大学本館306号室で行われたケースプロジェクト発表会において、激戦の末、見事優勝を勝ち取られたチームにインタビューを行いました。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(佐々木) 4月に入学してから、8月10日の発表まで、ほぼ4ヶ月間まるまる費やしたと思います。 特に、ケース選択では非常に悩みチームで色々と議論しました。ケース変更を指導教官である三品先生から言われたことは無かったのですが、マイルストーン1で当初意中の企業を選択できず、マイルストーン2の1週間前までマイルストーン1で選択した企業で行くのか、それとも他の企業に変更するかで本当に悩みました。
マイルストーン2で、想定以上の評価を頂き、そこからチーム全体がやるぞ!という雰囲気になり、拍車が付いた気がします。

(田中) 土曜の授業後と週1ペースで平日の夜に集合、後はFacebookとDropboxを利用するスタイルでした。マイルストーンを通過するごとに平日の夜に集まる回数が増え、最終的には平日夜に週2~3回、土曜は終電まで、日曜も朝から晩まで議論していました。

(谷口) 4月から8月の発表まで、初めのうちは、土曜日の授業の後、週に1回程度でした。後半は、土曜日の授業の後以外にも、平日の夜、天満橋の喫茶店に集まって、打ち合わせを行っていました。一回の打ち合わせに要した時間は、3時間程度だったのではないかと思います。

(徳村) 当初はチーム内でお互いに遠慮もあり、なかなかエンジンがかかりませんでした。エンジンがかかり始めたのは6月15日のマイルストーン2の直前です。発表の1週間前から集中的に追い込んだ(追い込まれた?)結果、この関門では三品教授から高評価を得て、無事突破することができました。
しかし思いがけない高評価のためチームの緊張感が少し緩み、またペースが落ちてしまいました。その結果、7月13日のマイルストーン3ではロジックを深掘りできていないことを三品教授に厳しく指摘されました。優勝候補から一転脱落し、チーム内では悲壮感と緊張感が高まりました。その後、8月3日の最終発表までは、週に2?3回(授業終了後も含みます)集まってロジックを構築し直しました。ロジックの再構築にあたり、データを収集する必要があったのですが、ケースとなる企業から多大なる協力を得られたのは本当にありがたかったです。
具体的な準備は、文献の確認、データの収集、ケースとなる企業へのインタビュー、チームでのミーティングです。ミーティングでは仕事帰りに喫茶店に集まり、23時の閉店まで打合せを重ねました。

(広木) 活動が本格的になったのは、GW明けのケース企業決定後だったと思います。ミーティングは基本的には毎週平日夜1回と土曜の放課後の2?3時間。マイルストーン2・3の直前や最終発表が近づくにつれ、平日のミーティングの回数を増やし日曜・祝日にも実施しました。また、研究対象の岩瀬コスファ(株)様へは、3回もインタビューに訪問させて頂きました。

Q2. 入学から4ヶ月を振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?

(佐々木) 業務の関係上、当初から金曜日の講義は出席しない前提で入学しました。多くの方々が金曜日も講義を受けられ、土曜日も受けていらっしゃる中、土曜日の講義だけでも、課題をこなしたり、事前に指定の文献を読んだりすることで精一杯の状況です。もう少し余裕があるかと思っていましたが、想像以上に忙しいのが現実です。
ただ、講義は想像以上に刺激的な内容が多く、具体的にどうとはまだ言えませんが、自分の中で、何かが変わっていく様な感じは受けています。
また、同期の仲間たちも様々なバックボーンを持った優秀な方々が集まっており、何気ない会話にも刺激を受けています。当然講義に対する姿勢というものも、皆主体的で積極的であり、刺激を受け、研鑽の毎日という感じです。
更に、講義終了後は、日常の業務では出会えない色々な方々(同期等)と飲みに行き親交を深めることができるのも、MBAの醍醐味だと感じております。

(田中) 予習や事前&事後課題の量が想像していたより3倍くらい多く、かなりヘビーなウェイトトレーニングをしている気持ちになります。また私事ではありますが、MBA二次試験の日に第二子が生まれたので、ベビーでウェイトトレーニングをしながら日々MBAの予習や課題に取り組んでいます。

(谷口) レポートや課題、参考図書が、沢山あり、付いていくことに精一杯になっており、なかなかすべての授業をタイムリーにこなしていけていないように思いました。しかし、普段会社では、聞けないような話しが聞け、いろいろな業種の方と知り合いになれて、非常に刺激がありました。このような刺激があるので、大変ですが、何とか勉強できていると思いました。

(徳村) 毎週、予習が多いので準備が大変ですが、MBAの授業は本当に面白いです。まだ入学して5ヶ月ですが、今までに習った授業の知識や読んだ書籍の内容が次の授業につながるなど、とてもうまく構成されています。また、レポートや試験(決して好きではないです)で授業の振り返りができ、自身の習熟を深めることができます。
授業では学生がレポートを発表したり、意見を述べたりする機会が多いです。他の学生のレベルや意欲は高く、テクノロジーやファイナンスなどそれぞれの専門分野に基づいた鋭い意見を聞くことができます。授業後の飲み会も含めて、土曜日にMBAに通うのが本当に楽しいです。

(広木) 覚悟はしていましたが、毎週出される予習の読書や課題レポートに追われています。また、仕事面でも部署の異動と重なって二重に不慣れな生活を送っております。毎週バタバタの連続で気が付いたら一週間が過ぎていくという感じです。毎週新たな知識を得ることができるので、じっくり復習する時間が欲しいところですが、新たな課題のためにそこまで手が回らないのが実情でした。

