松岡 大助さん

関西学院大学商学部卒業
富士ゼロックス株式会社勤務

1. プロフィールをお聞かせください。

大学を卒業後、ソフトウェア開発会社に入社しました。主に業務システムの開発を担当していましたが、顧客に近い立場からシステムを設計する仕事を目指し、現在の会社に転職しました。富士ゼロックスでは、超大手の顧客を担当し、顧客ニーズを具現化し、ソリューションを提供する仕事をしています。 

2. MBA取得の意図は何ですか?

情報技術(IT)が進化し、可能性が広がる中で、ITの活用が経営に大きな影響を与えるようになりました。しかし、ITはあくまで手段であり、何のために投資をするのかといったことが重要になってきます。しかし、技術者は経営がわからず、経営者は技術がわからないことが多いと思います。

そこで、経営学を体系的に学び、技術の視点だけでなく、経営の視点からもモノゴトを分析する力を得ることを目指して、MBA取得を決心しました。経営と技術を知る人材になり、両者の橋渡しをすることが目標です。

3. 神戸大学MBAを選択した決め手は何ですか?

現在の仕事を続けながら、MBAを取得することが大学院選びの条件でした。平日の夕方・土曜日を中心とした集中講義であること、また、社会人を対象とした設備や制度があることなどを重視しました。その点、神戸大学は古くから社会人を対象としたMBAコースを実施しており、歴史的にも十分でした。

さらに、安くない投資をするので、教育内容はもっとシビアに評価しました。体験記や口コミなど、様々な情報を集め、同時にアカデミックな視点からも評価しました。結果的には、私の要望を十分に満たすもので、強力な教授陣と歴史のあるMBAということで、入学を決意しました。

4. 神戸大学MBAコースのカリキュラムの素晴らしい点を挙げるとすれば?

実際に、仕事をしながら経営学をアカデミックに学ぶということを十分に活用しているところが素晴らしいと思います。実際の現場での悩み事を皆でディスカッションするというプロジェクト方式では、様々な業界/職種の方から、一人では思いもしなかった意見をいただいたり、私自身が思いもしなかったような課題があったりと、新鮮な驚きでいっぱいです。

また、経営学分野での著名な教授陣から受ける授業は非常に刺激的で、生きた理論を勉強できると思います。常にするどい視点から冷静な分析を行う高嶋教授、体当たりで講義をする小島教授、まるでトークショーのような金井教授の講義、英語論文読破を課題にする南助教授・・・と、紹介を始めるとキリがありません。「よい理論ほど実践的である」という言葉が、実感できる講義だと思います。

5. 現在、何を勉強しておられますか?

現在、営業研究の第一人者である高嶋教授の下、チーム型営業体制に関する研究を行っています。M1後期に専門分野としてビジネス・モデル革新分野を選択し、B to Bマーケティングを勉強したところ、B to Bの分野において重要な要素である営業活動に興味を持ちました。グループ研究では、営業改革に関する研究を行い、その後の個人研究では、「効果的なチーム型営業体制の構築」についての研究を行っています。

営業体制は、大きく個人営業とチーム営業に分かれます。それぞれの営業スタイルにはそれぞれのメリットがあるのですが、B to B分野においてソリューション営業を強みとする業界では、特に、個人型営業様式からチーム型営業様式に変化してきています。チームで営業を行うことは、単独で営業を行うことと比べて異なる点が多く、個人営業で活用されていた管理方法や強みというものが生かせなくなります。そのため、チーム営業を効果的に行うために、新しいルールを作り出すが必要になってきます。効果的なチーム型営業体制を構築するポイントを、質問票調査等により定量的に分析し、明らかにすることが目標です。

6. 今後のキャリアプランを少しお聞かせ下さい。

MBAで身に付けた理論をビジネスの世界で実践することが目標です。MBAでは、経営戦略やマーケティング、ファイナンスといった各分野の知識はもちろんのこと、様々な業界/業種の人的ネットワークや、科学的・戦略的な思考を得ることができました。これら得たことを実践の場で試し、応用することで、また新たな理論を生み、またそれを実践の場で試す・・・そのようなサイクルを回していくことが、これからの大きな目標です。

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