柳川 博人さん
パナソニック株式会社 勤務
1 . プロフィールをお聞かせ下さい。
柳川博人と申します。2003年に大阪大学大学院工学研究科を修了し、松下電器産業株式会社(現、パナソニック株式会社)に入社、その後は一貫してコーポレート研究所に在籍しております。2003年から2009年までの7年間は次世代PDPの研究開発を大学との共同研究を含め担当し、2010年からは新規テーマ探索、プロジェクト立上げ・推進を行い、2013年からは研究所の企画を担当しています。現在の企画業務は具体的には、事業計画策定や新規テーマ探索といった戦略系業務と、予算管理・本社報告・研究所運営の推進系業務を行っています。
2 .なぜ神戸大学のMBAを選択されましたか?
神戸大学のMBAを選択した理由は、「著名な先生方」、「働きながら学べること」、「実践的な授業」の3点です。きっかけは当社の研修で神戸大学経営学研究科の金井教授の著書に出会ったことです。その研修で「自分のキャリアゴールに向けて、今何をすべきか」を考える中、私にとっての答えがMBAコースで経営学全般に関する知識を体系的に学ぶことでした。加えて、同時期に研究現場から研究企画に異動したこともあり、MBAコースへのチャレンジを決めました。
MBAに関して調べる中、神戸大学には金井先生を始めとして「著名な先生方」がおられ国内最高峰のMBAであることを知りました。さらに、「働きながら学べ」、プロジェクト制など独自の「実践的な授業」であることを知り、理論と実践の両輪により、単に知識習得で終わるのではなく実務に役立てることができると考え、迷うことなく神戸大学のMBAを選択しました。
3 .MBAに在籍されて、今現在の1週間のスケジュールを教えて下さい。
1週間のスケジュールですが、土曜はお正月の1月3日以外、GWも夏休みもなく毎週朝8:50~18:30か20:20まで講義があります。金曜の夜も講義があります。講義がない平日と日曜日は、次回の講義に向けてレポートなどの課題に取り組んでいますが、そのボリュームは想像を超えていました。
そのため、就業後は毎日勉強し、飲み会などで夜勉強をできない時は朝早く起きて勉強し、1日の勉強時間は平均3時間程度でしょうか。もちろん仕事もあるため、睡眠時間を削るしかなく、入学後の睡眠時間は5時間程度ですが、段々体が慣れてきました。MBA生の中には3時間睡眠の人もいます。
MBAで学ぶ期間は、基本的には1年半から2年です。この限られた期間の中でなるべく多くのことを学びたいため、私は全ての授業を選択しています。授業を取れば取るほど、レポートなど課題に要する時間も増え、負担は大きくなります。ただ、自分で決めたことであり、限られた時間であることから出来る限り努力をしています。そこまで本気になれるのは、それだけ充実した時間だからです。
4.ゼミではどのようなことを学ばれていますか?また、専門職学位論文に向けて現在どのような研究に取り組まれていますか?
私はマーケティング論の第一線でご活躍されている栗木教授のもと、テクノロジーをイノベーションに繋げるためのマーケティングに関する研究に取り組んでいます。私のこれまで実務経験である、研究所での研究開発と企画業務の中で、「技術シーズと顧客ニーズをいかにマッチングさせるか」が私の入学以前からの問いでした。技術シーズと顧客ニーズがマッチして初めて企業は中長期的に競争優位性を確保できると考えております。そこでマーケティングを専門とする栗木ゼミを志望しました。今後は、技術シーズと顧客ニーズのマッチングに成功している企業を対象に、「どのようなマッチングしてきたのか」をインタビューを中心とする事例研究により明らかにして行きたいと考えております。
栗木先生はマーケティングがご専門でありながら、テクノロジー論、戦略論も含めて鋭く的確にご指導をくださり、感謝すると共にさすがと脱帽するばかりです。また栗木ゼミで共に学ぶ仲間は、マーケティング、営業、経営企画、研究開発と様々なバックグランドを持ち、様々な業界で活躍している人達であり、ゼミでの議論は尽きることなく刺激的であり毎回新しい発見があります。
5 .神戸大学に入学してから、今までを振り返ってどのような感想をお持ちでしょうか。
一言でいうと「楽しい」です。入学してから1年が過ぎましたが、あっという間に時間が過ぎたと感じます。それだけ楽しく充実した時間を過ごせたからだと思います。その時々で切り取ると課題に追われている毎日で、今ももちろん追われており、これが卒業まで続くのだと思います。ただ、著名な先生方の講義、第一線で活躍する仲間との熱い議論、睡眠時間を削り毎日取り組む課題と、全てかけがえのないものばかりです。決して楽ではないですが、素晴らしい時間を過ごしていると実感しています。
6 .今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。
神戸大学のMBAの講義を通じた学んだ経営全般に関する幅広い知識と、修士論文での研究で深堀りする研究開発に関する知識を活用し、研究開発のマネジメントを行いたいと考えております。GE、Googleなどと比較して多くの日本企業がなかなか苦しい状況から抜け出せない中、技術シーズと顧客ニーズをマッチングさせることで、中長期に渡り企業の成長エンジンとなるような新規事業の創出し、新たな世界を創って行きたいと考えています。
7 .残りの学生生活に関して、どのような希望をお持ちでしょうか。
残された貴重な時間をいかに過ごすかを考えています。現在はゼミ中心になりつつありますが、ゼミにおいて栗木先生や素晴らしい仲間と過ごす時間を大切にしたいと思います。これまでのゼミでも栗木先生から多くのことを教わり、仲間との議論の中から多くの新しい発見ができたと感じています。残りのMBA生活も1日たりとも無駄にしないように心掛け、最後まで楽しみたいと思います。
神戸大学のMBAで得られた、栗木先生をはじめとした先生方とのつながり、ゼミを始めとした切磋琢磨し共に学んできた仲間とのつながりは、卒業後も仕事はもちろんのこと、仕事の枠を超えて、私の宝になると確信しています。