2021年度入学生の研究状況(担当: 藤原 賢哉)
「現代経営学演習」
担当: 藤原 賢哉
目的、テーマ
社会人の皆さんの研究テーマは、非常に広範かつ多様なものであり、ゼミでは、皆さんの問題意識やモチベーションをできるだけ大事にして、専門職学位論文の指導を行っています。私自身の専門は、金融・ファイナンス分野の定量的分析で、今年のゼミメンバーには、関連する内容(例えば、金融のデジタル化・グリーン化、地域金融やベンチャー育成、企業価値評価等)を研究テーマとされている方がおられますが、私自身は、自分の専門に寄せた指導を行うよりは、社会人の皆さんの問題意識を大事にして、指導教員としては、皆さんのよき「共感者」や「伴走者」でありたいと考えています。もちろん、そのためには、社会人の皆さんが抱えている問題の本質は何か、普遍的なテーマを含んでいるか、論文を書く上でどのようなアプローチ(定量・定性)が望ましいのか(それが可能かどうか)、どのように第三者に説明(立証)すべきかについて、見極める必要があります。ゼミの目標は、形式的には専門職学位論文の完成ですが、実質的には、大学教員と社会人の皆さんとの間での対話や議論を通じた認識の共有化だと思います。
ゼミの雰囲気
研究テーマは、結構ばらつきがあるのですが、皆さん、互いに興味を持って、質問やコメント・論文執筆に関する情報の共有等をされています。コロナ以前は、対面とメールがコミュニケーションの手段でしたが、コロナ以降は、ZOOMやSlack等も加わり、情報伝達の方法自体は効率化したように思います。しかし、対面で話をして初めて気が付く部分もあり、また、個人だけではなく、ゼミ全体で、論文執筆に取り組むという側面もあるので、できるだけ良い雰囲気でゼミの運営を図っていきたいと考えています。
現在までの進捗状況
社会人の皆さんは、それぞれバックグラウンドが違い、研究論文の作成や分析アプローチに慣れている方ばかりではありません。そこで、発表のスタイルとして、1)メンバー全員に進捗状況を発表するタイプ、2)指導教員側(TAや他大学のサポート先生含む)と個別に相談するタイプ、の2種類に分けて、発表等を行ってもらっています。現時点では、研究内容(論文構成・分析方法)の大枠を決めて、ヒアリング調査等については一部スタートしているという感じの方が多いと思います。今後は、副指導教員からのアドバイス、卓越論文発表会、8月の論文完成、という時間的なタイミングを有効に使いつつ、論文の完成度を上げていきたいと思っています。