2024年度入学生の研究状況(担当: 坂井 貴行)
「現代経営学演習」
担当: 坂井 貴行
目的、テーマ
本ゼミでは、アントレプレナーシップ、アカデミック・アントレプレナーシップ、イノベーション、テクノロジー・コマーシャライゼーションを主要テーマとしています。イノベーション創出に向けた現状の分析と課題解決に向けた示唆を導き出し、その成果を実務に還元することを目的としています。13名のゼミ生は、オープンイノベーション、スタートアップ、カーブアウト、ビジネスモデルといったアントレプレナーシップやイノベーション領域に加え、ワークエンゲージメントやモチベーションといった人的・組織的マネジメントに関する研究にも取り組んでいます。
ゼミの雰囲気
ゼミでは、共通課題と個別課題を並行して進めています。共通課題では、ゼミ生の関心に即したテーマを設定し、第一線で活躍されているゲスト講師を迎えて、イノベーション創出に向けた現状と課題について活発な議論を交わしています。一方、個別課題では、各ゼミ生が研究の進捗を発表し、その内容に基づき、他のゼミ生とのディスカッションや指導教員(私および久保雄一郎先生)によるフィードバックを通じて、研究の質的向上を図っています。また、「壁打ちセッション」として、ゼミ生と教員が一対一で意見を交わす時間も設けています。こうした取り組みを通じて、ゼミ生同士の相互支援や建設的なフィードバックが自然に生まれ、協働意識の高いポジティブな雰囲気が形成されています。さらに、ゲスト講師を交えた懇親会などの交流を重ねることで、人間関係の深化も促進されています。
現在までの進捗状況
ゼミは、M1後期から始まります。共通課題においては、これまでに第2回「オープンイノベーション」、第3回「大企業におけるイノベーション」、第4回「中小企業におけるイノベーション」のテーマでゲスト講師を迎え、実態分析と課題に関する議論を行ってきました。個別課題については、M1後期の到達目標を「リサーチ・デザインの確立」と定め、第1回・第2回ゼミにおいては①論文で何を明らかにしたいのか、②なぜそれに関心があるのか、③先行研究が十分に明らかにできていない点は何か、に焦点をあて、論文の基本的な問いに関する議論を深めました。第3回・第4回では、①どのようなデータを用いて研究を進めるのか、②どのような分析手法で研究テーマに取り組むか、について報告し、リサーチ・デザインの設計を行いました。
M2前期では、それぞれが設計したリサーチ・デザインをもとに進捗報告を行い、ゼミ内でのディスカッションや指導教員からのフィードバックを得て、論文をブラッシュアップする形で進めています。今後は、分析結果を取りまとめ、最終的な論文の完成に向けて取り組んでいく予定です。