2025年度テーマプロジェクト発表会 金賞チームインタビュー その3

金賞受賞チーム「魁!!男塾」
研究タイトル「日本企業におけるAIの導入から顧客価値創出までのメカニズムはなにか​~伝統企業のAI導入・顧客価値創出事例を踏まえた考察~」

金賞受賞チームの皆さん

メンバー:入佐 涼平、川上 将伍、河守 俊夫、小坂 明誠、望月 太貴、山本 淳也
(※五十音順、敬称略)

2026年1月10日(土)、テーマプロジェクト発表会が開催されました。激戦の末、見事金賞に輝いた3チームの中から、本記事では「魁!!男塾」にインタビューを行いました。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(入佐 涼平)期間:ケースPJ終了後すぐ(2025.8.9)から、最終発表前日(2026.1.9)まで
頻度:毎週土曜日夜に対面打合せ(3時間程度)と平日夜にオンライン打合せ(2時間程度)。
その他:インタビューは相手方の都合に合わせて、対応可能なメンバーが出席。

(川上 将伍)我々のチームは、8月のチーム組成から1月の発表まで、約5ヶ月の期間を丸々使って最終成果物を完成させました。
基本的なルーティーンとしては毎週土曜日の講義後の時間と、定例で平日の夜の時間(21時半〜23時半)をMTGの基本スケジュールに固めて、中間報告の準備や企業へのインタビューの際はチームで手分けして時間を作って対応しました。
8月の段階でゴールとなる最終報告資料の提出までの道のりを具体的にデザインし、その道のりに対してどこまで進捗しているかを毎週チェックしていたことが、納得のいく成果物の完成に繋がったと考えています。もしこの動作を取れていなかったら最終発表に間に合わないことになっていたと思います。

(河守 俊夫)チームの結成、テーマの設定から最終報告まで約5か月です。当初は、最低5名の要件を満たしてチームを組めるのかが一番の不安でしたが、メンバーが揃った後は、限られた時間のなかで「いつまでに何をやるか」を決めて進めました。土曜日は昼休みと授業終了後に三木記念館にこもって議論し、平日も時間を見つけてTeamsで打ち合わせを行いました。
立ち上げ当初に効果的だったのは、各自が関心のある書籍・論文に当たり、要点を持ち寄って発表し合う時間を設けたことです。ここで論点と視点を共有できたことで、多角的に捉えつつも議論が散らからず、その後の調査設計と分析がスムーズになりました。メンバーそれぞれが仕事等の制約を抱えるなかでも、強みや思考スタイルがうまく噛み合い、チームとして前に進めたと感じています。

(小坂 明誠)プロジェクトが始動した8月のチーム結成から研究成果発表会前日の深夜まで、多くの時間を割いて当プロジェクトに向き合いました。週末はもちろん、平日業務後はメンバーで時間を調整してオンラインミーティングを行い、年末年始も発表資料のブラッシュアップを重ねるなど、文字通り走り続けた5か月間でした。対面での議論に加え、TeamsやLINEでのテキストベースのやり取りも頻繁に行い、問いの立て方から検証すべき論点、スライドの論理展開に至るまで細かくすり合わせていきました。他の講義の課題やレポートもある中で、並行してテーマプロジェクト研究に取り組むことは決して容易ではなく、体力的にも精神的にも負荷の高い期間であったことは間違いありませんが、そのような環境の中で議論を重ね、問いに対する結論を徹底的に突き詰めた経験は、論理的思考力を鍛えることに繋がりました。チームメンバーと半年近い研究に取り組む中で、かけがえのない関係性も築くことができました。

(望月 太貴)8月17日の初回講義から翌年1月9日の発表会までほぼ毎週、①土曜日の5限後から9時頃まで、②平日1~2時間のミーティングを行って議論を進めつつ、各々がタスクを担当して作業を進めてきました。加えて、年末年始休暇中もミーティングを行ったりチャット上でメンバー全員がやり取りしたりと、コミュニケーションは多く取っていました。
プロジェクトの進め方としては、中間報告会までは①研究テーマのもとになる問題意識のアイデア出し、②リサーチクエスチョンの設定、③先行研究調べ、④プレ調査の実施、中間報告会から最終報告会までは、⑤①~④を踏まえて再度問題意識やリサーチクエスチョンの練り直し、⑥本調査の実施、⑦理論フレームワークと調査結果の照らし合わせ、⑧研究結果・実務への示唆の導出、という進め方を取りました。
問題意識やリサーチクエスチョン設定は最初に設定すれば終わりということはなく、頻繁に立ち返りながら、「筋の良い問いはなにか」をメンバー全員で議論を重ねることに多く時間を使った印象です。

