進矢 義之さん
マツダ株式会社勤務
1 . プロフィールをお聞かせ下さい。
1984年、大阪大学大学院工学研究科前期(修士)を修了後、マツダ(株)に入社しました。入社後長くエンジン制御開発に携わってきましたが、現在は技術研究所で新しい環境対応車の企画からシステム設計までを担当しています。
2 .なぜ神戸大学のMBAを選択されましたか?
そもそもMBAで経営学を学ぼうと思った動機は、技術者としての知識や発想だけでは今後の技術開発競争に生き残れず、社会にも貢献できないと考えたからです。神戸大学を選んだ最大の理由は、仕事との両立ができることです。職場が広島であるため通学はそれなりに大変ですが、神戸なら何とかなります。もちろん、西日本でトップのMBAということもあります。
3 .MBAに在籍されて、今現在の1週間のスケジュールを教えて下さい。
2年目に入り現在はゼミのみであり、その他の授業は取っていません。1年目の今頃は月・金・土と授業を取っていたので、仕事との両立を含めて時間的には大変苦しいものがありました。入学前は広島・神戸間の通学時間を有効活用して勉強しようと思っていましたが、実際は睡眠時間の補填にしかなっていなかったというのが実態です。まあ、睡眠不足との闘いが大切なMBAにおいて、有効活用と言えないことはないですが。
現在は、ゼミでは専門学位論文執筆に向けて、研究内容の中身を固めている最中です。相変わらず仕事との両立という意味では苦しいですが、学業という面だけで言えば、地に足がついた取組みができます。日々作業に追われるのではなく、自分の知識や考えを整理する最高の機会となっています。
4 .ゼミではどのようなことを学ばれていますか?また、専門職学位論文に向けて現在どのような研究に取り組まれていますか?
現在は原田勉教授のゼミに所属し、取引コスト経済学の実証研究に相当するテーマに取り組んでいます。思い起こせば、1年半前の入学試験(英語)で出題されたR.H.Coase の『The Nature of the Firm』が取引コスト経済学との初めての出会いになります。この出会いは最悪の出会いであり、著者が述べていることが何度読んでもさっぱり分かりませんでした。試験が残り数分になったところで、企業の本質を取引コストで説明していることがなんとなく分かりましたが、試験としては後の祭りでした。しかし、この論文は企業をこのように見る見方もあるのだということで、私には大きなインパクトがありました。その後、ミクロ経済学の授業を受け、この領域にますます興味を持っていきました。単なる理論面の研究では、社会人MBAの優位性が生かせませんので、仕事と関係がある分野での実証研究をする予定です。こうすることで、間接的にではありますが、仕事にも生かせる研究になると考えています。
5 .神戸大学に入学してから、今までを振り返ってどのような感想をお持ちでしょうか。
入学後1年余りですが、授業毎に違った刺激がありました。新たに学んだことの面白さを、家に帰り、家内に熱く語ることもしばしばあります。家内は中身を聞く気はないようですが、私が勉強に熱中することに嫌な気はしないようです。一方、仕事との両立はやはり大変です。仕事への影響がないと言えばうそになります。少なくとも短期的にはマイナスでしょう。しかし、私の場合、今の仕事に生かすために学んでいますので、長期的にはみれば大幅なプラスになると確信しています。
6 .今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。
キャリアプランについてさほど真剣に考えていませんが、私の場合、基本はやはり技術者であり、経営学が分かる技術マネジメントとして活躍していきたいと考えています。
7 .残りの学生生活に関して、どのような希望をお持ちでしょうか。
1年半の学生生活も残り少なくなってきました。残り数ヶ月はアカデミックな雰囲気の中、研究に集中したいと思います。