2022年度ケースプロジェクト発表会 金賞チームインタビュー

金賞チーム 「京滋」

メンバー:臼井達男, 桐島寿彦, 炭昌樹, 名手智, 秦真人, 森地高大
(※五十音順、敬称略)

2022年7月30日(土)にケースプロジェクト発表会が開催されました。激戦の末、見事金賞に輝いたチーム「京滋」の皆さんにインタビューを行いました。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(臼井) チームが結成されたのは3月末の入学説明会の日でした。そこから4か月間、各自がリサーチ・検討したものを、平日のオンラインミーティングと土曜の講義後の打合せで議論するというスタイルで進めました。特に慣れていない4月~5月は普段の講義準備やレポートに追われ、また仕事や私生活との時間配分がうまくできずにチームメンバーに頼ってしまうこともありました。しかし、その中でも財務面など自身の得意分野で貢献できるように努めました。発表2週間前にM2の方から厳しいダメ出しを受けましたが、そこから諦めずに毎日議論を重ね、資料が完成したのは発表会当日の夜中でした。大変な思いをした分、発表会後にチームメンバーと飲んだお酒は今まででトップクラスの美味しさでした。

(桐島) チーム京滋は、京都、滋賀に在住の製造業、医療関係、建設関係の6人から構成されていました。昨年とは異なり、対面授業に戻ったため、土曜日は授業終了後に教室で、それ以外に週2回Teamsで議論しました。リアルの飲み会には参加出来ませんでしたがオンライン飲み会等を通じて、早い段階からメンバーの考え方や価値観の共有ができたことが良かったと思います。

(炭) チーム結成当日からグループLINEにより連絡を取り合いました。平日の夜はオンラインミーティングにて、土曜日の授業終了後は教室で議論しました。私は大学で顔を合わせられる機会が好きでした。チームメンバーの皆さんが目標とする発表のイメージを持っていて、それを実現するために早い段階からペース配分していった感じです。時間管理に苦労しましたが、オンラインミーティングに興味津々だったわが家の子供たち、協力してくれた家族に感謝しています。

(名手) 準備には、発表前日?当日?の深夜までかかっていました。
毎週1回~2回の終業後に1時間程度WEBで打ち合わせを行い、土曜日の授業後に1時間程度Face to Faceで議論しました。コロナが若干収まっていたのもあり、Face to Faceで行えたのがチームビルディングの上で良かったと思います。また、フィールドリサーチのために、眼鏡フレームの本場である福井県鯖江に行って、インタビューも行いました。務めている企業での業務、他の授業やレポートと並行して実施していたのでハードではありますが、有意義な時間でした。

(秦) 3月のオリエンテーションで課題とチーム編成が発表され、最初の授業でのレクチャーの後、早速ディスカッションに入りました。当チームは1回の時間は短時間にして、比較的高頻度で打合せをする方針を選択しました。短いスパンで話し合いを進めることで、ケースのことを考え続けることができ、また一つのアイデアに固執しすぎることなく全員の意見を上手く擦り合わせることができたと感じています。振り返ってみると合計で50回以上打合せをしており、Teamsでも日々思い付きをやり取りし合っていましたが、終わってみればあっという間の4ヶ月でした。

(森地) 火曜日・木曜日の週2回21時から平均1時間のオンライン会議と土曜日6限の対面打ち合わせを実施しており、打ち合わせに向けて情報収集や仮説作りに週平均2時間程度をかけていたので、4カ月間でざっと100時間程度準備にかけた計算になります。それ以外にもめがねの世界的産地である福井県鯖江でのフィールドワークや中間報告会・最終報告会の1週間前にチームメンバー全員で深夜まで資料の方向性を議論し修正していました。
1週間に3回議論の場があり、そこで検討の方向性を微調整しつつ進められたので、各メンバーの工数が無駄になることを最小限にできたのが良かったと感じています。

Q2.入学から4ヶ月を振り返って、日々のMBAの授業はいかがですか?

