2018年度ケースプロジェクト発表会 金賞チームインタビュー
金賞
メンバー:小川 雅弘、中村 明大、水山 ともみ、溝手 紳太郎、横山 良平、吉川 智貴
(※五十音順、敬称略)
2018年8月4日(土)、神戸大学本館306号室で行われたケースプロジェクト発表会において、激戦の末、見事優勝を勝ち取られたチームにインタビューを行いました。
Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?
(小川) 4月から取り掛かり、4カ月かかりました。資料の準備が出来たのは発表当日の朝5時です。ほぼ毎週土曜日、5限目が終わった後に本館の313教室で集まり、午後8時30分くらいまで議論をした後、阪急六甲駅又はJR六甲道駅で夕食を取りながら、チームビルディングを実施していきました。最初の2回の栗木教授と宮尾准教授によるチェックによって、進んではいけない方向を見極めることが出来ました。全員の意識が大きく変化したと感じているのは中間発表会だと思います。第1ゲートを不十分ではあるが、何とかフィールドリサーチを実施することに対して許可を頂き、実際に色々な方の御意見をお伺いすることが出来て、今回のテーマのFMラジオについての現実を認識することが出来ました。ラジオ放送って結構楽しいものであると。しかし進めれば進めるほど自分たちの未熟さを認識させられ、時間との新たな戦いが始まってしまいました。結果的に全員が自信を持って発表出来る内容ではなく、発表当日のベスト内容で発表することになってしまいました。
(中村) 4月にメンバーが決まってから、ほぼ毎週土曜日の6限目は本館の教室に集まり、打合せを重ねました。我々6人は、勤務地が大阪府、京都府、滋賀県と2府1県に分かれており、居住地も大阪府と京都府の2府に分かれています。但し、対面での打合せを基本としていたので、中間発表や最終発表の前には、平日の晩や日曜日にも中間に位置する長岡京駅前の会議室に集合し、打合せと資料の準備を進めました。
中間発表後に行ったフィールドリサーチでは、多くの気づきとヒントを得ることができました。これで内容は一気に固まるかのように思えましたが、メンバー間の意見の擦り合わせと、設定された「新規性」という課題への対応に最後まで悩み、全員で「これで行こう」という内容に仕上がったのは、結局、最終発表前日の23時でした。
(水山) 4月から8月までの約4ヶ月、毎週土曜日の授業後に、中間発表や最終発表が近くなると、日曜日や平日の夜にも集まりました。
(溝手) まずは、頼りになるチームQメンバーの皆様、ビシバシご指導くださった担当の先生方、審査員の先生方、KissFMの横山社長、そして神戸大学MBAでの活動を応援してくれている会社の上司・同僚、そして友人・家族に御礼申し上げます。いつもありがとうございます。
準備は、公式にはチーム編成の決まった4月2日から始めましたが、解釈を広げると入学前の3月14日の公開セミナーで昨年度の金賞・銀賞チームの発表を聴いた時点から個人的に心の準備を始めていました。発表内容が事業構造、財務会計、マーケティング、新規事業提案と売り上げ予想、その裏付けデータと、多岐に渡っておりましたので、その時点で、これは予想していたよりも相当大変そうだぞという不安な気持ちが芽生えていました。最後の準備は、最終発表当日8月4日のお昼休みのチーム全員での予行演習でした。その前の4月28日に着眼点の提示、6月2日に中間発表会があったのですが、そこまで終わっても、事業再生計画の骨子が全く決まらずずっとモヤモヤしていました。その後の多数のフィールドリサーチを経て、発表の4日前にようやくモヤモヤを脱して、打ち手を最終決定し、発表前日に打ち手を踏まえたストーリーラインを完成させました。そこから吉川さんが朝の4時までプレゼン資料の最終調整、小川さんがプレゼンの予行演習という綱渡りの状況でした。この時は、ギリギリすぎて、精神的に追い詰められた状況の中、プレゼンターの小川さんに全てを託しました。小川さん、大役ありがとうございました。ここのホームページの昨年度の振り返りを読むと、毎年同じ状況なのだなとしみじみと感じますね。
