加田 敏さん

大阪体育大学卒業
花王株式会社 販売部門・流通開発部勤務

1. プロフィールをお聞かせ下さい。

大学卒業後は旧財閥系の非鉄金属メーカーに就職し、金属加工に使用される超硬工具のマーケティング業務を担当していました。そこで4年間勤務した後、マーケティングにより関心が高くなり消費財のフィールドを求めて花王株式会社に転職しました。

花王では販売部門の流通開発部というセクションで、売場・売り方提案、棚割り提案や消費者調査など現場における営業支援活動、マーケティング活動を担当しています。

2. MBA取得の意図は何ですか?

現在実務を通してマーケティング、ブランドというものに深く携わっていますが、その実態をよく理解して行動する事は難しいと日々感じています。また、そうした事象を理論的に理解し判断したアクションを、人に伝え結果を出していくとなると更に高度なスキルが要求されます。私は中学時代から社会人までラグビーをしていたのですが、スポーツでも同じことを感じていました。例えば、刻々と変化する環境の中でその状況を理解し、結果を出すには、かなり判断力が要求されます。また、その行動や判断を他人に理解し納得してもらうには、高度な状況判断力や伝達能力が要求されます。実務においてそうした状況判断力や伝達能力をより高めるため、経営学というものを体系的に学びたいと考え2002年4月に神戸大学大学院経営学研究科(MBA)に入学しました。

3. 神戸大学MBAを選択した決め手は何ですか?

私が神戸大学を選択した理由は2点あります。1番目はパートタイム制であることです。仕事をしながら勉強する事は非常にハードですが、社会人学生の強みである現場感覚を持ちながら学ぶということの意義は大きいと思います。現場の課題について研究を行える環境が整っていると思います。2番目は神戸大学は早くから国内MBA教育を採用しているという点です。89年にMBAプログラムが開始されて以降、単に欧米のMBA教育を導入するのではなくプロジェクト研究の採用や一般院生向けの授業を受講できる昼夜開講制の導入など、日本の環境に合ったMBA教育の環境を整えている点も私が神戸大学を選択した理由です。

4. 神戸大学MBAコースのカリキュラムの素晴らしい点を挙げるとすれば?

神戸大学MBAコースのカリキュラムの特徴は修了要件に論文を課しているところです。修士論文は神戸大学MBAコースの大きな特徴といえるでしょう。実務に携わりながら、日頃考えている課題に対してテーマを設定し、論文を作成することは社会人MBAコースにとって有意義な教育方法であると考えます。実務で起っているリアルな現象を研究テーマとして取り上げ、論理的に第三者に正確に伝えるという事は、まさにMBAコースの集大成といえます。経営に関する知識をベースに色々なものの見方・考え方、そして判断力や伝達能力が要求されます。自分の研究したこと(言いたいこと)を言語化し、人に理解してもらい、納得してもらうことは非常に高度なスキルが要求されます。そうした神戸大学MBAコースでの修士論文は自らの血となり肉となる素晴らしいカリキュラムであると思います。

また同じ環境で学んでいる方々との交流も重要です。クラスの方々は、業界は異なりますが、互いに日々実務を通して同じような悩みや疑問を抱えていたりします。そうした方々との議論は、自分自身にとって大きな刺激となります。そうした仲間との交流は、ビジネススキルの向上に役立つのは勿論のこと、今後の自分の人生においても貴重な財産であるといえます。

5. 現在、何を勉強しておられますか?

私は現在、石井淳蔵ゼミに所属しブランドに関しての研究を行っています。テーマは“Co-Brandingの限界と可能性”です。現在の市場では、製品の同質化・模倣の加速化により差別化が難しくなっています。その1つの手法として、業界間を越えて共通のターゲットに対して協働でアプローチを行うCo-Marketingに多くの企業が注目しています。しかし、その手法、効果に関してはまだまだ未知数であると言えます。この研究を通して、Co-Brandingの可能性と限界を明らかにしBrand構築について1つのあるべき姿に迫りたいと考えています。

6. 今後のキャリアプランを少しお聞かせ下さい。

修了は本大学院で学んだビジネススキル、人的ネットワークを活かし、マーケティング・ブランド戦略の策定に携わる業務に挑戦したいと考えています。

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