2025年度テーマプロジェクト発表会 金賞チームインタビュー その1

金賞受賞チーム「虹友レンジャーズ」
研究タイトル「元管理職シニアが輝く組織の方程式~ポストオフシニアと共に、日本の底力を解き放て!~」

金賞受賞チームの皆さん

メンバー:秋本 健輔、伊集 理紗、上田 泰広、黒岩 瞳、管田 晃輔、土井 佳代子、森部 寛隆
(※五十音順、敬称略)

2026年1月10日(土)、テーマプロジェクト発表会が開催されました。激戦の末、見事金賞に輝いた3チームの中から、本記事では「虹友レンジャーズ」のインタビューを紹介します。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(秋本 健輔)準備は約5か月間、継続的に取り組みました。平日夜と土曜授業後の週2回の定例ミーティングを軸に進め、まずは先行研究を徹底的に読み込み、概念整理と問いの精緻化に時間をかけました。並行して複数のケースインタビューを実施し、一次情報と理論を往復しながら仮説を更新し続けました。さらに複数の教授陣に壁打ちの機会をいただき、論理の甘さや構造の曖昧さをその都度修正しました。発表直前はほぼ毎日集まり、ストーリーの一貫性と伝わりやすさを徹底的に磨き込みました。

(伊集 理紗)私たちのチームでは、平日2時間、土曜日約3時間(昼休みと5限後)を中心に、週5時間程度の議論を5ヶ月間重ねました。土曜日の議論をもとにタスクを割り当て、平日は個人作業を進め、次の土曜日に発表・議論するサイクルで進行しました。特に12月下旬から1月上旬は活動量が増え、大晦日は朝7時~9時の打合せ、1月3日にメンバーのオフィスへ集まり集中して議論、仕事終わりの23時頃からプレゼン練習を重ねたことが印象に残っています。
チームの特徴として、始動当初にリーダー(伊集)とプロジェクトマネージャー(管田)を明確に定め、両名が1月までの線表のたたき台を作成したうえで、全員でゴールまでの進行イメージを共有しました。その後はWBSを作成し、タスク管理と役割分担を明確にしながら進行しました。金賞までの道筋を粘り強く設計してくれたプロマネ、そして常に期待以上のアウトプットと質の高い議論で支えてくれたメンバーの存在が、チームの成果につながったと感じています。

(上田 泰広)発表までの約5ヶ月間、膨大な時間を費やしました。中間発表までは土曜の昼休みと授業後の対面議論+“サク飯”で結束を深め、平日も週1回オンラインで協議を重ねました。初期は「スターシニア」の定義や研究意義の議論に多くの時間を割きました。
中間発表以降はさらに熱を帯び、最終的に103本に及ぶ先行文献レビューや起死回生の村田機械様へのインタビュー等個別の活動に加え、対面議論、“サク飯”に加え週1〜2回のオンライン会議が深夜26時に及ぶことも常態化。大晦日の朝にも会議を行い、年明け1月3日には大阪の会議室に集結して半日激論を交わしました。そこから1月10日の本番に向けた1週間のブラッシュアップ期間が、我々のクライマックスでした。

(黒岩 瞳)準備には約5カ月を要しました。8月にチームを結成して以降、まずは研究テーマの設定に多くの時間を費やしました。メンバーそれぞれの問題意識や関心が強く、容易にはまとまりませんでしたが、対話を重ねながら視点を徐々に絞り込んでいきました。10月の中間報告会での助言を受けて研究の方向性を見直し、その後は役割分担を明確にしたうえで、先行研究レビュー、インタビュー設計、調査・分析を進めました。
年末年始も毎日チャットベースでやり取りを続け、特に大みそかは朝7時からオンラインで議論しました。さらに1月3日には会議室に集まり、最後の詰めを行ったことで議論の密度が一段と高まり、それに伴って発表資料の質とチームの士気も大きく高まったと感じています。
限られた時間の中で検証と修正を粘り強く繰り返したことが、最終発表の成果につながったと考えています。

(管田 晃輔)自分達は中間発表後に研究テーマを変更したので、中間発表後からが本当の戦いでした。
テーマPJ自体は8月末から開始しましたが、10月中旬の中間発表を経て、10月中にテーマ変更の方針を固め、11月~12月前半までインタビュー調査を行い、その内容を受けて12月~発表前日の1月9日まで、分析と発表準備を煮詰めていきました。
最終発表で中心的に取り上げたケース企業のインタビューが日程調整の都合で12月前半になったこともあり、12月以降は日々新たな発見とそれに伴う取捨選択の葛藤がある、本当に目まぐるしくも濃い日々でした。

