2011年度ケースプロジェクト 金賞

金賞

メンバー:伊藤孝、木村亮、箸本史朗、前川昌則、都良太郎
(※五十音順、敬称略)

2011年8月6日(土)、神戸大学本館332教室で行われたケースプロジェクト発表会において、激戦の末、見事優勝を勝ち取られたチームにインタビューを行いました。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(伊藤) 芦屋チームはマイルストーン1・2と2回の選定したケースを駄目だしされたので、思いの外、準備時間がかかっています。毎週土曜日の授業後は必ずミーティングをしていました。ケース発表本番に近づくにつれ、ミーティングの頻度は増し、土曜日授業後の他に週1、2回は打ち合わせていました。ミーティング総時間だけでも3時間×20回=60時間は要しました。またお酒が好きな方が多かったため、その時間や個人準備等を合わせると準備は100時間以上と言えます。

(木村) 4月から始まったケースプロジェクトですが、我々がケース「宝島社」で、正式に三品教授からGOとの返事を頂戴したのは、7月9日の中間発表でした。そこからおよそ1か月が、実際の準備期間でした。ただし、当プロジェクトにおいて、強いケースを見つけ出す事こそが最も重要であると考えるならば、4月から8月までの全ての時間が準備期間であったとも言えます。

(箸本) ケース選定の関門は最下位の通過となりました。三品教授から「Go」をいただいたのはマイルストーン3の7月9日でした。他のチームはフィールドワークをスタートしている時期でしたので焦りはありましたが、早い段階で追いつこうという勢いはチームの中にありました。その後、講義後や平日夜のミーティング、フィールドワークなどを集中的に行いました。週に2~3日のミーティングを、毎回、深夜まで行っていました。発表前日は、結果的に徹夜になりました。

(前川) 発表した宝島社については1.5ヶ月程度でしたが、取り組みは4月からの4ヶ月に渡ります。私たちのチームはケース(研究対象企業)の選定に大変苦しんだため、発表した宝島社に決定したのは6月末でした。土曜日はもちろん、平日にも仕事後に夜遅くまでチームで検討を繰り返したことが信頼関係を生み、最後まで走りきる力になってくれました。

(都) 3月26日チームを結成以降、発表日当日早朝まで、まさにギリギリまで喧々諤々やって おりました。早いチームだと4月に決まる中で、我々のテーマ確定は7月頭でした。クラスで最も遅い決定ではありましたが、それまで検討を重ねてきたという”蓄積”のお陰で、決定後は“道に迷うことなく”取材やストーリー立案と、走り続けることができたと思います。

Q2. 入学から4ヶ月を振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?

(伊藤) 授業としては為になるもの、為にならないもの色々とありますが、個人的には、総じて新聞で読んで知識は少しあるけど深くは知らないという内容の授業が多く、知識の広がりを感じています。また今年は皆がフェイスブックで公私に渡るコミュニケーションをはかりながら連携して授業を受けているという感覚が強く、この人がこの授業を受けたらこう考えるんだ、とか「人」というものを様々に感じて勉強ができる環境にMBAの良さを感じています。

(木村) 大変充実したものとなっています。どの授業も濃密であり、クラスメイトとの議論も刺激に満ちたものです。課題や事前準備などで時間に追われることも多く、仕事との両立には苦労が絶えませんが、こうした時間のマネジメントもMBAの一部なのだと、今では理解しています。

(箸本) ハードな授業を覚悟はしていましたが、予想を超えるものでした。金曜を含めすべての科目を履修していたので、課題と復習を満足のいくかたちでこなすのは困難な状況でした。今は、自身の仕事や将来のビジョンに照らし合わせ、自分なりのスタンスで問題意識を持ちながら授業に臨んでいます。トップレベルの教授陣からだけでなく素晴らしい同級生からも多くを学ばせていただきながら、心地よい汗を流しています。

(前川) 毎晩遅くまで課題や予習に追われていますが、熱心な教授陣の講義に大変満足しています。また、様々な業界に属するクラスメイトから日々刺激を受けられることに感謝しています。狭くなっていた視野を広げてくれると同時に、自分自身のバックグラウンドや強みを見つめ直す機会にもなりました。

(都) 入学時は「何とかなるだろ」と思っていましたが、やっぱり大変です。しかしながら、社会人になって、経営・ビジネスに関する体系的な理論の修得、ファイナンス等スキルをインプットする必要性を痛感する機会が多々ありましたので、毎週の授業は 新鮮かつ、楽しく受講させて頂いております。また、この数ヶ月で忘れられない体験や出会い、思い出の場所(某テレビ局・新聞社での 深夜の会議室、武庫の台のモス、夙川のバー)が沢山できたことも感慨深いです。  以前より、視野が拡がったな、と感じざるを得ません。

