2026年度ポスターセッション 教員のコメント

森 直哉 教授

神戸大学MBAの恒例行事であるポスターセッションが、今年度も活気に満ちた雰囲気のなかで開催されました。会場では、修士論文を完成させたMBA生の皆さんが、それぞれの研究成果をポスターにまとめ、参加者との熱心な議論を繰り広げていました。

私は、このイベントでは必ずすべてのポスターに時間をかけて目を通すようにしています。今年も研究内容の充実ぶりとともに、それをわかりやすく伝えようとする工夫が印象に残りました。情報を詰め込むのではなく、研究の要点を整理し、レイアウトにも工夫を凝らしたポスターが数多く見られました。

研究テーマは例年どおり多岐にわたっていましたが、組織との関わりや、リスク・不確実性をめぐる問題を扱った研究が多いことが印象的でした。MBA生の多くは、民間企業や行政機関などで働く社会人です。組織のなかでは他者との協調が必要になる一方、意見の相違や葛藤も生じます。また、将来が不確実だからこそ、悩みながら意思決定を重ねなければなりません。こうした実社会の問題に向き合い、その解決の方向性を探究することは、MBAで学ぶ大きな意義の一つでしょう。

ポスターセッションでは、発表者だけでなく、相手の研究を理解して的確な問いを投げかける質問者にも能力が求められます。会場の熱心な議論からは、双方がこうした能力を磨いてきたことがうかがえました。修士論文には、入学以来約1年半にわたって積み重ねてきた学びの成果が反映されていると感じます。

なお、神戸大学MBAの同窓会組織であるMBA Caféが主催する賞について、参加者による投票が行われ、上位入賞者が表彰されました。今年度の第1位は土井佳代子さんの「『共感はするが、買わない』を超えて ―日本のフェアトレード・エコ商品における利他的価値の利己的価値への翻訳と購買行動形成のメカニズム―」、第2位は佐合貴之さんの「企業別組合における専従役員の判断様式の形成と実践―『支え』と『抑制』の両義性―」、第3位は穴井将太さんの「商談における営業担当者の意思決定プロセスに関する研究」でした。また、第4位には生駒善光さん、同率第5位には伊藤文さんと望月太貴さん、第7位には伊集理紗さんが入賞しました。受賞された皆さん、おめでとうございます。

そして何より印象的だったのは、MBA生の皆さんが実に楽しそうに、しかも真剣に取り組んでいたことです。発表する側も質問する側も、自ら進んで議論に参加していました。私が日頃から大切だと伝えている「楽しく真面目に学ぶ」という姿勢を、まさに体現する光景でした。

ポスターセッションは、学位記授与式を目前に控えた時期において、MBAでの学びの集大成を披露する大切な機会です。充実した研究成果を披露された皆さんに、心から敬意を表したいと思います。また、ポスターセッションを支えてくださったMBA Caféの皆様にも、感謝申し上げます。