(土井 佳代子)準備には約5か月かかりました。テーマプロジェクトでは、チーム編成からテーマ設定までを受講生自身で行います。初回講義は8月第2週にあり、私たちのチームは、その日に各メンバーが興味のあるテーマを持ち寄り、どのテーマに取り組むかを議論するところからプロジェクトがスタートしました。
10月の中間発表では、私たちが設定したリサーチクエスチョンを発表しましたが、いただいたフィードバックを踏まえ、調査対象を大きく変更することにしました。これにより、ケースインタビューが本格化したのは中間発表以降で、最後のインタビューは12月中旬、発表まで残りわずか3週間というタイミングでした。
年明けの三が日には、メンバーの会社の会議室に集まって追い込み作業を行ったことも印象深い思い出です。前日の夜まで発表原稿の読み合わせを続け、まさに5か月間走り続けたプロジェクトでした。

(森部 寛隆)8月のスタートから1月の発表まで、ほぼ毎日テーマプロジェクトのことは何かしら考えていました。毎週土曜の授業後と平日に週一回はチームミーティングをしていて、授業やレポートに加え仕事もある中で、振り返るとなかなかハードな5カ月間だったなと思います。とは言っても準備期間中は、「こんな風に夜中まで真剣に議論することは今後の人生でそうないだろうね」とメンバーで言い合いながら楽しんで取り組んでいました。とても充実した期間でした。

Q2. 入学から振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?

(秋本 健輔)率直に言えば、想像以上にハードです。毎週の課題やレポートに追われる一方で、理論が実務経験に言語と構造を与えてくれる感覚があります。これまで感覚的に行っていた意思決定やマネジメントを、枠組みを通して再解釈できるようになり、思考の再現性が高まりました。また、多様な業界・職種の同期との議論は、自分の前提やバイアスを揺さぶる貴重な機会です。単なる知識の獲得ではなく、視座そのものが一段引き上げられる体験だと感じています。

(伊集 理紗)覚悟はしていましたが、想像以上に大変でした。頑張るのみ、です。
一方で、授業内容は想像以上に充実していました。アカデミアの最前線で活躍されている先生方による講義は期待以上でした。また、正直そこまで期待していなかったのですが(笑)、授業運営そのものも学生が理解しやすいよう丁寧に設計されており、完成度の高さに驚きました。さらに、何と言ってもプロジェクト研究の存在が大きいです。インプットした知識を実践的に使いながら学びを深めることができ、各授業との接続も含めて、本当によく作り込まれたカリキュラムだと感じています。

(上田 泰広)理系出身のため?、当初は「Individuals&Groups」のような人を扱う領域に苦手意識がありました。しかし、テーマPJで人を扱うプロジェクトに深く関わったことに加え、多様なチームメンバーの中に2名の人事専門家がいたことが大きく影響しました。彼(女)らの視点から多くの気づきを得たことで、同科目の学びが腹に落ちて理解が深まりました。この経験から、MBAの授業は知識の習得に留めず、実務や研究に結びつけて実践していくことが重要だと実感しています。

(黒岩 瞳)入学前は、MBAは知識を体系的に学ぶ場だと思っていました。しかし実際の授業はケース討議が中心で、特にSales&Marketingの授業では活発な質疑応答が続き、授業がなかなか終わらないこともあり、その熱量に圧倒されました。授業では、理論を知るだけでなく、自ら考え、発言し、議論することが求められます。自分の実務経験や思考・行動の癖が常に問われる環境で、夏前までは「授業についていけるのか」「仕事と両立できるのか」と不安を感じる日々が続きました。毎週のレポート作成のために、日曜日や平日の夜の多くの時間を費やすなど、余裕のない時期でもありました。それでも、テーマプロジェクトが始まった8月頃から徐々にペースをつかみ、同期と共に学ぶ楽しさを実感できるようになりました。自分の未熟さを痛感する場面は多いものの、多様なバックグラウンドを持つ仲間との学びは、自身の思考の幅を広げる貴重な経験になったと感じています。

(管田 晃輔)入学直後の4月から本業の方での役割が変更したこともあり、入学後から3か月間は本業と学業のバランスや時間確保に苦労しました。しかしそれ以降はなんとか日常のリズムを作れたことで、楽しく学ぶ日々を過ごせています。
MBAの授業は、諸先輩方も仰るように、新しい学びも沢山ありつつ、今までの企画やマネジメントの実務で素人理論として体感していたことが「学術的な理論で言うとそうだったんだ!」と体系的に理解でき、頭の中で思考のフレームワークが整理整頓されていくような感覚を覚えます(全てを吸収しきれているかは定かではないですが…)。
MBAの授業では単に講義を聴講するだけではなく、ディスカッションや自らの実務経験上の実例を発表する機会も多々あり、背景や文脈の異なる同級生や先生方へ分かりやすく説明することも訓練の一つと捉えて、積極的に発言するようにしています。もちろん、他の業種業界の異なる他の同級生からの観点や実例は、普段の日常業務では得がたい気づきが多く、刺激的です。