(横山) 4月7日のケースプロジェクト開始後から8月4日までの発表前日までとなります。土曜のコア科目の後の毎週の打ち合わせは勿論、その後の六甲での晩餐、平日仕事後の打ち合わせや、フィールドリサーチ等を行いました。また、平日の打ち合わせの時間が取れない場合でも、思い付いたアイデアの共有や議論を毎日のようにLINEでも重ねました。
(吉川) 4月7日に栗木先生よりケースプロジェクトの説明、そのケースの現実世界できりもりされているKissFM横山社長にラジオの業界動向を教えていただいてスタートしたケースプロジェクト。偶然結ばれた6人のチームで走りきった4カ月間。どれくらいかかったかという質問は答え方が非常に難しいです。
基本的な流れとしては、毎週土曜日の授業後に与えていただいた教室で21時まで議論し、その後は駅周辺で飲んで、日々の疲れを癒す。日々の情報交換では、LINEでグループを結成し、毎日それぞれが気づいたこと、学んだことを投稿して、それに対してレスポンスをする。
オーバーエイジ(笑)で活動力のある小川さんや若いけど男性陣の気づかないところをフォローしてくれる水山さん、博学で情報流入が半端ない横山さん、緻密でLINE投稿数No.1の溝手さん、抑えるべきところのポイントをしっかりと抑えて進言する中村さん。そしてサポーターかつコンダクターの吉川、上下関係もなく、デザイン思考でいつも情報が飛び交っていました。1日出張してLINEを見ないと100件も未読がたまる状況でした。見るのが大変でした。
5月のプラン選定から6月の中間発表、フィールドリサーチが本格化した7月、最終発表の8月、7月以降になるともはやケースプロジェクトが頭から離れませんでした。
だから準備にどれくらいかは説明することが難しいです。一つ言えるのは、フィールドリサーチは、東は「東京」、西は「福岡」まで23箇所を回ったということ、調べた資料は一般的な書物でいうと30冊分、資料作成にかけた時間はパワーポイントの資料でいうと200~300枚といったところでしょうか。会社のプロジェクトといっても過言ではないくらいアジャイル開発集団でした。
Q2. 入学から4ヶ月を振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?
(小川) 正直、予想通りにハードです。しかしながら非常に体系的に第一線の先生方から学べるのは非常にいい機会です。レポートを書くのに時間が必要なことは事実です。毎週土曜日、朝から晩まで苦楽を共にするメンバーとの時間は非常に有意義であると思います。我々50代のメンバーは自虐的に「Over Age枠」と言いながら、頑張っております。しかし、色々経験したからこそ他のメンバーに経験を伝えることが出来るとも思っています。様々な講義が準備されておりますので、社会人で経営学を学ぶのであれば、本大学院は経営学発祥の大学でもありますので、受験を考えられている方には是非お勧めしたいと思います。
(中村) 4月に入学してから、土曜日は毎週6時40分に家を出て、ほぼ最終の電車で帰宅する生活を送っています。平日は、会社の業務終了後に、課題レポートの作成や週末の授業に向けて多くの書籍に目を通す必要があります。現在はなんとか時間をやりくりして、睡眠時間を削りながら取り組んでいます。入学前からある程度は覚悟していたのですが、想定以上に大変でした。一緒に入学した仲間と励まし合いながら、なんとかがんばっています。
私がMBAを志した目的の一つは、経営に必要な知識と理論を体系的に身に着けることですが、各分野において第一線でご活躍されている先生方の講義や、授業内での同級生との議論や考えを伺うことは、新たな学びを与えて頂くだけでなく、これまでの業務経験で培ってきた自身の考えを改めて見直す良い機会になっています。
(水山) 入学前は、わざわざMBAに行かなくても、本を読めばいいかなとも思っていましたが、やはり授業を受けて初めて分かることも多く、MBAにきて良かったなと思います。また、様々な企業で働いている同級生の方々にも多くの刺激をもらっています。