(臼井) 私は経理・管理会計に関連する業務に従事しており、社内の課題解決を目的として入学しました。しかし、講義が始まり、マーケティングや技術経営、ビジネスエコノミクスなど今まで関心の薄かった分野についての知識が深まると、少しずつですが、会計にとどまらずビジネス全体の視野に立って考えられるようになってきました。そして、そのことが自身の専門分野のより深い理解にも役立っていると感じています。また、日々の講義の発言やディスカッションから、同期生たちの知識量や思考の深さに圧倒され、自分もそうありたいと刺激を受けています。

(桐島) 経営学の著名な先生から直接講義を聞けることができて大変勉強になります。また、クラスで行われるケース討議では異業種の学生とディスカッションをすることで、毎回新しい気づきが得られ充実しています。日常の業務を続けながら、毎回のレポートをこなすことは大変ですが、その分授業の理解が深まっているように思います。MBAで学んだことを日常の業務にも取り入れていきたいと思います。

(炭) 私は薬剤師として病院に勤務しており、入学までに経営学についての予備知識はほとんどありませんでした。授業の内容のすべてが新鮮です。日頃の自分の仕事を新しい視点で見つめ直しています。これは楽しく有意義な作業です。授業中のグループ討議では、周りの方々が論理的でお話上手で圧倒されてしまいますが、自分がうまく話せなくても嫌な顔をされることもなく、忙しい中でも現在の環境やクラス内の多様性を楽しもうというクラスの雰囲気を感じています。先生方からはもちろんのこと、学生同士による学びも本当に大きいです。

(名手) 常に新しい発見があり、充実した毎日です。授業中はグループ討議を行い、自身の考えを多角的な視点で検証できるため、自身の内省に役立ちます。MBAには専門分野が異なる生徒が集まっているので、働いている企業の属性も文化も異なる他の生徒から学ぶことは多く、新しい気づきがありました。また、自身の考察や行動の癖を他の生徒と比較することで、深い理解を促すことができ、良い学びとなっています。

(秦) 私は前大学では建築を専攻しており、その時に感じた学びを積み上げていく楽しさをこのMBAでも改めて感じています。当時は単純に建築を勉強することが楽しくて仕方がないという感じでしたが、今は実務の上での問題意識を持ってMBAに来ていますので、当時とはまた違った緊張感のある楽しい時間を過ごせています。一方で、クラスメイトの皆さんの専門性の高さや洞察の深さ、自分にはない視点の鋭さなど驚かされることが多く、勉強不足への自覚から一日の時間がもう少し欲しいなと日々感じています。

(森地) どの授業も新たな気づきがあり、新鮮さを感じながら授業を受けています。授業ではグループ討議があるのですが、異なる視点からの論理展開や参加学生の立ち回りの上手さなど毎回発見があります。また、これまで自分が仕事する中で染み付いた考えが他の企業文化の文脈において非常識・異質であることに気づかされることもあり、今後のキャリアを考える材料になっています。
日々レポート課題に追われ自転車操業のような状態が続いていますが、あっという間に4カ月終わっていたという印象です。残り1年いろんなことを吸収していければと考えています。

Q3.プロジェクトの練り上げに向けて苦労された点は何ですか?優勝の感想と 併せてお答え下さい。

(臼井) 決まった正解があるわけではないので、最後の最後までこれで大丈夫とは言い切れなかったところです。顧客や競合の観点からはベストの選択肢に思えても、組織能力の面からみると不可能ではないか等、見落としがあれば全く答えが変わってしまうので、全体を通してベストな戦略なのか、皆で何度も立ち戻って検討を尽くしました。金賞を獲得し、審査員の先生方からも評価いただけたことはもちろん嬉しいですが、何よりケースプロジェクトに取り組む過程で多くのことを学び自身が成長できたこと、互いに刺激しあえるメンバーと強い絆を築けたことに喜びを感じており、今後の大きな財産になると思っています。

