2019年度加護野論文賞 第一次・第二次選考結果

第12回加護野論文賞第一次・第二次選考通過論文

加護野忠男論文賞とは、神戸大学MBAの創設期の中心人物の一人であり、その後の神戸大学MBAの3つの柱の確立に尽力されてきた加護野忠男氏(神戸大学特命教授)の貢献に敬意を表して定められた賞です。2008年度より、毎年の神戸大学MBAの修士論文のなかから最優秀作品を選考し、加護野忠男論文賞として表彰しています。

2019年度の加護野忠男論文賞の選考は、例年通り3段階にわたって行われました。第一次選考では、修士論文を指導してきた5名のゼミ教員が各2本の論文を推薦し、70本前後の提出論文のうち、10本が第二次選考の対象へと絞りこまれます。第二次選考では、選ばれた10本の論文について、学内教員で構成する選考委員が審査し、上位3本が選出されます。最終選考では、この3本の論文に対して、学術界、産業界、出版界の3つの領域から選出された学外審査委員と、加護野教授が、上位3本の順位づけを審査の上、受賞を決定します。この最終選考における学外審査委員からのコメントは、次年度以降の神戸大学MBAにおける修士論文の指導や審査、そして加護野賞の選考方法などにも反映されていきます。加護野忠男論文賞の選考を通じて、神戸大学MBAでは、様々な専門性をもつ学内外の専門家によって、修士論文の手続き的な信頼性の評価、そして産業界への貢献についての評価という二つの側面からのオープンな審議が行われ、そのフィードバックを通じて、時代に応じた不断の改善を続けています。

2019年度第一次選考通過論文

各ゼミ担当教員による10本の推薦論文は以下です(敬称略・順不同)

高嶋 克義  
横山 良平 プラットフォーム・エコシステムの戦略的課題に関する研究 ~コンテンツ制作への介入による優位性形成についての提言~
夜久 英信 企業での研究開発における意思決定の課題 ―新市場創出にいたる過程の考察―
平野 光俊  
福永 靖 企業組織におけるイノベーション ―非連続的革新を可能にする組織と個人の力―
溝手 紳太郎 創薬リーダーのTrue North
藤原 賢哉  
植木 竜佑 スタートアップ企業の段階的資金調達の有効性に関する研究
岡田 和明 鉄道事業における顧客満足のプロセスに関する研究 ―事業者に対する信頼をベースとした分析―
松尾 博文  
山岡 克 再生医療医薬品のサプライチェーン構築と製造部門の役割
𠮷川 智貴 地域のニーズに適応したMaaS事業 -次世代交通・サービス事業の推進と持続的経営-
三品 和広  
岡野 久志 主力事業が消失の危機にある自動車部品メーカーの新規事業構想
西村 雅史 審査困難な萌芽期スタートアップに資金供給する方法の提案

 

2019年度第二次選考通過論文

2020年3月3日、次年度にMBAゼミを担当する教員から4名(忽那憲治教授、原田勉教授、松尾貴巳教授、森村文一准教授)及び代理教員(平野恭平准教授)を審査員として、加護野忠男論文賞の第二次選考を実施しました。審査過程においては、どの論文も一定の評価が与えられた一方で、実際のマネジメントにおいて意味のある提言を含むこと、しかしながら研究論文としてしっかりと論理的にデータに基づいて研究がなされていること、重要なイシューについて興味深い主張を持っているもの、といった点が評価のポイントとなり、審議の結果、次の3本が第二次選考通過となりました。 

福永 靖 企業組織におけるイノベーション ―非連続的革新を可能にする組織と個人の力―
溝手 紳太郎 創薬リーダーのTrue North
𠮷川 智貴 地域のニーズに適応したMaaS事業 -次世代交通・サービス事業の推進と持続的経営-

 

文責:2019年度MBA教務委員 原田 勉