(溝手) 既に卒業していた会社の同期から、神戸大学MBAは大変だぞと噂を聞いていました。時間に余裕が無さ過ぎて予習・レポートが追い付かず、ヘロヘロの状況下で、まるでジェットコースターのようにカリキュラムが進行し、気が付いたら卒業しているぞと。これまでのところ、まさにそのような状況です。平日の夜はレポート作成か講義、土曜は丸一日講義、日曜日はまたレポート作成と息つく暇がなく、本当に大変なのですが、それにも増して講義は面白いです。そもそも、私が神戸大学MBAに入学した理由ですが、国内製薬企業の研究職を15年間勤めた後に、経験のない人事部門である人財開発部人財育成課へ異動となったことで、人財育成、組織開発に関する知識を基礎から身に着けたいという思いと、最近の人事部門の趨勢である戦略パートナーとして、経営全般のイロハを身に着けたいという思いからです。これまで薬学しか知らず、経営学という全く未知の分野に飛び込み、まだ、入学後4カ月しか経っていませんが、これまでにコア科目のマーケティング、技術・運用マネジメント、選択必修科目の統計学、ビジネス経済学、英国クランフィールド大学MBA生との交流等々を経て、辛いながらも、期待以上に新しい知識が増えていくことに喜びを感じています。各科目単体でも興味深いですが、各科目のカリキュラムの内容と順番が相互に絡まりあっていて、あの科目のあの話はこの科目のここに繋がるのかという気付きも多く、先生方が綿密にカリキュラム全体を練って下さっていることを感じますね。ただ、自分自身の知力と体力を踏まえると5年くらい前の35才前後に来ていたほうが良かった気はしています。
(横山) 非常に学ぶことが多いです。精鋭の教授陣の講義からは勿論、全国から集った多分野で経験豊富な同期の皆さんの講義中の積極的な発言や日頃の議論には、『気付き』、『発見』、『学び』の連続です。
例えば、コア科目の講義ではまず理論を学び、その後に演習形式で進められることが多いですが、アカデミックな部分と、多様なバックグランドと豊富な経験に裏付けされた社会人学生の皆さんとの議論とを通じて、理論と実践との融合が繰り広げられています。演習を通じて、NASAチャレンジャー号の技術者の立場になったリスクマネジメントを行ったり、ヘルニア専門病院の院長の立場になってボトルネックの特定と解決策の提案を行ったり、電子部品会社の一担当者になってサプライチェーン・マネジメントを設計したりと、僅か四ヶ月の間に幾つもの専門家や経営者の人生を経験することができました(笑)。また、普段は同質性の中で過ごしているのでどうしても視野が狭くなり一面的に物事を考えがちです。MBA では、与えられた環境下、条件下で当事者の立場になって考えることを徹底する習慣を身につけることが出来たように思います。組織の中での異動や外部との接点は限られているので、仕事を依頼する際や調整する際に相手の立場になって双方のベストな解を探ったり、相手側のプロセスや協力の意義を徹底して考えるようになったのは、MBAでの学びを自身単位でも実践に昇華できた良い一例なのではと思っています。
振り返ってみるとこの半年間はあっという間でしたが、社会人学生かつ課題の量も膨大でハイレベルということでハードな反面、それ以上に楽しく、刺激に溢れていました。リソースが有限かつ自身のスキルや経験が追いつかない状態で、与えられた未知のタスクに対して幾つもの意思決定とアウトプットを毎週こなしていくのは困難を極めますが、これは、経営者やビジネスリーダーの置かれた環境だと同じ状況なのだと思います。MBAという空間で再現された、まさにビジネスパーソンを鍛錬する恰好の「道場」、「知のプラットフォーム」のようです。
(吉川) 仕事と家庭と学業の3刀流、非常にタイトですね。特に授業の準備、レポートの作成においては、大変苦労しています。仕事が張って、土曜の授業を受けるための準備が間に合わず、土曜の早朝にレポートを作成するということもありました。土曜の授業後はケースプロジェクト研究で、日曜は家庭、そして月曜から仕事、働きながら学ぶということは非常に大変です。
ですが、MBAで学んだことを仕事に活かしたいために学びにきた私にとって、授業は大変ですが、とても満足しています。先生から教えていただく知識はもちろん、同じ学び屋として同級生からは多くの刺激を受けています。大変ですが、日々ここまでこれているのは、周りのサポートがあってのことです。今後もそのことをかみしめ、授業を楽しく学んでいきます。ただ、時間に忙殺されるため、学んだことを忘れないためにしっかりと復習も同時並行で進めていきます。
Q3. 入学から4ヶ月を振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?
