2021年度入学生の研究状況(担当: 梶原 武久)
「現代経営学演習」
担当: 梶原 武久
目的、テーマ
修士論文指導では、特に研究領域にはこだわらず、多くの人が意義を感じられる重要な研究テーマを設定し、ロジカルに考え抜くことと、巧みにエビデンスを収集することを通じて、自らの主張を形成することを目的としている。多くの学生が、自分の業務に関連したテーマを選ぼうとするが、「それが多くの他の人にとっても本当に意義のあるテーマなのか」と問われると、自信が持てず、苦戦をしている様子であった。多くの人が意義を感じられる重要な研究テーマを見出すためには、自分が日々直面している業務や課題について、具体的に考えるだけでなく、一歩引いたところからそれらを眺めなおし、より抽象的、一般的に考えることが求められる。修士論文指導の場が、こうした抽象的思考の鍛錬の場になればと考えている。
ゼミの雰囲気
今回で3回目のMBAゼミ担当となるが、以前と比較すると、やんちゃな人が減って、ずいぶん大人しいように感じている。コロナ禍にあって、飲み会ができなくなったせいか、あるいは自分が歳を取ってしまったからなのかもしれない(最初にゼミを担当したのは30代後半であった)。ゼミではお互いの研究に対して、率直に意見をぶつけ合いながら、互いの研究をよりよいものにしてほしいと考えている。当初は、なじみのない他人のテーマについて質疑を行うことに戸惑いが見られたが、最近では少しずつそれができるようになってきたと感じている。今後もゼミ生同士のガチンコの議論を期待したい。
現在までの進捗状況
2022年3月末までに、修士論文を書くための基礎知識を全員で学んだうえで、研究の青写真であるリサーチデザインを完成させた。今年度に入ってからは、各自がそれぞれのテーマに取り組み、各自による調査が本格化している。今まさに、修士論文作成の山場を迎えつつあるといったところである。4月に各自の調査活動が一斉にスタートしたが、ここにきて、先頭集団と後続の差が開き始めた。先頭集団の人たちには、この調子で全体を引っ張りながら、ゴールまで突っ走ってほしい。後続集団の人たちには、なんとか先頭集団に食らいつき、少しでも遅れを挽回してほしい。8月の論文提出まで、全員がしっかり走り切ることを祈っている。