(桐島) 今回のケースプロジェクトのテーマは「眼鏡小売業界再編前において、三城HDがどのタイミングで、どのようなアクションを取るべきだったか」でした。書籍、過去の新聞記事や有価証券報告書などの二次情報を収集して、三城HDが当時置かれていた状況を推測し検討しました。検討対象の眼鏡チェーン店への取材は禁止されていたため、直接の裏付けが取れなかったところが難しかった点です。鯖江の眼鏡製造業や視能訓練士などへの取材で補完しました。発表会の直前には、貸し会議室に集まり打ち合わせをしました。金賞が取れたのは最後まで妥協せずに議論し尽くしたことだと思います。

(炭) 眼鏡業界の方々が刻んでこられた歴史に想いを馳せる時間でした。眼鏡業界に馴染みはなく初歩から情報収集をして、仮説を作っては壊す作業の繰り返しでしたが、チーム内の議論や業界の方へのインタビュー、授業での学びなどから、当時の業界の状況が徐々に細部まで具体化されて感じられてきました。インタビューのため福井県まで日帰り旅をしたことは、修学旅行のようで良い思い出です。
プロジェクトの内容に限らず、チームメンバーには入学以来たくさん助けていただきました。メンバーみんなが師匠です。私のMBA入学の目的は、経営学の学びのみではなく、仕事上の課題を解決することです。チームビルディングから情報収集の仕方、プレゼン用スライドの作り方、そして目標達成への熱意、たくさんの素晴らしい学びがありました。これらの経験を胸に、また次のプロジェクトに一から挑戦です。

(名手) 苦労した点は、三城HDの強みと弱みを理解した上で、既存の経営資源を活用して、顧客が本当に欲しい眼鏡を作る戦略を立てることです。眼鏡の本来の価値はなにかを問い直し、眼鏡製造メーカーや販売小売メーカーにインタビューを行い、自チームなりの結論を導きました。私は商品開発と企画がメインですが、小売ビジネス等は初めてだったので、新しい学びがありました。自チームの仮説が、インタビューで得られた情報により、裏付けできた時はうれしかったのを覚えています。
優勝は、率直にうれしいです。チームのメンバーと良く議論し、学び合えたと思います。あと、残り1年間、様々な生徒と切磋琢磨し、成長していきます。

(秦) 指導教官から課題として与えられた「That’s interesting!」を導き出すことに非常に苦心しました。デザインの世界でも、生まれかけた仮説やアイデアを何度も叩き壊しながら、より良いものに昇華させていく生みの苦しみが必ずあります。このケースプロジェクトでは、チームでその苦しみと向き合うことができたので、実務で感じるこの世の終わりのような苦しみに陥ることもなく、皆さんの頼もしさに支えられながらその悩ましくも幸せな時間を堪能することができました。今回は指導教官から「That’s interesting!」を引き出すことはできませんでしたが、チームとしての答えを追求する深い学びの過程に皆さんと没頭できたことが、大変有意義な時間であったとしみじみ思います。

(森地) ケースプロジェクトの終盤で苦労した点は、問1から問3を論理的かつシームレスにつなぎ、聞き手にThat’s interesting!と言わしめる発表内容にまとめ上げることでした。
デスクトップサーチで得た情報やフィールドワークのインタビュー結果を元に各問いをどう論理的に答えるかはチーム内で議論できていたものの、問1から問3までストーリーとしてつながっているかの議論は後回しになっていました。各問いの詳細部分がある程度煮詰まらないと全体のつながりを考えようがない反面、1週間前にレビュアーに「背骨がなくて何を言っているか分からない」と言われてから突貫工事で全体のつながりを議論し発表資料に反映するのは体力的にかなりしんどかったです。
優勝は素直に嬉しいです。担当教員から「発表内容によって審査員は容赦なく1点や2点をつけます」という事前アナウンスがあった中で、どの審査員からも5点近く評価をいただいたことがとても印象的でした。