2018年度現代経営学演習担当者のご紹介

2018年度専門職大学院現代経営学演習担当者が決定しました。各担当教員から、現在関心のある研究、MBA生に期待すること、現代経営学演習の進め方について紹介致します。

髙嶋克義 教授
  1. 現在関心のある研究
    BtoBマーケティング、営業改革、チャネル戦略、小売企業戦略などをメインとしてマーケティングと流通に関する研究を幅広く研究していますが、最近は、とくに企業における情報技術の導入による影響やその経営課題についての研究に取り組んでいます。
  2. MBA生に期待すること
    現代経営学演習では、専門職学位論文の作成指導を行います。ただし、論文を書くことが最終目標ではなく、論文を書きながら、各自が持っている問題意識を深掘りして、その問題を解決すること、そして、それを通じて問題の捉え方、考え方を習得することの2つが目標となります。また、各自の問題だけでなく、ゼミでの他人の報告やその議論を通じて、異なる領域の問題とも関連付けて、問題を一般化して解決する能力を身に付けてもらたいと思っています。
  3. 現代経営学演習の進め方
    この演習では、論文作成を指導しながら、(1)個人の問題意識を深掘りすること、(2)問題の捉え方、仮説の立て方を学ぶこと、(3)質問票調査や事例分析などの方法について学ぶこと、という3つの課題に取り組んでいきます。
平野光俊 教授
  1. 現在関心のある研究
    1)日本型雇用システムの変遷、2)正社員と非正社員の処遇の均衡を図る雇用ポートフォリオ、3)キャリア自律とジョブ・クラフティング、4)ワーク・ライフ・バランスのクロスオーバ効果、以上4つのテーマで実証研究に取り組んでいます。
  2. MBA生に期待すること
    社会人が大学院で学ぶことの意義は、日常知と理論知という2つの知に架け橋をかけながら、自身の見識を磨いていくことにあります。学術における研究能力と実務における職務遂行能力は深いところで繋がります。良い理論ほど実践的なものはない、同時に良い実践ほど理論的なものはないということです。したがって実務家であるMBA生の日常知あるいは持論、もっと平たく言えば「理屈ばかりでやれるもんじゃない」という実務家の矜持に支えられる「その理屈」を、アカデミックな理論と方法を用いて修士論文に結実させてください。
  3. 現代経営学演習の進め方
    1. ゼミのモットーは「知的体育会系」です。体育会系の根性と気力をもって地頭を鍛えるあつい議論を繰り広げます。
    2. 経営学の研究方法にはインタビューなどの質的調査とアンケートなどの定量的調査がありますが、自身の研究テーマやリサーチサイトの事情に即して適切な方法を選択します。定量的方法は社会人にとってなじみが薄いのですが、そのプロセスを通して論理的思考を学べるので推奨しています。オリジナルデータの収集し分析を施し、論理的に考察します。
    3. 修士論文は、所属組織のトップがぜひ実行してみたいと飛びついてくるような、創造的で説得力のある建議書を目指します。
藤原賢哉 教授
  1. 現在関心のある研究
    フィンテック(金融×IT)が金融経済システムに及ぼす影響
    金融システム・技術革新の歴史とその意義
    金融機能のアンバンドリング化に関する議論
    金融仲介機関の役割の理論と実際
  2. MBA生に期待すること
    自分が持っている問題意識について、他者にわかりやすく説明できること。
    抱えている問題に対して、深くかつ幅広い視点から理解しようとすること。
    柔軟性とフットワークの良さ。
    ゼミ構成者に対する誠実な対応・姿勢・明るい雰囲気。
  3. 現代経営学演習の進め方
    自分が取り組みたい研究テーマについて、先行研究の整理、分析の方法、予想される結果等について各自発表してもらう。この作業を進めていく中で、自分が取り上げたいテーマの本質は何か、目標・特徴は何か、また、それを成し遂げるためには、どんな論点や分析アプローチ・方法(定性・定量)が適切かということについて、教員や他の協力メンバー共に演習を進めていく。論文等のドラフトは、締め切り間際ではなく、スケジュール感をもって早い段階から着手するようにすること。
松尾博文 教授
  1. 現在関心のある研究
    学術的研究分野は、オペレーションズ・マネジメント、サプライチェーン・マネジメントです。日本の製造業・流通業のとるべき戦略とその実践について、研究しています。
  2. MBA生に期待すること
    自分の所属する会社、或は、事業部の本質的な問題は何か、抜本的な解決策は何か、大学という環境の中で自由に考え抜いてください。
  3. 現代経営学演習の進め方
    各自の会社の中での問題意識をインパクトの高い、具体的で絞り込んだ経営問題として定式化していただきます。演習のグループが15名としますと、15の経営問題を共有して、その解決策の導出を目指します。
三品和広 教授
  1. 現在関心のある研究
    2015年に出した『経営戦略の実戦18日の』の残る第2巻と第3巻を完成させるべく、大量ケーススタディと日々向き合っています。
  2. MBA生に期待すること
    経営陣に読んでもらえる修士論文を書いてほしいと願っています。
  3. 現代経営学演習の進め方
    修論のテーマを決める前に、基本事項についてレクチャーシリーズを行います。
    レクチャー1:経営陣に訴えるもの、訴えないもの
    レクチャー2:問題発見とは、問題解決とは
    レクチャー3:説得とは、詭弁とは
    次のフェーズでは書くに値するテーマの選定に従事します。ここでは私が関所として立ちはだかって、無事に通過した人から次のフェーズに移ってもらいます。(このフェーズ2は個人戦になります)
    フェーズ3では、テーマの共通性に基づいてスモールグループをアセンブルし、グループ内で論旨の構成を練り込みます。ここでも私が関所として立ちはだかって、無事に通過した人から次のフェーズに移ってもらいます。
    最後のフェーズ4は論文の執筆で、スモールグループ内で支え合いながら、論文を仕上げていきます。