2010年度テーマプロジェクト発表会 金賞チームインタビュー

金賞

メンバー:岩下広信、奥山喜文、河野匡伸、鴻巣忠司、芝誠治、山本桂司
(※五十音順、敬称略)

2011年1月8日(土)、神戸大学本館332教室で行われたテーマプロジェクト発表会において、激戦の末、見事優勝を勝ち取られたチームにインタビューを行いました。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(岩下) 8月のチーム結成後からはじめた土曜日のランチミーティングや、講義後の打合せだけでなく、前半は各自で先行研究や参考文献、訪問企業を調べたり、中盤は訪問先へのアポイントや訪問後の礼状、議事録作成など、個人作業にも時間をかけました。会社訪問はメンバーで分担し、中間発表までに2社、そして中間発表後に再度その2社を訪問し、自分たちの仮説の検証をより深めました。最終発表においては、さらに3社訪問した中から1社を選び報告に仕上げました。山場は、やはり中間発表前と、最終発表前でした。皆で講義後にプレゼンテーション構想を練り、各自、自宅でプレゼンテーション用の原稿を分担作成し、真夜中までメールやGoogleドキュメントでやり取りしたり、平日夜に集まってまとめ上げるということをしました。

(奥山) 8月のチーム結成以来約5か月をかけ研究を進めてきました。平日はそれぞれ仕事があるため、土曜日の昼休みや授業終了後に集まり、課題や進め方について議論しました。企業へのインタビュー調査は主に平日になるため、参加できるメンバーで企業を訪問し、結果についてはメール等で情報共有していきました。最終発表にむけては、メンバーで分担して資料を作成しました。発表の直前は平日の夜にも集まり、論点及び資料のすり合わせを行いました。

(河野) 8月のチーム編成以降、基本的にほぼ毎週、土曜の昼食時または午後の講義のあとに集まり、年末・年始の詰めの時期には平日の晩に集まりました。ミーティングでは、それまでに各人で検討した結果を意見交換しました。
初めのころは我々の研究のキーワードとなる「従業員満足」を広く捉え、ある程度幅を持たせて先行文献の調査を行いました。中間発表が迫ったころからは広くとらえた情報と企業インタビューで得られた知見をもとに収束に向けて思考を切り替えてプロジェクトを進めていきました。

(鴻巣) 昨年8月21日の最初の授業でチームを結成したのですが、ちょうど「経営戦略」(MBA生の間では、学生が注ぎ込む肉体的・精神的パワーと、それを全力で受けとめる小島教授に敬意を込めて「コジケン」と呼んでます)の授業がはじまったばかりで、最初のころは、テーマプロジェクトにかける時間も、気力も十分にとれないというのが実態で、エンジンがかかったのはコジケンが一段落した10月になってからです。また、他の授業でもグループ課題があって、メンバーそれぞれが別のチームに所属しているので、直接顔を合わせて議論をする時間をつくるのが大変でした。短い時間で効率的に打合せをして、課題を明確にして、次の打合せまでは、Goolge グループのML(メーリングリスト)とGoogle ドキュメントで議論と情報共有をする。そんな感じですすめたのですが、MLのメールを見返すと500件以上になってました。そして、そのメールもタイムスタンプを見ると、深夜2時くらいは普通なんですが、中には、3時、4時というのもあって「いつ寝てるんだろ?」と心配するほどでした(笑)

(芝) まずお知らせしたい事は、我がチームはケースプロジェクト研究で低成績のメンバーの集まりで、誰も業種、職種とも同一の物がなく、てんでばらばらの中での発進でした。
. 私は弊社の都合で9月中旬から10月中旬まで学校を休みました。その間、皆さんがバックアップしていただき本当に感謝しています。 復学後は休んだ分を取り戻そうと2社のアポと5社のインタビューに行きました。この経験はテーマプロジェクト研究を超えて修士論文作成などに役立つ知見が得られたと思います。

Q2. 入学から4ヶ月を振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?

(岩下) トップレベルの教授陣から経営学の体系的な理論について学ぶことができるだけでなく、今回のテーマプロジェクトはもちろんのこと、前期のケースプロジェクト研究、講義内でのグループワーク、そして後期から始まったゼミで、様々な分野の経験豊富な同期生と研鑽しあうことができます。このように、優れた講義と神戸大学MBAの特徴である「プロジェクト方式」の取り組みにより、得ることはとても多く、エキサイティングで満足しています。もちろん学業と業務との両立は大変ですが、一皮むけつつあると思えば、楽しく、その価値は十分にあります。

(奥山) 一つひとつの授業の密度が非常に濃く、また前期は金曜日を含む全てに授業を履修したため、かなりハードに感じました。特に専門外の授業は基礎知識がなく、授業についていくのが精いっぱいでしたが、様々な職歴を持つクラスメイトに助けられ何とか乗り切ってきました。後期に入ってゼミの比率が高まり通常の授業の比率が低下してきましたが、今後は修士論文作成に向け研究を進めていきたいと考えています。

(河野) 職場では一般企業において情報システムの構築に関する業務に長く関わってきています。それまでまったく関心がなかったコーチングやネゴシエーションといった講義を受けて、また課題として職場の同僚などにインタビューした中で、組織行動という分野に興味があるということに気付きました。そのほかの講義でも事前課題や事後課題で多くの文献を読み、考え、新たな知識を得るとともにものごとの思考過程がこれまでと変わっているのを実感し、すごく刺激的な日々を送っています。
一方で、仕事との両立といった面ではかなりタフで、自分の体力のなさを実感するとともに、ほかの同期のタフさに驚かされるばかりです。

(鴻巣) いろんな意味で予想を大きく超えています。私は、20代後半に、会社派遣で大学院(国際関係学)に行かせてもらっていて、社会に出てから学ぶことの大変さと楽しさを知っていたつもりでした。ただ、その時はフルタイムで学生をして会社には2年間行かなくてよかったので、今回の神戸大MBAは平日は仕事をしながらのパートタイムなのを多少加味しても、「多少」大変だろう程度に思ってました。しかし、実際は、次から次へと出される課題と予習に追われて、今回は誰に行けと言われた訳でもなく、自分で選択したことなのですが、「安易な選択だったかな」と思ったこともありました。しかし、テーマプロジェクトのメンバーもそうですが、他の授業でそれぞれ結成するグループのメンバーに助けられ、また刺激を受けながら、大変な分だけ楽しくも感じているのが不思議な感じです。深夜にメールをするとすぐに返事が返ってきて、「あ、みんな、がんばってるんだ」と何度も励まされて、ここまで来たという感じです。