(山本 淳也)8月のキックオフから1月の発表会当日までほぼ毎週平日にもミーティングを重ねました。根幹となるテーマはチームメンバーで絞り込んで設定したものからは大きくは変わっていないですが、リサーチクエスチョンも中間報告以降も調査や壁打ちとともに見直されていき固まったのが12月でした。内容も発表会直前まで修正や調整を練り直していたような状態でほぼテーマプロジェクト期間そのものが準備期間であったという印象です。

Q2. 入学から振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?

(入佐 涼平)自宅での課題への取組みと毎週の講義の組合せで、実践的な経営学に関する知識を効果的に学ぶことができていると感じています。

(川上 将伍)コア科目の授業で様々な業界の方々と同じ課題に対して真剣に議論・意見交換できることが非常に価値のある機会だと感じています。
加えて、テーマプロジェクトや選択科目での発表機会や資料作成では、同期のみなさんのスキルやノウハウを学ばせていただく機会が多く、その点でも実務に役立つ経験をさせてもらっています。

(河守 俊夫)入学以前から持っていた「とにかく学びたい気持ち」は強い一方で、仕事との両立が前提になるため、限られた時間のなかでやりくりする必要があります。MBAは授業が同時並行で進むため、試験やレポートの時期は必然的に重なり、チームで取り組む科目では打ち合わせも発生します。コツがつかめるまでは何度も行ったり来たりを繰り返しながら取り組んでいましたが、今では先を見据えて時間と体力の配分を組み立てるようにしています。世代も業界も異なる方々と議論することで、自分だけでは持ち得ない視点や前提に触れることができ、学びの幅が大きく広がったと感じています。
また、次から次へとインプットとアウトプットを繰り返すなかで、定義の置き方や概念の捉え方など、研究上の「お作法」のようなものは少しずつ意識できるようになってきました。一方で、理解したつもりでも自分の実践に落とし込むのは簡単ではなく、まだまだ学ぶことが多いと感じています。

(小坂 明誠)入学からここまで、MBAでしか得られない経験の連続でした。学術的な理論やデータに基づいて分析し、文章にまとめること、そして説明を求められることは、実務だけでは触れることの難しい思考環境です。また、異なる業界で意思決定を担う立場の方々と議論を行う中で、自らの前提が決して普遍的ではないことを何度も実感しました。同じケースから異なる結論が導かれる体験は、自身の視野を広げると同時に、意思決定における判断の幅を確実に拡張してくれました。もちろん、通常業務に加えて、平日夜間や週末土曜日の講義、課題レポートやプロジェクト研究へ取り組むことは非常にハードです。しかしながら、この負荷の高い環境そのものが、自身の思考の質を高めてくれていると感じています。神戸大学MBAで培った思考力と実践力を自組織に還元することはもちろん、より広く社会に価値として返していけるよう、今後も学びを深めていきたいと考えています。

(望月 太貴)入学から約10か月の授業を振り返って感じるのは、①知的刺激に溢れている点、②1.5年間という短期間で実によくできた設計である点、③学習の負荷は高地トレーニングである点の3点です。
一点目について、自分の仕事の領域とは異なる授業内容はもちろん、異なる業界・職種・役職の同級生とのディスカッションで得られる情報や考え方がとても良い刺激だと感じています。二点目について、コア科目やその他の科目を履修しながらケースプロジェクト、テーマプロジェクトと進んでいく中で、「研究とはどのような活動なのか」、「論文の意義とは何か」といったことへの解像度が自ずと高くなっていると感じています。三点目について、入学初期は講義の事前レポートや土曜日の通学に苦しんでいましたが、段々とそれを前提に生活や仕事を組み立てるようになったと感じています。

(山本 淳也)仕事と課題の両立は想像以上にハードで、時に睡眠時間を削ることもありますが、非常に密度の濃い時間を過ごしています。これまでの経験や感覚的な「しろうと理論」を体系的な知識として整理し、実務に活かせる実践的な学びを得られることに大きな成長と充実感を感じています。何より、多様なバックグラウンドを持つ同期たちとのディスカッションは刺激的で、新たな視点を得て視野が広がる、苦しくも楽しい最高の環境です。