Q3. 発表会の準備で大変だったことは何ですか?優勝の感想と併せてお答え下さい。

(佐々木) 発表会の準備で大変だったのは、ケースから得た我々の仮説を如何に伝えるかという部分です。審査をされる先生方や聴いている人に納得してもらうべく、話の組み立て方に矛盾なくスムーズに腑に落ちる様、論理の組み立てには気を遣いました。
論理的に破綻、矛盾なく話しが進むよう、軸となる仮説の説明に不要なものをそぎ落とし、必要なものを付け加えるという作業を、全員で何度となく行いました。
ある先生からの講評で「手堅い」というコメントがありましたが、その通りだった思います。
また、優勝という結果については、正直驚きでした。マイルストーン3での評価はそれ程良くなかったですし、我々の発表まで1位だったケースは本命と思っていたケースでしたので、驚くと共に嬉しかったです。

(田中) MBA全体に言えますが、プライベート(特に育児)との両立です。土曜以外も時間を使うケースプロジェクトは正直厳しかったですが、何とか無事に終え、しかも優勝までできたのはひとえに家族とチームメンバーに支えて頂いたお陰です。本当に感謝しております。

(谷口) ケースプロジェクトの打ち合わせを平日に行う場合、夜遅くなるので、体力的にも大変でした。その上、会社の飲み会など、断らなければならないこともしばしばありましたので、精神的にもストレスがかかりました。私たちのチームが金賞をいただけたのは、運が良かったと思います。チームのメンバーにも恵まれていましたし、ケースとして選んだ企業に訪問させていただけるよう、企業の副社長さんを紹介していただけたなど、いろいろな方のおかげだと思います。

(徳村) 大変だったのはケースの選定とロジックの構築でした。まず、6月15日のマイルストーン2の前日までケースの選定で悩みました。この段階でケースが変更される可能性もあるため、別のケースにすべきか、発表前日の終電までカラオケボックスで議論しました。この時はケースが変更されるのではないか、さらには単位が取れないのではないか、と本当に心配しました。
また、7月13日のマイルストーン3での三品教授からの指摘に基づき、ロジックを各自がまとめてくることにしました。私なりにきちんと理解しているつもりでも、改めて文章にして考え直すと、ロジックに飛躍があったり、説明根拠が薄弱だったりする点があることに気付きました。そこで、論理展開が不十分である点についてメンバー同士でお互いに厳しく指摘しました。結果的に、この段階でロジックをグループ内で腹蔵なくぶつけあったことが、ロジックに説得力をもたらし、優勝することができたのだと思います。

(広木) 始めの2ヶ月間のケース選定作業が最も苦労しました。我々は5月のケース選定後も変に妥協することなく、全員の同意が得られるまでケース選定について何度も議論しました。その結果としてマイルストーン2で最高の評価をいただいたことで、チームの結束とモチベーションが高まったと思います。最終発表に関しては、チームで話し合ってストーリーが論理的であることと、相手に分かりやすいかということに注力することにしました。そのため、発表スライドの一字一句や配色に至る細部まで徹底的に議論することを心がけました。そのことが優勝という結果を生んだことは大変うれしく思います。このチームの強みは『良いことは良いだけでなく、間違っていることは間違っている』とお互いに何でも言い合えることだと思います。
また、今回優勝することができたのは、3度に渡るインタビューにご協力頂いた岩瀬コスファ(株)の皆様のおかげだと思っています。本当に感謝致しております。

Q4. 今後の抱負をお聞かせ下さい。

(佐々木) ケースプロジェクトでは、座学では得られないチームビルディングやマネジメントと言ったものを肌身で感じられたと思います。ケースプロジェクト終了と同時にテーマプロジェクト、ゼミと新しいプロジェクトが始まり、息をつく暇もありませんが、また、ここでも新たなものが得られると感じています。
MBAを志した動機の一つに、これまでの自分に何か+αを得るということでした。時間のマネジメント等困難なことも多いですが、自分を律し、今まで以上に貪欲に前向きに色々なものを吸収していきたいと思っています。そして1年後、本課程修了の暁には、一つ違ったステージから物事を考え、実行できる様な人材になっていたいと考えております。

(田中) MBAの方は、次のステップであるテーマプロジェクト研究がスタートしており、ケースプロジェクト研究で得たインプリケーションやノウハウを生かして取り組んでいきたいです。仕事の方は、ちょうど新規事業を立ち上げているので、MBAで学んだことを存分に生かし、しっかりと利益が出るように事業計画を立てたいと思っています。

(谷口) 会社での自分の業務に、MBAで学んだことを活用していけるように、あと1年しっかりやろうと思います。

(徳村) 自分で選んだ道とは言え、想像通りハードな毎日です。予習やレポートで大変ですが、準備した分だけ授業で得られるものも多いです。社会人として長年勤めると専門性は高まりますが、経営に必要な能力や知識を横断的に高めることは困難です。この点、MBAは1年半という短期集中で未知の領域を体系的にかつ効率的に学ぶことができるとても貴重な機会です。
また、MBAの同級生はみなさん優秀な方ばかりで、教授からだけでなく他の学生からも学ぶことは多いです。1年半一緒に苦しくも充実した時間を過ごすことで得られる人脈は、経営学の知識とともに一生の財産になると思います。すでに5ヶ月が過ぎましたが、残りの期間を精一杯楽しみ、来年の卒業時点で悔いのないようにしたいと思います。

(広木) ケースプロジェクトを通して、チームビルディングの難しさと楽しさを経験させてもらいました。また、先生からだけでなくチームメイトからも色々教わることがありました。この経験を今後続く、テーマプロジェクトや修士論文につなげていきたいと思います。

 

優勝チームの皆様、ご協力ありがとうございました。そして、おめでとうございました!