2015年度入学生の研究状況(担当: 内田 浩史)

「現代経営学演習」

担当: 内田浩史

目的、テーマ

内田ゼミでは、ゼミ生の皆さんがビジネスの現場で感じている問題意識に関して研究テーマを定め、research questionを設定し、それに対してevidenceに基づいて答えを出すことで、問題の解決につながる示唆を得ることができるような修士論文の執筆を指導しています。このために、既存研究を批判的に検討し、理論仮説を設定してデータを収集・分析したうえで、得られた結果に基づき実務的インプリケーションを導きます。どこかで聞いたことのあるようなありきたりの結論ではなく、自分で得た独自のevidenceに基づき、実務に示唆を与えるオリジナルの結論が得られるような修士論文を執筆します。

内田ゼミでは主に2つのタイプの修士論文に関する指導を行っています。(違うタイプの修士論文を執筆しておられる方もおられます)

  1. 広くファイナンス分野(銀行・金融機関、企業金融他)を研究領域とする論文
  2. 経済学のアプローチを用いた論文(分析手法として定量的分析(計量経済学)を用いた研究and/or理論的根拠としてミクロ経済学・ゲーム理論・契約理論を用いた研究)

ファイナンス分野の研究はほとんど経済学のアプローチを用いて研究が行われますから、1. は2. に含まれます。

ゼミの雰囲気

皆さん仕事でお忙しい中、少ないプライベートの時間を削りながら(お子さんが小さい・生まれたばかりの方もおられます)、ゼミ生の皆さんは鋭意修士論文に取り組んでおられます。MBA(社会科学)の論文執筆に慣れておられない皆さんは、現場で抱えておられる大きな、しかしぼんやりした問題意識を具体的な分析に落とし込む作業に苦労しておられますが、ゼミ生同士でコメント・アドバイスし合い、データの分析や収集なども協力し合っておられます。次第に余裕がなくなり機会も減ってきましたが、飲み会も数回開き、くだらない話もしながら懇親を深めています。

現在までの進捗状況

ゼミでは指導教官の指導はもちろん、若手研究者やティーチングアシスタントを務める大学院生によるサポートを受けながら、共に学び合うことを目指してMBA論文執筆作業を進めてきました。本格的な論文執筆作業が始まる前のM1のゼミでは、過去のMBA生をたくさんお招きしてご自身のMBA論文の内容や執筆の苦労話を伺ったり、他大学の先生によるレクチャーを交えたりしながら、MBA論文執筆のイメージを固め、後に用いる統計的な分析手法の修得と研究計画の具体化を進めてきました。そうした中で、精度に多少の差はあるものの、理論(テーマをどのような切り口から分析するか)、データ、分析手法を明確にし、具体的な作業に入りました。現時点(7月始め時点)では、進度の早い方は主要な分析結果を既に得て、実務に役立つインプリケーションを検討する段階に移っておられますし、進度の遅い方も鋭意分析作業を進めておられます。