(小川) 発表会準備で大変だったことは、発表前夜まで方向性が右往左往し、漂流船のようでした。6人の勤務地も大阪府、京都府、滋賀県と2府1県に分かれており、居住地域も大阪府と京都府の2府に分かれていたので、打合の日時と場所の調整に時間を要しました。しかしながら、6人全員が大学では自然科学を学んでいたことが幸いし、データ解析並びにデータをベースとした議論は比較的スムーズに実施することが出来ました。
優勝時の感想は、3月に初めて出会ったメンバーと協力して一つのテーマについてやり遂げることが出来、素直に嬉しかったです。他の11チームからも多くの素晴らしいアイデアが発表されており、本大学院のメンバーの幅の広さとアイデアの斬新さに驚かされました。
7月に福岡へフィールドリサーチに行った夜のバーでの決起集会で全員の思いが固まったと思います。「残り1ヵ月ベストを尽くし、やれるだけのことはやろうと。結果はその時の運であると」の思いで最終週はほぼ毎日打合を実施して、準備しました。
(中村) 我々のチームは全員が技術系の業務経験者で、財務に関連する業務に携わるメンバーがいませんでした。その中で、私は自分自身の勉強のために、財務諸表の分析作業を引き受けることにしました。会社では立場上、自分の課の経費を管理していますが、自社では管理会計用に独自の採算表を使用しているので、貸借対照表や損益計算書等、財務会計については全く知識がありません。自ら引き受けた手前、メンバーには迷惑をかけられません。そこでまず、財務諸表について判り易く解説されている漫画を購入し、基礎的な内容の理解を図りました。更に書籍を借りたり、知り合いの税理士の方に財務諸表の基本的な見方についてレクチャーして頂いたりして、基礎知識の向上に努めた結果、なんとか中間発表までに、与えられた財務諸表から経営上の問題点を把握できるようになりました。
チーム結成当初は、メンバー全員が各々の様子を伺いながら議論を進めるところがあり、方向性もなかなか定まりませんでした。しかし、栗木教授の初めてのチェックにおいて、チーム内での議論の不十分さをご指摘頂いたことで、メンバー全員が意見をぶつけ合いながら議論することの必要性を認識し、それ以後、建設的な議論を心掛けました。
また、意見を集約するために多くの時間を掛けました。メンバーは全員、優秀な方なので、出される意見はどれも貴重なものでした。これらの貴重な意見を擦り合わせて、最終的にチームとしての考えを纏めるために、平日は昼夜を問わず、LINEが飛び交うことも多々ありました。
我々のチームは、メンバーそれぞれが自らの長所を生かして役割を全うしたことが、今回の素晴らしい結果に繋がったのではと思います。この年になって、優勝するという機会はそうそうありません。優勝が決まった時は本当に嬉しく、またメンバーには感謝の気持ちでいっぱいでした。
(水山) 1泊2日で、全員で福岡にフィールドリサーチに行き、福岡の大学、県庁、企業、商店街、商工会、ラジオ局の方々の生の声を聴くことができ、とても良い経験となりました。一点からだけではなく、様々な視点でものごとを考えることが重要だと改めて気づかされました。グループの皆さん、同級生、会社の方などたくさん助けて頂いたので、この場を借りてお礼を言いたいです。ありがとうございました。
(溝手) まず、課題であるFMラジオ局の事業について、何にも知らない状況だったことが辛かったですね。ラジオを聴く習慣もないですし。会社ではそれなりに年季を積んで、それなりに仕事をこなしていたつもりですので、本プロジェクトを進めていく中で何もできない自分に愕然としました、また、事業再生計画を練るには仮想経営者になりきる必要もあるのですが、経営者のように事業全体を俯瞰することも慣れてなくて最初は辛かったです。会社ではそれなりに視座高く仕事をしていたつもりですが、経営者は、最低限、事業内容、財務内容、組織構造、ガバナンスにまで目を向ける必要性があるとのことで、自社の経営陣の大変さが垣間見えた気がします。その他、神戸大学MBA入学までLINEすらしていなかったアナログ人間がデジタル時代を絡ませることと、上手くいった例をあまり聞いたことのない地方創生とを絡ませなさいとのお題はまさに三重苦でした。五里霧中、暗中模索で調査を進める必要がありましたが、毎週の過酷な講義とレポートの合間を縫って、時間を確保するのは本当に大変でした。準備のお話の時にも申しましたが、ずっと方針の決め手に欠け、モヤモヤしながら進めるのはゴールが見えないということですので、精神的に苦痛でした。一方で、チームビルディングには大きな問題はなかったです。神戸大学のMBAに来られているメンバーですので、ゴールに向かう意識が高かったおかげですかね。福岡での飛び込み取材や急な紹介に対する二手に分かれての対応にもチームワークが感じられました。