(土井 佳代子)学びの多い、充実した日々を過ごしています。
入学から1月初旬のテーマプロジェクト終了までは、コア授業に加えてチームプロジェクトの準備も同時進行で進むため、非常に密度の高い期間でした。特に前期(入学〜夏頃)は平日の授業も受講していたため、課題とプロジェクトの準備に追われ、あっという間に時間が過ぎていきました。
私は、できる限り日曜日のうちに課題とプロジェクト準備を終わらせ、平日は授業とチームミーティングに集中できるよう工夫していました。
平日の授業はオンラインですが、土曜日は教室で同期と直接議論する機会が多く、さまざまなバックグラウンドから生まれる多角的な視点に毎週刺激を受けています。自分にはなかった考え方やアプローチに触れられるため、土曜日の通学が毎回楽しみになっています。

(森部 寛隆)楽しいです。これまでの仕事での経験や知識が、理論を知ることで段々と構造化されていく過程が特に気に入っていますね。毎晩レポートやミーティングで机に向かっていると、家族からは「趣味なの?」と言われることもありますが、あながち否定できないなぁと。もちろん課題に追われて大変なこともありますが、課題を自分の限界まで考えた上で授業でのインプットやディスカッションに臨んだ時こそ、大きな学びが得られていると感じます。

Q3. 発表会の準備で大変だったことは何ですか?優勝の感想と併せてお答え下さい。

(秋本 健輔)最も大変だったのは、集めた情報を「削ぎ落とす」作業でした。インタビューや先行研究から得た示唆は多く、すべてを伝えたくなります。しかし発表で残せるメッセージは限られています。問いから仮説、示唆までの流れを何度も組み替え、聴衆の記憶に残る一本のストーリーへと磨き上げました。金賞は大変光栄ですが、それ以上に、異なる視点を持つ仲間と本気で議論を重ね、最後までやり切れたことこそが最大の成果であり、今後の糧になる経験でした。

(伊集 理紗)金賞は、チーム発足当初から全員で目標に掲げて取り組んできた成果であり、本当に嬉しく感じています。前回のケースプロジェクト研究では、優秀なメンバーが集まっても全員の力を最大限引き出すことの難しさを実感していたため、今回は「メンバーの能力を最大発揮した上で勝つ」ことを強く意識して取り組みました。それが実現できたという手応えがあり、より一層印象深い結果となりました。
準備で特に大変だったことは、「最後まで粘り強く研究をやり切ること」です。ラストスパートです。時間が限られる中、他の授業や仕事と並行して取り組むことは想像以上に難しく、ケースプロジェクト研究では最後に諦めてしまった反省も個人的にはありました。
今回、私たちは複数社へのインタビューで仮説検証を進める中、最終的に1社を先端事例として深掘りする方針へ転換し、11月末のコンタクト以降、12月半ばまでに12名へインタビューを実施、年末年始にかけて一気に統合しました。概念モデルは何度も作り直し、プレゼンも一語一句まで議論を重ねて磨き込みました。限られた時間の中でも諦めずに自分たちとして納得出来るアウトプットへ落とし切れたのは、先行研究レビューや白熱した議論の積み重ね、そして5か月間で形成したチームワークがあったからだと感じています。

(上田 泰広)準備で大変だったことは膨大な時間をかけ、安易なショートカットをせずに紆余曲折をへながらも本質を徹底的に追求したことです。しかし、初期に定めたプロジェクト憲章が羅針盤となり、チーム全員でこのハードワークに没頭し、最後まで真剣に知的に楽しむことができたと思います。
私自身はプロジェクト期間中に55歳になりました。10年後の定年時に人生を振り返る際、きっと真っ先に思い出す「最高のストーリー」になりました。最高の仲間と共に憲章を体現し、金賞という最高の結果を出せたことを心から嬉しく思います。

<プロジェクト憲章>

10年後も鮮明に記憶しているような、最高のストーリーを創り上げよう

  • 7人の専門性を掛け合わせ”虹色の化学反応”を起こし、チーム全員で新たな視座を獲得し成長しよう!
  • 質の高い問いを立て、本質を徹底的に追求し、その先に見えるセレンディピティにめぐり合おう!
  • 最後まで真剣に知的に楽しむことに没頭し、これを最高のストーリーを創り上げる原動力としよう!

