安藤 景祐さん

シンクタンク勤務 2017年度入学生 小川進ゼミ

1.はじめに

本ページをご覧になっている皆様は神戸大学MBAの受験を検討されており、試験対策や入学のメリットについて知りたいというニーズをお持ちだと推察致します。拙い文章ではありますが、私の個人的な経験を基に、志望動機、神戸大学MBAの試験内容、対策、入学のメリットについて記載致しますので、ご参照いただければと思います。

2.志望動機

私はシンクタンクにてコンサルティング業務に従事しております。内容としては、中期経営計画、収益改善、営業力強化、CSR、内部統制等多岐に亘るサービスを提供しております。コンサルタントは日々クライアントに対して高い付加価値を創出し続ける必要があり、日々プレッシャーが強い環境に身を置いています。よりクライアントの役に立ちたいという強い思いがきっかけで、MBA入学を検討する様になりました。

コンサルティングの高い付加価値を支えるのは、幅広い知識という“水平方向の知見・能力”、物事を突き詰めて本質をえぐり出すという“垂直方向の知見・能力”の2つです。両方の力を掛け合わせることが必要になります。神戸大学MBAでは、日々の授業を通じて経営学の体系的な知見を習得するだけでなく、テーマPJや修士論文作成を通じて1つの物事を突き詰めて考える経験・知見を手に入れることができます。そのため私は神戸大学MBAを志望しました。

3.受験準備

研究計画書

私は大学院への進学経験がなかったため、研究計画書作成は本当に苦労しました。何せ書き方の作法やゴールイメージがさっぱりわからなかったのです。まずは研究計画書の基本的な作法を習得することが課題であったので、『国内MBA研究計画書の書き方』飯野一・佐々木信吾 著(2003)中央経済社という書籍を通じて様々な大学院の研究計画書事例を読み込み、基本的な型を把握しました。

基本的な型を把握した後は、自分の仕事上の問題意識を基盤として内容を組上げていきます。問題意識は研究の中核となるものであるため、よく練り上げる必要があります。良い問題意識にするための主要なチェックポイントとしては、①日頃の仕事上の具体的な経験(5W1H)を踏まえた上での問題意識となっているか、②経営者の視座に立った問題意識となっているか、の2点です(神戸大学MBAの修士論文は自社の経営層への建白書という位置付け)。勿論問題意識の精緻化は現時点でのベストを尽くせればそれで問題ありません。実際、入学後様々な経験を積むことで問題意識が変化していくことはよくあることです(私もそうでした)。

英語

英語については日頃から仕事で使用しているため、特段対策は行いませんでした。試験の内容は基本的な英文和訳であるため、TOEICが700点程度あれば十分対応可能です。心配であれば大学院受験用の英単語帳、英文和訳の問題集を2~3周程度しておけば万全かと思います。

小論文

小論文については過去問を見て問題の傾向を把握しました。時事系の論題に対して、いかに自分なりの意見を論理的に説明するか、というスタイルが多かったと感じています。私の課題は試験時間内に自分の言いたいことを如何にわかりやすく伝えるか、にあったので、国内MBA受験 小論文対策講義 (ウインドミル国内MBA受験シリーズ)で小論文の基本的な構成を習得した後は、実際に時間を計測し、回答作成の所要時間短縮に努めました。

また、時事ニュースの知見を蓄積するために、過去1年間の大きなニューストピックスについてネットで情報収集しました。情報収集する際には当事者意識を持って自分の意見を持つ練習をされると良いと思います(トピックスに対して、賛成/反対の立場表明と理由付け)

面接

事前提出した研究計画書を基に3人の試験官との質疑応答形式の面接(10~20分程度)でした。主要な質問事項は“なぜMBA入学を希望するのか”、“数ある学校の中でなぜ神戸大学MBAを選ぶのか?”、“研究計画の基盤となっている問題意識はどんなもので、それはどんな具体的な経験からどのような着想で生まれたものなのか”、でした。大学側から見て入学をしてほしい人材とは、大学院に入学した後に、他の学生と切磋琢磨しながら全体の知見向上に寄与する素質のある人間だと私は感じています。そのため、面接の目的は、志望者がどれくらい深い問題意識を持っているのか、切磋琢磨していくにあたって最低限必要な論理性、社会人経験を保有しているのかを見ることにあるのではないかと思います。 なお、面接は10~20分程度と短時間であるので、聞かれたことに対して論理的かつ端的に回答することが求められます。心配であればロジカルシンキング系の本を一読しておくと、論理的な回答とは何かを学ぶことができます。

4.おわりに 神戸大学MBAに入るメリット

私は神戸大学MBAに入るメリットは“同期からの刺激”と“修士論文の作成を通じた自分の考えを練り上げ、伝える力の醸成”にあると感じています。同期は各分野で経験、知見を積み上げた優秀な人ばかりであるため、自分では想像も出来ない様なアイデア、物事の進め方を肌で学ぶことができます。また、修士論文の作成では、研究の基本的な型である、“問題意識⇒先行研究分析⇒リサーチクエスチョン⇒仮説構築⇒調査による仮説検証⇒調査結果⇒現実への示唆”に沿って、スクラップ&ビルドを早いサイクルで繰り返しながら自分なりの考えを創り、それを伝えていくための技法を学ぶことできます。ゼミでお世話になる先生方は(びっくりするくらい)熱心にご指導くださるとともに、先生方の物の考え方をゼミでの議論を通じて吸収することができます。これらの経験は日常生活では入手困難な、稀少性の高いものです。自己評価で恐縮ですが、もし入学前の私が今の私を見たら考える力の向上に目を見張るのではないかと思います。勿論、学生生活と仕事の両立はとてもハードで、辛くなることもあります。ただし、それを乗り越えて手に入れる力は貴方の仕事人生に大きな正の影響を与えてくれることは間違いありません。これを読んでいただいた皆さまが無事試験を突破し、充実した学生生活を送られることを心よりお祈り申し上げます。

前の記事

松澤 純平さん

次の記事

田中 敬洋さん