Q3. 発表会の準備で大変だったことは何ですか?優勝の感想と併せてお答え下さい。

(伊藤) 芦屋チームはマイルストーン1・2と失敗しましたので、チームの集中が切れないようにすることが大切だと考えていました。幸いコミュニケーション下手の私でも受け入れてくれる度量のある方々がメンバーであったため、非常に有り難かったです。また、ケース選定後、取材等に過密スケジュールで対応した箸本氏、木村氏、都氏には足を向けて寝られません。優勝の要因としては団結力を高められたことが大きかったと考えています。でもこれがケースプロジェクトで一番重要です。

(木村) ケース決定から最終発表まで時間が無かったので、限られた時間の中でいかに発表内容を充実させるかという点で苦労しました。しかしながら中間発表でようやくケースが決まった感激から、このまま最後まで突っ走ろうという勢いがチームにはありました。その為リサーチも信じられないほど短時間で効率よく行うことが出来ました(ケースが決まらない苦悩を思えば、この作業は比較的楽しいものでした)。また我々のリサーチには、多くのクラスメイトの協力がありました。これらの協力がなければ、我々のケース発表は不十分なものになっていた筈です。そうした意味でもクラスメイトに感謝する気持ちでいっぱいです。

(箸本) ケース選定に最も苦しみました。選定で最下位でありながらメンバーが入賞を目指すモチベーションを保てたのは様々な要因があると思いますが、最も大きな要因は「ケースの後発選定にチャンス、優位性がある」と考えることができたからだと思います。我々は、他のチームのケースを知ったうえで選定ができました。つまり、「勝つためのケース」を選ぶことができました。「数チームが重なるジャンル、カテゴリーは避けることで相対的に“新奇性”を生み出そう」と考えることができました。また、他のチームの仲間が「敵」でありながら、出遅れた我々に、様々なアドバイス、協力をいただいたこともいい発表に繋がった大きな要因です。

(前川) (1)「Displacement」に合致するケースを見つけ出すこと、(2)宝島社のケースからインプリケーションを導き出すこと、この2点に苦しみました。
 一方で、本来なら苦戦するはずの関係者へのインタビューにおいては、クラスメイトからも関係者をご紹介いただきました。宝島社をはじめとして協力してくださった皆様とMBAの仲間のおかげで金賞をいただくことができました。心より感謝申し上げます。また、チームがどんなに難しい状況に置かれても、前向きに取り組むことができるチームメンバーに感謝の念でいっぱいです。

(都) 大変だったことは「テーマ選定に至る過程」。4月末の「マイルストーン1」、6月中旬の「マイルストーン2」の両方で、提出したケースが不可となり、他チームに「大丈夫?」と心配されるほど、“混迷”しておりました。しかし、そのお陰?で、テーマである「Displacement(いつの間にか、思わぬ方向から、トンビが油揚げをかっさらうように、王者を王座から引き摺り下ろす)」について徹底的に議論できたと思います。まさに、我々芦屋チームが、“思わぬ方向から、トンビとして油揚げをかっさらう”という、テーマを体現する形になってしまった感も拭えません。さておき、優勝できた最大の理由は、チーム各員が持前の力を発揮したことに加え、クラス同期や先生、取材先の出版会社、広告会社、小売業界の方々から頂戴したサポートのお陰です。この場を借りて、改めまして御礼申し上げます。ありがとうございました。

Q4. 今後の抱負をお聞かせ下さい。

(伊藤) ケースプロジェクトの優勝の次は、やはりテーマプロジェクトでも優勝を目指すべきだと考えています。全身全霊取り組んでいきたいと考えています。また通常の授業も得るところ大きく、MBAに通うことの満足度も日々高まっています。ただ、仕事との両立は思った以上に大変です。残業前提で仕事を進めている職場に努めるMBA生は本当にパフォーマンスを維持するのに苦労していると思います。私も負けないよう時間とストレスを上手くコントロールし、更なる成長を目指します。

(木村) 神戸大学MBAで学んだことを、いかに実社会にフィードバックしていくのか、重圧を感じる部分もありますが、まずは自分自身が所属する組織を通じて、MBAで得た経験や知識を役立てたいと思います。そして少しでも関西の経済、日本の経済に貢献できる自分でありたいと、MBAでの学習を通じて感じています。

(箸本) 今回のグループワークでは、個人では辿り着けない課題や結論が、それぞれの強みを活かせれば様々なかたちで導きだせるということを学びました。今後も、業務での実践を念頭に置き、学業と業務をしっかりと両立させながら、仲間とともに乗り越えていきたいと思います。

(前川) 学んだことを周囲に還元できるよう、1つでも多くのことを学びたいと思います。

(都) 体力には自信がありましたが、上には上がいるものだ、と神戸大に来て自分が“大海”を知らなかったことを改めて痛感しました。(三足の草鞋を履行する方や、睡眠という生理現象を忘れているかのような、信じられないパフォーマンスを発揮している同期もおりますので・・・)今後も、初心を忘れず、MBAを通じて得られる色々な機会を通じて、自身の「幅」を広げていくことに努めて参りたいと思います。そして、世の中に少しでも貢献できるように、本校で得たことを活かしていきたいと思います。

 

優勝チームの皆様、ご協力ありがとうございました。そして、おめでとうございました!