優勝は嬉しかったです。他のメンバーには怒られるかもしれませんが、最終的に納得できる事業再生計画が出来たら、審査結果はそこそこでも良いかなと当初は思っていました。しかし、優勝を狙うメンバーを見ていくうちに勝ちたいと思うようになり、審査の点数が出たときには嬉しくて手も心も震えていました。本当に良いメンバーに恵まれたと思っています。
(横山) 発表会の準備で大変だったことは、ラジオ局の事業創生と地方創生と、どうにも繋がりそうにもなく、片方だけでも困難な課題の二重苦を解決する打ち手は何かと、発表前日の夜中まで徹底的に悩んで、何度も何度もアイデアや構想を練り直したことです。集大成として最後に何をアウトプットするかはとても大事な作業なので、特に、中間報告日と最終報告日と、皆の意見を反映させながら朝方まで資料やストーリーを取り纏めて頂いた吉川さん、発表直前にようやく一纏まりになった方向性について、限られた時間のなかで重みづけしながらアドリブでプレゼンテーターを務めてくださった小川さんには頭が下がる思いでいっぱいです。
欠かせない準備としてのフィールドリサーチは、仕事も或る中でかなり大変でしたが、フィールドに出てはじめて分かる現場感覚や新たな発見があって、フィールドの声や事実をもとに考察することの重要性を再発見できました。まるで、藁しべ長者のように縁が広がって、会う人会う人のご紹介で、多方面でご活躍の方とのご縁を頂戴できたのはケースプロジェクトの大きな収穫の一つでした。
優勝の感想としてはやはり、四カ月、チームの仲間とともに六人七脚で紆余曲折しながら取り組んだ成果が純粋に評価されたことが何よりも嬉しかったです。出来上がった100枚を超える発表資料は15分間の発表時間ではとても時間が足りないような骨太な内容になりましたが、改めて見てみると一人では一年がかりでも到底作れない内容だと痛感しています。1×6(人)のパフォーマンスを、7にも10にも100にも出来たのはそれぞれの強みを発揮し、自律、協調してくださったメンバーのお陰です。私はチームの中では通称”ジェフ ベゾス”だった?のですが。。冴えないながらも、思い付くいたことを先走って遠くに行ってしまい、色々我儘、無理難題もお願いしてしまいました。それでも皆が納得するまで議論を重ねて研鑽した仲間には感謝の気持ちで一杯です。ちなみに、最終発表の二週間くらい前に、何だか名残惜しい気がしてこのチームで気が済むまで取り組みたいという思いから、『また一緒にやりましょうか⁉︎』ということを帰りの電車で提案して、今でも次のプロジェクトに一緒に取り組んでいます。
また、他のチームの中間・最終の発表からも、発表資料のストーリーが凄く綺麗に纏まっていたり、観客を引き寄せるようなプレゼンテーションだったり、思いつかなかったようなアイデアがあったりと、多くのことを学ばせていただきました。チーム内での協同作業、MBA同期生全体での張り合いと切磋琢磨、両方が揃って実現できた成果だと思っています。
(吉川) 先ほど述べた準備が全て大変でした。それができたのも私達のチーム力であると考えています。みなさん寛容でお互いを尊重し合った素敵なメンバーでした。アジャイル開発集団がチームビルディングを通じて、なんとか発表までこぎつけ、幸運にも「金賞」をいただくことができました。
優勝は素直にうれしかったです。私の会社の上司で尊敬する人が神戸大学のMBAの卒業生で、過去にケースプロジェクトの金賞を受賞されていたので密かに狙っていました。
ですが、優勝は、相対的な評価の中での受賞だと考えています。他のチームもロジカルでアイデアも面白く勉強になることばかりでした。
三品先生の講評にあったように、マスメディアのストック型から、オンデマンド型に進んでいく中でTVやラジオといった衰退産業の中で価値向上を考えることはとても難しいと感じました。
そんな中で、他の事業への挑戦ということはあきらめ、ラジオ事業そのものの戦略を見直し、ラジオ価値を向上させると判断したこと自体は間違っていなかったと思っていますが、教授陣がうなるほどの提案ができなかった理由はなんであろうかと今でも考えています。
結果として、ベースとなる基礎は理解していただけたと思いますが、新たな価値を創出するという応用、つまり「潜在需要を掘り起こすイノベーション」については、今一つだったかもしれません。三品先生にも近いところまできているが、あと一つのインパクトがほしいと言って頂きましたが、よりVoC(顧客の声)調査を実施してコンテンツの具体性を追求し、その効果(KPI)を予測できれば、更に高めた形になったかもしれません。そういう意味では、今回の提案を現実の世界においてPoC(実証実験)をやらせてほしいなと今でも考えています。そこが唯一の心残りです。
