田畑啓一 さん

堺化学工業株式会社 勤務 2016年度修了生 南ゼミ

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

2015年度入学の田畑 啓一と申します。私は、工学系大学院を修了後、現在の勤務先に入社し、2016年9月まで研究開発部門に所属しておりました。そこでは、弊社の触媒事業にかかる様々な新製品の開発を担当し、就学当時は「これまで弊社にない新規触媒の開発テーマの創出」、いわゆる「テーマ探し」を担当しておりました。現在は同事業の生産部に転勤し、製造業務と工場総務に従事しております。

神戸大学のMBAでは、南 知惠子教授にご指導頂き、新製品開発に取り組む化学系素材産業の研究開発部門において、業績貢献となるためにどのようなマネジメントが研究開発者に必要であるかについて研究を進め、修士論文を執筆致しました。

2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?

入社以来、研究開発部門に所属していた私は、様々な新製品の開発に携わる機会を得ましたが、市場縮小や顧客の事情により開発の中断を余儀なくされ、上市できないままの開発品を多く目の当たりにしました。このような状況下で、素材産業において販売拡大を続ける開発品とそうでないものとは何が異なるのか、経営学全般に関する知識を習得して考えてみたいと思うようになりました。

そのような中、弊社の経営企画部門に勤務していた神戸大学のMBA修了生3名と議論する機会を得ました。彼らの議論を通じて感じられる経営知識の深さや論理的考察などは、当時の私にとって非常に興味深く、彼らが研鑽した神戸大学のMBAでぜひ学んでみたいと思うようになっていきました。その後、経営グッドプラクティス・セミナーに参加させて頂き、神戸大学のMBAの大きな特徴であるプロジェクト方式の教育方法について説明を受け、更に、後日、実際にゼミに参加し緊迫した生の議論に接する機会を頂きました。その迫力に圧倒されましたが、率直に感銘し、改めて神戸大学のMBAで研究をしてみたいとの思いを強く致しました。

3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?

神戸大学MBAの授業やプロジェクト研究、修士論文の作成を通じて、種々の問題に取り組む際に必要な「物事の本質をとらえる」能力が培われたのではないかと思います。

多くの知見を有しておられる先生方や様々な業種や様々な経験をお持ちの同期の方々と、交流し議論をさせて頂いたことは、素材メーカーの研究開発部門という狭い分野しか経験がなかった私にとって、とても貴重な財産となりました。

4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。

MBA取得に対して会社の助成制度があり、既に神戸大学のMBA修了生を輩出していたこともあって、会社からはいろいろな面で配慮頂きました。それでも、仕事と学生生活との両立は正直ハードでした。毎週の金曜日、土曜日の各講義の前に必読文献を読み、レポートを作成し、そしてまた次回の講義までに文献を読み、レポートを作成・・加えて、プロジェクト研究が平行して進行していき、そして、集大成として修士論文の執筆に取り組んでいきました。ずっと休日返上の日々が続いていたのを覚えております。とにかく限られた時間の中で、効率よく物事を進めていかなければならず大変でした。

しかしながら、このような経験を経た今では、今後、様々な問題を同時に解決しなければならない局面に立ったとしても、何とかやり遂げられるような気構えができたように思います。

5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。

神戸大学MBAコースのカリキュラムは、今振り返れば、とてもうまく設計されていたと思います。

息つく暇もないくらい緊張感のあるゼネラルマネジメントからMBA生活が始まり、MOT、財務会計、経営戦略、ファイナンス、マーケティング・・・など多種多様で興味深い授業が用意されており、とてもハードでしたが、MBAにおいて修得すべき内容を学べてよかったと思います。

前述の授業と平行して進行していくプロジェクト研究では、年齢も職業も全く異なる同級生がチームを組んで、与えられたテーマの解題に挑戦するケースプロジェクト、学生自身がチームを編成、テーマを設定して事例研究を行うテーマプロジェクトを経験致しました。日頃の仕事では得られないこれらの経験を通じて、多角的な考察や論理的な思考が鍛えられたと感じております。

6.在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?

私にとって一番のイベントは修士論文の執筆でした。この執筆を通じて一番学んだことは、問題を見つけて深く考えることの難しさとそれに対して結論づけられた時のおもしろさではなかったかと思います。問題を深く考えるためには問題が何であるかを見つけなければなりません。実はこれがほんとうに難しい。良い立論を行うべく、私の所属した 南 知惠子教授のゼミでは、最新のトップジャーナルの学術論文(もちろん英語の学術論文です)をできるだけ多数精読して先行研究を進めるようご指導頂きました。

かなりハード作業でしたが、先人達の研究に多数触れることで自分自身の問題意識が精錬されていき、立論できたように思います。そしてこの後、定量的実証研究結果をもって論文執筆へ進むのですが、この執筆によって私は鍛錬されていったと思います。

修士論文の執筆をやり遂げた今は、この体験が自分自身の新たな自信に繋がっていると感じております。

7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?

仕事をしながら学業することはほんとうに大変でした。とにかく時間に追われていたので、物事を進めるのにあたり、その優先順位をつけることが上手になったのではないかと思っております。その他、神戸大学の学生生活を通じて学んだ様々な知識や経験は、今後仕事上で起こるだろう種々の問題を解決するための礎となるものと確信しております。

8. これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。

神戸大学MBAの学生生活はかなりハードです。けれど、ここに集うメンバーは高い能力と高い問題意識を有する方々ばかりで、おそらく他では得難い経験や気づきを共有できることでしょう。

なにはともあれ、受験してみて下さい。そして様々なカリキュラム、プロジェクト研究に挑戦し、そして、修士論文を書き上げて下さい。きっと大きな達成感と自分自身の更なる成長に気づくと思います。