2019年度現代経営学演習担当者のご紹介

2019年度専門職大学院現代経営学演習担当者が決定しました。各担当教員から、現在関心のある研究、MBA生に期待すること、現代経営学演習の進め方について紹介致します。

伊藤宗彦 教授

(1) 現在関心のある研究
製品開発、技術開発、サプライチェーンなどについて、様々な産業のイノベーションについての研究を行っています。近年、製造業におけるサービス化(サービタイゼーション)、ソリューションビジネスについての研究も進めています。現在、関心のあるテーマとして、ビッグデータの活用、IOT、Industrie4.0など、今後、日本企業が取り組むべきビジネス領域について、企業の競争力という観点より研究を進めています。

(2) MBA生に期待すること
神戸大学のMBAを目指される方は、豊富なビジネス経験を有しています。自身のキャリアの中で、ビジネスについて、アカデミズムという面から取り組む機会は、得難い経験となることでしょう。MBAでは、2つの点から研究に取り組まれると良いでしょう。まず、経営学の知識を増やすだけではなく、マネジメントの本質を理解し、その能力を高める意識を持つことです。そのためには、講義で求められるレポートやプロジェクト研究、論文には全力で取り組むことが必要です。次に、MBAで広げた同期や教授、OBとの人脈は、得難い財産です。大いに、交流を深めて行かれると良いでしょう。以上の2点は、MBAを目指す方ならば、異論はないと思いますが、あらゆる機会で大いに発言し、ディスカッションを深めることが最も大切なことだと思います。ぜひ、自分に挑戦する、そして自分が一皮むけるチャレンジをしてください。

(3) 現代経営学演習の進め方
ビジネス経験を有するMBA生のゼミですので、テーマ決定や研究の進め方には、自主性を尊重します。自身の経験、思い、将来の姿を論文にすることを目指します。ゼミメンバーの問題は、全てのメンバーと共有し、熱いディスカッションを行うよう、ゼミを進めていきます。欠点のないまとまった論文よりも、尖ったオリジナリティにあふれた論文が書けるよう、お互いが切磋琢磨する機会となるようゼミを進めていきます。そのための基本となる、論文の書き方、様々な方法論について、できる限り、ゼミ生のテーマの進捗に合わせ、実践的に伝えていくような工夫をいたします。

黄磷 教授

(1) 現在関心のある研究
1)グローバル・マーケティング、とくにグローバル市場における日本企業の競争力の変移、2)新興国市場における企業の競争戦略とマーケティング、3)サプライチェーンとバリュー・ネットワークのマネジメント、4)インバウンド市場や地方創生における市場創造とマネジメント、5)情報通信技術の革新や、ネットとリアルの統合がもたらす消費と流通チャネルの変化などのテーマについて、理論的研究と実証分析に取り組んでいます。

(2) MBA生に期待すること
各人が日々の業務のなかで抱えている問題意識を深く考えること、経営の中核人材としてのビジネスシステムに関する構想力、新しいパラダイムとグローバルの視野から市場と自社を見つめ直す思考力と分析力を身に付けて本質的な課題と実践へ絶えずチャレンジするという姿勢を持ち続けることを期待しています。
この演習を受講することで、グローバル競争、マーケティングと国際経営に関する幅広い知識を身につけ、経営という現象と企業の直面している課題を深く理解し、問題解決の能力を高めたい学生を希望しています。

(3) 現代経営学演習の進め方
マーケティング、経営戦略、国際ビジネスやグローバル競争を理解するための考え方と知識を体系的に学習しながら、実践指向的かつ双方向的に進めていきます。
ゼミ生の問題意識を明確にし、それぞれの関心に合わせて過去の研究蓄積を紹介します。また、統計分析の実習とケーススタディの方法に関する指導を行いながら、実証研究の仕方と論文の書き方を習得できるように指導します。
さらに、各人の関心に合わせて、実践的なテーマにフォーカスを絞った専門職学位論文の研究について個別指導を進めていきます。

國部克彦 教授

(1) 現在関心のある研究
目に見えないものを具体化する技術としての会計を通じて、経営や倫理さらには公共性の問題を研究しています。具体的には下記のトピックに取り組んでいます。

  • 無限責任の会計学の構築
  • ロールズ正義論の会計への応用
  • 創発型CSRの実践的研究
  • マテリアルフローコスト会計の開発・普及
  • SDGsと会計の役割

(2) MBA生に期待すること
神戸大学MBAプログラムに入学されたならば、経営の最先端の領域で活躍できる実力を身に着けてほしいと思います。

(3) 現代経営学演習の進め方
1年次後期から演習(ゼミ)が始まりますが、最初は文献研究を中心にして、研究の幅を広げることを中心にします。古典から最先端の理論まで見通せる力をつけるように指導します。1年次の1月以降は修士論文執筆のためのプログラムを開始します。具体的な問題を設定して、解答を出すプロセスを学び、意義のある論文が書けるように指導します。

鈴木竜太 教授

(1) 現在関心のある研究
基本的には組織の中の人間行動や集団行動の研究をしています。具体的には下記のようなことを人間行動やリーダーシップ、キャリアといった観点から研究しています。

  • 組織における失敗の研究
  • 非倫理的行動とリーダーシップの研究
  • 最終結果へのこだわりがもたらす帰結の研究
  • 経営における幸福の研究
  • 職場のマネジメントに関する研究
  • 漫画から見る日本のサラリーマン社会の研究

(2) MBA生に期待すること
受け身、自分の必要なものだけ得る、という姿勢ではなく、能動的にそして知識やアイデアを皆でシェアするという姿勢で学んでほしいと思います。MBAは答えを教えてくれる場所ではありません。答えを見つけるあるいは考えるために必要な力をつけるところです。 自分や仲間の問題意識に粘り強く取り組むことを期待します。

(3) 現代経営学演習の進め方
論文は各個人が書いていくものではありますが、皆でアイデアや議論をしながらそれぞれの論文が価値ある論文になるように、ゼミでは他者の論文に関心をもって進めていきたいと思っています。おおよそ下記のようなスケジュールで考えています。
M1)主に問題意識から研究計画を立てることに時間を費やします。人材マネジメントに関わる諸研究や方法論を学びながら、問題意識の裏側にある本質的な問題は何かをゼミで考えていき、各メンバーが問うべき問いを見つけられるように議論をしていきます。
M2)研究計画を基に調査を行い、論文を執筆していきます。ここでは論文の完成もそうですが、より高い目線でよりインパクトのある結論へと向かうように議論をしていきます。

三品和広 教授

(1) 現在関心のある研究

  • 実戦的経営戦略論の体系化
  • 企業成長
  • 経営者論
  • ガバナンス
  • 日本産業史

(2) MBA生に期待すること

  • 経営参画
  • 雇用創出
  • 高額納税
  • 世界一級の企業育成
  • 神大MBAの名声高揚

(3) 現代経営学演習の進め方
M1の間は経営戦略の実戦に関する講義
M2に入ったら個別の修論指導