久保貴裕 さん
シャープ株式会社勤務 2006年度入学生 黄ゼミ
神戸大学MBAとの出会い
そもそも私が神戸大学のMBAを知ったのは、今を遡ること4年、大学時代の友人が神戸大学でMBAを取得したという話を聞いた時です。その時はMBAでどんなことを勉強するのか、神戸大学MBAはどんな雰囲気で何が学べるのかを全く知りませんでした。ですがそれを機にMBAというものにほのかな関心が芽生え、事あるごとに神戸大学MBAのHPで在学生・卒業生の声や先生方の活動内容を拝見し、知識を深めていきました。ですがHPだけでは情報が限定的であり、なかなか実感が沸かない頃、MBAの授業が一般公開されることを知り、初めてMBAの授業(金井教授の組織行動応用研究)を体験しました。授業の雰囲気はとても活き活きとしており、先生の豊かな見識と社会人学生の活発なディスカッションを見て「これがMBAの授業か!」と感動したことを覚えています。その後、社内研修で小川教授の講演会に触れる機会にも恵まれ、神戸大学MBAの先生方を知るにつれて是非ここでビジネスに関する勉強をしてみたいという思いが強くなっていきました。
(この段階の方は、まず使える手段は全て使って情報収集を行なう事をお勧めします!)
興味本位から受験決意へ
MBAの情報を入手する一方、日々の仕事では漠然と「このままでいいのだろうか?」という思いが絶えずありました。上手く説明はできませんが、要は会社に在籍して年月を重ね、様々な体験を積みビジネスマンとして成長していく時間感覚と、ビジネス環境の変化の速さとそこで必要な知識を獲得するタイミングに社内OJTだけではズレがあるのではないかという感覚です。このズレを補正するためには、短期間で即効性のある薬が必要と考え、その答えの1つとしてMBA取得が私の中で現実味を帯びてきました。
そこで私は、それまでのMBAに対する興味本位の関心から脱し、自分自身の問題意識は何で、MBAはそれに応えてくれるのか、更に神戸大学MBAでなければならない理由は何なのかを突き詰める作業に入りました。実際この探求は大きな壁で、結局受験を1年延ばすことになるほどでした。ですが今思えばこの点を突き詰めて自分自身しっかりとした認識を持っていたからこそ、入学してからの厳しいカリキュラムにも何とかついていけているのだと思っています。
(この段階の方は、はやる気持ちを抑え、ゼロベースで自分自身の仕事におけるモヤモヤ感と向き合い、打開策を検討してみてください。その応えがMBAにあると感じたなら受験しましょう!)
研究計画書の作成
研究計画書の作成は、恐らく多くのMBA受験者が願書提出前に体験する最も大きな試練だと思います。ここでは、自分自身が抱える問題意識を「研究」という活動を通して如何に解明していくのかを論理的に文書として示す必要があります。自分自身の問題意識が明確であっても、いざそれを研究に結びつけようと思うとその作業は簡単なものではありません。私自身も夏頃から色々と調査を始め、願書受付け開始ギリギリ(12月)まで修正を加えていました。それでも納得できる内容ではなく、2次試験の面接では研究計画書の内容に対して十分な受け答えができなかった記憶があります。ただし、研究内容についてはMBA入学1年後に正式なテーマを決定しますので、研究内容の優劣よりもどれだけ論理的に物事を考えているかを2次試験では評価されているのではないかと思います。その点に気をつけて作成することを勧めます。
(この段階の方は、論理的思考で計画書を作成すると共に、書上げた計画書は信頼のおける人に見てもらい、様々な指摘を受けて推敲してください!)
最後に
神戸大学MBAに入学してからちょうど1年が経過した今、入学までのことを振り返ってみると、これまでに述べてきたこと以外にも様々な不安や疑問がありました。ですが全てがクリアになることを待っていてはいつまでたっても道は開けませんし、実際入学してみると案外些細なことで疑心暗鬼になっていたなと感じています(1つだけ予想しなかったことは、入学後に異動となり、単身赴任することになったことでしょうか..)。
また、この1年間の授業を振り返る中で1つお勧めしたいものとして海外研修制度があります。私も仕事と授業と家族サービスで忙しい日々の中、RST海外研修プログラムに参加してイギリスへ行きましたが、異国の地でMBAの仲間と様々な体験ができる素晴らしいプログラム(授業)でした。
現在はゼミ活動が主になっており(黄教授のゼミに所属)、ブランド構築やマーケティングといった、技術職の私にとっては全く畑違いの勉強をしていますが、メンバーとの時間を忘れた深い議論、現場でのインタビュー調査、海外(復旦大学)での調査結果報告といった経験はとても刺激的であり、自分自身に新たな世界が広がったこと、そしてそれが間違いなく今後のキャリアに役立つことを感じずにはいられません。
ここまで読んで頂いて熱くなる何かを感じた人は、是非受験してください!充実した日々が待っていますよ。