Q3. 発表会の準備で大変だったことは何ですか?優勝の感想と併せてお答え下さい。

(入佐 涼平)発表会までに調べてきた事は、非常にボリュームが多く、リサーチクエスチョンに対する回答を、効果的且つ説得力ある形で整理し、聞き手に伝わるように発表するために、年末年始の限られた時間の中で推敲する作業は大変でした。結果として、研究・発表に対して高い評価をいただくことができたので、チーム全員での苦労が報われたように感じ、大変嬉しかったです。

(川上 将伍)年末年始の後すぐに最終発表会、というスケジュールのため直前の追い込みが物理的にたいへんでした。
チームのメンバーにそれぞれのプライベートや仕事のスケジュールを調整してかなり柔軟に調整いただき、かつメンバー全員が自己犠牲を厭わない熱意で取り組んで来れたことでなんとか乗り越えられました。
メンバーの皆さんには感謝しかありません。

(河守 俊夫)一番大変だったのは、私が担当した先行研究パートの解釈に違和感があることを、最終盤に他のメンバーの指摘で認識したことです。このままだと議論全体の前提が揺らぎ、他のメンバーがまとめた資料にも影響がおよぶ状況だったため、急遽修正を行いました。結果として追加の負荷をお願いする形になってしまい、本当に申し訳なかったという気持ちで一杯です。最終報告会では不安もありましたが、論点・定義・根拠を最後まで点検し直し、伝わる形に磨き上げることができたのは大きな学びでした。メンバーには感謝しかありません。ひとりでは絶対にたどり着けなかった道のりだと感じています。次に控える専門職学位論文は言わばソロ活動となりますが、今回の学びを活かして一段ずつ前に進めていきたいと思います。

(小坂 明誠)まずは、5か月にわたりチーム全員で取り組んできた研究に対し、金賞という評価をいただけたことを大変うれしく思います。積み重ねてきた努力が一つの形として認められたことに、率直に安堵と達成感を覚えるとともに、妥協せず取り組んできたことが報われた思いです。私は今回のテーマプロジェクト研究において、中間報告会や研究成果発表会で発表者を任せてもらっていたため、研究の意義と成果をいかに分かりやすく、かつ効果的に伝えるか、そして限られた発表時間内に収めるかという点に最も苦労しました。チームの成果を背負うことのプレッシャーもありましたが、構成や表現を何度も見直し、一連の発表をやり遂げることができました。MBAという高度な学修の場で、成果発表をするという経験自体が非常に貴重な学びでしたし、この経験を今後の研究活動や所属組織での実務においても、活かしていきたいと考えています。

(望月 太貴)大変だった点はアクシデント対応です。うちのチームでは、私が11月下旬というプロジェクトの佳境のタイミングで交通事故に遭ってしまい、そこから最終報告会までフルリモートにせざるを得なかったり、メンバーの一人が1か月以上の海外出張で時差の壁が生まれてしまったりと、多くの困難に直面しました。しかし、男、いや、漢6人で手と手を取り合い、開心見誠の姿勢で議論を重ねることで、困難を乗り越えられたと感じています。
優勝の感想としましては、そもそも我々はチーム組成時に「優勝ではなく自分達が納得いく研究を行うこと」を目標に設定したことから、その研究内容を先生方や卒業生フェロー各位に興味深いと感じていただけたことを嬉しく思います。

(山本 淳也)我々のチームでは複数の伝統産業を営む企業の事例を取り上げ比較分析を行いました。まずそれぞれの事例の複数関係者にインタビューを行い、分析することそのものが大変でした。それぞれ一つ取っても興味深い事例ばかりなので。また事例を絞るべきか比較して分析するかも議論がありましたが、より解釈がチャレンジングになる後者で進めることにまとまりました。その解釈も発表会当日の週にようやく固まりましたが、ギリギリまで議論を重ねた結果でした。教員からのフィードバックでも賛否ありましたが、比較分析として高く評価していただいた先生もいらっしゃり、妥協せず最後までチームで考え抜いたプロセスが評価され、大きな達成感を得ることができました。


「魁!!男塾」の皆様、ご協力いただきありがとうございました。