市川竜也 さん
JR西日本SC開発株式会社 勤務 2017年度修了生 髙嶋ゼミ
1. プロフィールをお聞かせ下さい。
大阪駅に立地するショッピングセンター「ルクア大阪」の開発・運営の仕事をしております。現在は顧客サービス部門にて全館の顧客サービスレベル向上に努める業務に従事しております。
2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?
少子高齢化や地域間の人口格差、販売チャネルの多様化、都市のオーバーストア問題等、社会・経済の環境が激変する中で、ショッピングセンターのこれからの将来をどう見据えて行くべきなのか、そのヒントを見出したくてMBAを志しました。その際尊敬する先輩が神戸大学MBAの卒業生だと知り、元々名門であることは知っていたのですが、色々とカリキュラムや卒業後の成長の話を具体的に聞く中で、この環境なら間違いないと思うようになりました。
また、仕事も忙しくキャリアを中断させられるような状況ではなかった為、働きながら学べる神戸大学MBAは私にとっては最適な環境でした。早速公開講義に赴きましたが、三品先生の講義内容は抜群に面白く、講義中のディスカッションを通じて入学後に同級生になる仲間がその日にできました。
3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?
大きく流通の仕組みを変えようとしているEコマースに対してリアル店舗の集積であるショッピングセンターはどうあるべきか、薄らではありますが、明るい大きな道筋がみえました。また、日々その道筋を見出すための学びやディスカッションを重ねる中で、いつの間にか自分自身にも課題発見能力や課題解決能力が身に付き、自分自身に対する自信が高まりました。
4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。
慌ただしい仕事の日々の中で、どのように勉強する時間を確保するかが最大の課題でした。仕事柄、業務のリズムが不規則になることも多く、その中でまとまった時間を確保することは私にとってかなり難しい問題でした。しかし1日24時間、365日、勉強できるチャンスがあるならいつでもどこでもやるという心構えで1年半取り組みました。自宅や会社の昼休み、カフェや図書館は勿論ですが、時には妻の実家や駅のホーム、公園やショッピングセンターのベンチ、歩きながら等チャンスさえあればどこでも勉強をしていました。
こうして勉強を進められたのも、何より会社の上司・同僚や家族の協力があったことは言うまでもありません。本当に上司や同僚には感謝していますし、妻や娘にも色々と応援してもらい、ありがたかったと思っています。この感謝の思いはこれからの仕事や生活で恩返しできればと思っています。
5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。
神戸大学MBAで学んでみて分かったことですが「働きながら学ぶ」ということに大きな意味があると思います。今日学んだ理論を明日の仕事で試すことができます。日々理論と実践を繰り返し、それにより思考が深まり、仕事が深まるという好循環を創り出すことができます。また、仕事にもこれまでのように多くの時間を裂けない日々が始まりますので、限られた仕事時間の中で最高のパフォーマンスを出すにはどうすればよいかということを、自然と求められるようになります。そうすると仕事の仕方、チームへのマネジメントの仕方が変わります。「働きながら学ぶ」こと自体が重要なカリキュラムであり、MBAという現実のビジネスでの能力開発を目的にする学びであるからこそ、この独自のカリキュラムは大変有効に機能していると感じました。
また、年齢も、業種も、業界も違う約70名の同級生の考えや悩み、置かれている状況を知り、沢山のディスカッションをすることは、自分に幅広い知識やものの見方を与えてくれ、様々なビジネスを理解・検討する際に、その本質を見る目を養ってくれました。そしてそれにより自業界を他業界から見たときにどのように見えるのか、という客観的な視点を持つこともできました。こうして在学中に切磋琢磨し、励まし合った同級生は、卒業後も続くかけがえのない財産となりました。
アカデミックに学ぶ基礎・応用講義、リーダーシップやチームビルディングが重要になるプロジェクト研究、理論と実践の総仕上げの場である論文作成という総合的なカリキュラムのバランスは、そのシナジー効果として経営・マネジメントに関する理解も含め、自分のビジネスマンとしての 成長を一気に高めてくれる周到に考えられたものでありました。
6.在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?
入学して初めの三品先生のゼネラルマネジメント応用研究は、先輩からこれだけは何としても吸収してきなさいと言われていた講義であり、私も一番楽しみにしていた講義でしたので、全ての講義を最前列で聞きました。学生時代の部活動を思い出すような何とも言えない張り詰めた緊張感、思うように答えられず恥ずかしく情けない思いをした講義など、毎回頭を叩かれ(勿論本当には叩かれていません)、クラクラする思いが続きましたが、これが本当に刺激的で面白く、正にここにしかない素晴らしい講義でした。
そして髙嶋先生にご指導頂いた論文作成も忘れられません。問題意識を研ぎ澄まし、自分の課題解決の為に、どんな問題を解けば解決に繋がるのかを考え続ける日々。それをどう解けばよいのかを考え続ける日々。頭をタテにヨコに引っ張られ続ける日々(勿論本当に引っ張られた訳ではありません)は時に痛く、時に気持ち良く、自分の思考の奥行や幅をこれまで以上にストレッチして頂き「自分の頭で考える」ということはどういうことかを改めて身を持って教えて頂きました。
7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?
仕事や物事において、大局や本質を常に考えながら、個別の課題を検討する習慣がつき、ものの見方が変わりました。この課題の本質は何だろう、この人が本当に知りたいことは何だろう、と一度立ち止まって大局を考えてから、詳細を考えるようになりました。これまでもそうしていたつもりでしたが、実際には時にうまく機能しておらず、神戸大学MBAで学ぶことで本質を見抜く力が付き、仕事においても方向性を見誤ることがなくなるようになりました。
また、これまでに比べとにかく自分の考えを積極的に発信・発言するようになりました。これには神戸大学MBAで学んだことによる自信もあるとは思いますが、それ以上に日々ディスカッションや講義での発言を1年半繰り返したことによる習慣が大きいと思います。それによって自分の考えや思いを伝える機会が増え、その結果、社内の様々な部署の方から会議に呼んで頂くようになり、色々な問題について相談されるようになりました。
8. これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。
とにかく1年半はあっという間です。この1年半「働きながら学ぶ」ことを達成する覚悟さえあれば大丈夫です。チャレンジできる環境があるなら、思い立った今しかチャンスはないと思います。いずれ全ての条件が整えば、と思っていると、そのうち自分も変わり、環境も変わってしまいます。神戸大学MBAに入学してから卒業するまで、ここにきて後悔したという声は微塵たりとも聞いたことがありません。チャンスがあればその機会を与えてくれた周りの皆さんに感謝しながら、素晴らしい教授陣と仲間達と共に1年半突っ走って下さい。