(黒岩 瞳)発表会の準備で最も大変だったのは、「自分たちの研究で何を明らかにするのか」を問い続けたことです。仮説や構造を何度も見直しながら、主張と根拠の整合性を高めていくプロセスでは、繰り返し議論を重ねました。インタビューは12月に入ってからの実施となったため、得られた内容を整理し、それを先行研究とどのように結びつけるか、さらにどこに新たな発見を見出すのかという点にも非常に苦労しました。先生方に何度も壁打ちをお願いし、先輩方にも資料を確認いただくなどして、思考を深めていきました。
優勝という結果はもちろん嬉しいものでしたが、それ以上に、メンバーそれぞれの強みを理解し、チームとして相互に補完し合いながら最後までやり抜けた経験が強く印象に残っています。多様なメンバーと協働する中で、自分自身の役割や価値発揮のあり方について、新たな視点を得ることができました。

(管田 晃輔)大変だったことは2つあります。
1つ目は、テーマPJでは定性的研究(事例研究)というアカデミックなアプローチで問いを立てて解き明かしていくことになります。当然普段の実務とは異なり、アカデミックなアプローチによる方法論もお作法も分からないところからのスタートなので、何が正解で何を気を付けなければいけないのかが当初分かりませんでした。これは、定期的に設けていただける担当教員の先生方との壁打ちに加えて、諸先輩方から有難くも過去の受賞チームの発表資料やアドバイスをいただくことで、徐々に明らかになっていきました。
2つ目は、私達のチームは幸いにも7名全員が非常にモチベーションが高く多様な観点でのアイデアや考えを持ち併せていたことから、1人で進めるよりも都度の合意形成に時間と労力がかかったことです。これは、チームとしての士気と納得感を担保するためにも、粘り強く時間をかけて議論を重ねて、コンセンサスを積み上げていくしかありませんでした。振り返れば、もう少し効率的に進められたのでは、と思えるところもありました。しかし、生産性を若干(いやかなり)度外視してでもみんなで納得いくまで議論し尽くしたからこそ、みんなで自信をもって最終発表に出せるクオリティになったと思います。
最後に、その結果として金賞を受賞することができて、とても嬉しく思います。それ以上に、本当に優秀で意欲的で前向きな本チームのみんなとなかなか経験できない濃密な時間を過ごせて楽しかったです。どっぷりと沼にはまって思考と議論を重ね、正に「探究」という概念を体感できた貴重な4か月半でした。

(土井 佳代子)メンバー間の知識レベルをそろえるための準備と、その時間を確保することに苦労しました。
私たちのチームでは、毎回の打ち合わせの最後に次回までの役割を明確にし、各自が調べた内容を次回の会議で持ち寄って共有する進め方を徹底していました。しかし、数日かけて得た調査結果やインタビュー内容を、数時間の会議だけで同じ理解レベルまでキャッチアップすることは容易ではありません。
そのため、事前に共有された資料を読み込み、参加できなかったインタビューの録音を倍速で確認するなど、個々で知識を補う努力が必要でした。担当作業を進めるだけでなく、7人全員が同じ認識レベルを維持するためにも個々でのキャッチアップ時間が欠かせず、テーマプロジェクト期間(後期)は平日の授業を多く取る余裕はほとんどありませんでした。
一方で、役割分担がうまく機能し、全員が主体的にキャッチアップし続けたことで、短期間ながら密度の高いインタビューを効率的に実施し、その内容を効果的に分析できたのだと思います。また、資料の見せ方に細部までこだわり、発表原稿も直前まで一言一句を調整するなど、メンバー全員が最後まで妥協せず取り組みました。そうした姿勢とチームワークが、今回の優勝につながったと感じています。

(森部 寛隆)どのようなポイントで研究の面白さをアピールするか?を決めるのが大変でした。メンバー同士でも、推すポイントが微妙に異なっていて議論が白熱したのを覚えています。振り返ると、プロジェクトのハイライトとして良い思い出になっています。当初から優勝を目標に進めており、インタビューや壁打ち相手の方々にもそう宣言して、かつ年末年始の休暇もそこそこに相応の時間をかけたので、優勝できてほっとしているというのが正直な感想です。チームメンバーそれぞれが尊敬できる強みを持っていて、プロジェクトを進める上で学ばせてもらうことも多く、個人としても大いに刺激を受けました。


「虹友レンジャーズ」の皆様、ご協力いただきありがとうございました。

金賞受賞チームの皆さん
チームのロゴを作り、発表当日はお揃いのロンTで発表に挑みました!(お揃いにすると、金賞が獲れないというジンクスを打ち破りました)

金賞受賞チームの皆さん
勝利の祝杯をあげました!

議論の様子
議論の様子
土曜日の授業後は、学校の教室でホワイトボードを使いながら遅くまで議論をしました。