2025年度入学生の研究状況(担当: 江夏 幾多郎)

「現代経営学演習」

担当: 江夏 幾多郎

目的、テーマ

この演習(ゼミ)では,一般的には「人事」「人事管理」「人事労務」と呼ばれる事象について扱います。概念的に言えば,人的資源管理(human resource management)やその関連領域,例えば雇用システム,労使関係,組織行動(組織における人間行動)となります。こうした事象について,履修者一人ひとりが自らの関心を特定し,深め,専門職学位論文という形で結実させることを目指しています。

専門職学位論文においては,アカデミックな体系性を備えつつも,実務的に意義深い問題意識に導かれ,同様に実務的に意義深い,実践可能な問題解決策を提案することが求められます。常識的な論理の積み重ねでは出てこないような,意外性と面白みを感じられる因果関係が発見されたら,なおのことよいです。そうした論文を作り上げるため,関連する先行研究のレビューに加え,データの収集・分析を各ゼミ生が行っています。

ゼミの雰囲気

私に加え,3人の若手研究者が,ゼミ生の研究を支援しています。この4名体制は,研究領域,分析手法の面でのバリエーションを意識して編成されました。神戸大学でMBAを取得し,その後研究者の道に進んだ人も含まれています。

ゼミでは,ゼミ生の研究報告の後,その内容についての質疑応答,フィードバックを行います。研究テーマや調査・分析のスキームが固まり,論文の提出が近づいてくると,発言の比率はどうしても教員側が多くなってきます。しかしそれ以前の段階では,ゼミ生同士の自由なディスカッションを促しています。多様な意見に触れることが,各ゼミ生が自らの関心や得意不得意を見出し,より良い研究テーマに,よりよいアプローチで臨むことにつながります。

教員と学生の,学生同士の垣根が低く,研究外のことも含めて自由闊達なやりとりが,真摯かつ楽しく行われているのが,このゼミの特徴だと思います。月に1度ほどのゼミの後に懇親会(夕食会,飲み会)を開き,M1の終盤には合宿も行ってきました。こうしたイベントが,ゼミの雰囲気をよくするのにつながっているとは思います。が,雰囲気作りに最も貢献しているのは,全てのゼミ生に共通する知的好奇心,それに根ざした関わり合いだと断言できます。

現在までの進捗状況

6月時点では,ほとんどのゼミ生が調査を終わらせているか,それに近い状況にあります。そして,その前提として,研究テーマを確定し,関連する先行研究を読み込んでいる,あるいは読み込んだ上でまとめている段階です。調査結果を分析・解釈し,論文全体を書き上げる,これから2ヶ月が本当に大変な段階ではありますが,そこに没頭するための備えはあらかたできていると言えるでしょう。