2020年度加護野論文賞 第一次・第二次選考結果

第13回加護野論文賞第一次・第二次選考通過論文

加護野忠男論文賞とは、神戸大学MBAの創設期の中心人物の一人であり、その後の神戸大学MBAの3つの柱の確立に尽力されてきた加護野忠男氏(神戸大学特命教授)の貢献に敬意を表して定められた賞です。2008年度より、毎年の神戸大学MBAの修士論文のなかから最優秀作品を選考し、加護野忠男論文賞として表彰しています。

2020年度の加護野忠男論文賞の選考は、例年通り3段階にわたって行われました。第一次選考では、修士論文を指導してきた5名のゼミ教員が各2本の論文を推薦し、70本前後の提出論文のうち、10本が第二次選考の対象へと絞りこまれます。第二次選考では、選ばれた10本の論文について、学内教員で構成する選考委員が審査し、上位3本が選出されます。最終選考では、この3本の論文に対して、学術界、産業界、出版界の3つの領域から選出された学外審査委員と、加護野教授が、上位3本の順位づけを審査の上、受賞を決定します。この最終選考における学外審査委員からのコメントは、次年度以降の神戸大学MBAにおける修士論文の指導や審査、そして加護野賞の選考方法などにも反映されていきます。加護野忠男論文賞の選考を通じて、神戸大学MBAでは、様々な専門性をもつ学内外の専門家によって、修士論文の手続き的な信頼性の評価、そして産業界への貢献についての評価という二つの側面からのオープンな審議が行われ、そのフィードバックを通じて、時代に応じた不断の改善を続けています。

2020年度第一次選考通過論文

各ゼミ担当教員による10本の推薦論文は以下です(敬称略・順不同)

伊藤 宗彦  
塩尻 晋也 恒常的多事多端なベンチャー企業へのサービス方針の提案-駐車場シェアリングエコノミーの独自性を掛け合わせて-
梶谷 直弘 エネルギー業界の革新的事業者に関する研究-脱炭素型エネルギーシステム普及に向けた要因分析-
黄 磷  
小林 圭 日立グループの再編と上場子会社の経営変革
長谷川 直紀 ブランド理念の実体化が組織外部・内部に及ぼす影響とメカニズム
國部 克彦  
髙津 亜弓 IFRSの導入がM&AのPost Merger Integrationに与える影響
藤井 祥 健康経営による企業パフォーマンスの向上
鈴木 竜太  
大田 結 サウンドシンボルが組織に与える影響
松岡 佑季 医療機関における情報の不確実性が組織に与える影響ーCOVID-19流行下での病院を事例としてー
三品 和広  
秋吉 健司 成長が停滞した商環境創造企業の転地 ビヨンドディズニーを地方に創る
松岡 亜都子 ただしく医療情報を伝える

 

2020年度第二次選考通過論文

2021年3月2日、次年度にMBAゼミを担当する教員から4名(小川進教授、梶原武久教授、藤原賢哉教授、松嶋登教授)および代理の教員1名(平野恭平准教授)を審査員として、加護野忠男論文賞の第二次選考を実施しました。10本の推薦論文に対する審査員の評価は、ある程度において分散したとはいうものの、その中で比較的高い評価を受ける上位3つの論文は安定して複数の審査員からの票を集めました。そのため、スムーズに選考が進んだという印象を持っています。やはり、専門職大学院にふさわしい切り口であること、問題意識が強くわかりやすく示されていることに加えて、標準的な学術論文の作法で比較的手際良くまとめていることが評価のポイントになっていると言えそうです。審議の結果、次の3本が第二次選考通過となりました。

塩尻 晋也 恒常的多事多端なベンチャー企業へのサービス方針の提案-駐車場シェアリングエコノミーの独自性を掛け合わせて-
髙津 亜弓 IFRSの導入がM&AのPost Merger Integrationに与える影響
松岡 佑季 医療機関における情報の不確実性が組織に与える影響ーCOVID-19流行下での病院を事例としてー

 

文責:2020年度MBA教務委員 森 直哉