フィールドリサーチの重要性を感じながらも、実際にPoC(実証実験)ができない中で、どう価値を創造し、説得していくか。このプロセスを今後も引き続き学んでいく必要性を感じました。
Q4. 今後の抱負をお聞かせ下さい。
(小川) 今年は高槻市を中心とする地震で被災し、豪雨で休講が発生したため、翌週には4日連続で講義を受講するなど、予期せぬことが多くありました。非常に多くのメンバーに助けられ、ここまでやってくることが出来ました。本大学院での人脈を大切にし、学んだことを自分自身だけではなく、会社のメンバーにも伝えていきたいと思います。
(中村) 早いもので、MBA生活も約半年が経過しました。既にテーマプロジェクトやゼミも始まっています。MBA生活が忙しさや大変さの記憶だけで終わらないようにするために、今後の業務や自身のキャリアにどのように活かしていくかを考えながら、取り組んでいきたいと思います。また、卒業後のことも見据えて、同級生とのネットワーク作りにも積極的に取り組んでいきたいと思います。
(水山) 課題に追われ消化不良気味ですが、ひとつずつ咀嚼して、自分のものにしていきたいです。
(溝手) ケースプロジェクトは終わりましたが、テーマプロジェクトは既に始まっています。幸いにも同じメンバーでやることになり、また辛い日々が始まることは承知していますが、共にプロジェクトを進めていくのが楽しみでもあります。また、今月8月から入学の目的だった人財開発・組織開発の科目がついに始まるのでそれも楽しみにしています。そのあとの会計学の科目については不安でいっぱいですが、、、。ゼミにつきましても、希望していた人的資源管理のゼミになったので非常に楽しみです。
最後に、神戸大学MBA入学前には、MBAに本当に意味があるのか自問自答していました。経営に万能な型はないとのドグマを踏まえて、MBAに意味がないとの説も承知しておりますし、MBAを卒業したといってすぐに優秀な経営者になれることも稀でしょう。しかし、MBAでの学びをどう生かすかは自分次第だと思いますので、今は入って良かったと感じています。この学びを職場で生かし、会社と社会に貢献したいと思います。また、MBAに興味があるひとに対しては、出し惜しみなくこの経験を伝えるようにしたいです。
(横山) やはり何よりも、MBAで学んだことを所属先や社会に還元していきたいです。実務に落とし込むには変換、適応、適合していく過程が必要になりますが、自身の持ち場で学びを日々の業務に昇華し、実学に転換させていくのが今後の一つの役割なのだと思っています。
また、折角、”経営学”への門をくぐることができたので、今後もライフワークとして、同期のメンバーと切磋琢磨しながら、経営学を学び続けたいですね。その前に、毎週5~10冊単位で購入し続けてこの数ヶ月で早くも100冊を優に超えた参考文献、関連文献をビーチでゆっくり読み直したいと思います(笑)。あとは、たまには毎朝5時のタイマーをかけずにゆっくり寝てみたいですね。
(吉川) 4か月を振り返ると、反省も多くある一方で、特にバックグラウンドが全く異なるメンバーがゼロら一つの形を作り上げていくプロセス、ダイナミズムを体感できたことは大きな収穫でした。
チームビルディングでやり切ったことには充実感もありますが、一方でスケジュール管理が最後までしつかりとできなかったことは猛省し、先生たちをうならすことができなかった悔しさもあります。今回の金賞は、たまたま相対的に選んでいただいた。チーム力が他よりも少しだけよかっただけでありますので、次回のテーマプロジェクトでは、今回学んだこと、内省すべきことに注意をして、よりよい創出プロセスを歩んでいきたいと考えています。
実は、最終発表前に次のテーマプロジェクトも同じメンバーでやりたいねと話していました。結果、テーマプロジェクトも「チームQ」と同じメンバーで進めることになりました。周りの先輩からは他の人と組むほうが多くの気づきがあって勉強になるよと、メンバーの入れ替えをすすめられましたが、他の人とはそれ以外で交流は深めることができるし、なによりもこのメンバーで再びテーマプロジェクトに望みたい、今回以上に多くの経験を共に積みたい、そう思えたからチームの継続を選択しました。「吉と出るか凶と出るか」、それはチームビルディング次第です。結果は、来年の1月。次回こそは教授陣をうならせる発表にこのチームで挑戦したい。そう考えています。