2018年度入学生の研究状況(担当:髙嶋 克義)

「現代経営学演習」

担当:髙嶋 克義

目的、テーマ

このゼミでは、おもにマーケティングや企業戦略に関連する多様なテーマについて幅広く研究し、各自の研究テーマについての専門職学位論文をまとめることを進めています。ただし、この論文作成については、2つのことがポイントとなります。

1つは、取り組む研究課題は、ゼミ生が企業において直面している問題に根付くものであり、その問題を解決することが、企業での実践において重要な意味をもつような課題であるということです。したがって、企業現場での問題意識を捉えて、そこから目をそらさずに研究をすることが求められます。

そして、もう1つは、既存の分析枠組みを使って問題を解釈したり説明したりするのではなく、問題の意味を深く考え、その背後にある問題の構造を捉えることが重要となります。経営学やマーケティングを学ぶと定番の分析枠組みを使って、もっともらしく問題の解説ができるようになります。しかし、それでは問題を解決できません。また、既存の枠組みですぐに解ける問題なら、問題の入り口で答えを見つけているのと同じことになってしまいます。おそらく、そのような検討は、すでにその企業内でも誰かが何度となく試みているはずです。

つまり、ゼミでの問題解決とは、問題そのものを捉え直すことから始まります。そうすることで、学生が抱える個々の問題を共有して議論し、ゼミにおいて互いに学びあうことが可能となります。また、この問題解決を通じて、問題を発見して、深いところで解決する高次の問題解決能力を身に付けることができます。

ゼミの雰囲気

この時期は、論文の提出期限を意識し、研究における大きなプレッシャーを自覚する時期であり、問題から目をそらし、手近な答えに満足してしまうことへの「誘惑」に駆られる時期でもありますので、ゼミの指導としては研究の進捗を管理することを第一にしながらも、問題意識を再確認しながら「深掘り」の作業を進めています。

現在までの進捗状況

研究方法には、インタビューなどに基づく定性的研究と質問紙調査データなどを用いた定量的研究がありますが、ゼミ生はそれぞれの研究テーマに対応した適切な方法を選択します。現在は、研究課題を明確にする段階が完了して、論文作成のための作業が本格化した段階へと移行しています。

インタビュー調査に基づいて事例研究を行う学生は、調査を進めながら、その結果をまとめ、仮説の抽出作業を行っています。質問票調査データを用いる学生は、質問紙の設計・配布・回収に取りかかり、自らが構築した分析モデルや仮説を検証する作業に入っています。