宮田幸平 さん
第一三共株式会社/アスビオファーマ株式会社 勤務 2015年度修了生 畠田ゼミ
1. プロフィールをお聞かせ下さい。
2014年入学の宮田 幸平です。2004年に製薬会社のアスビオファーマ株式会社に入社し、臨床開発業務や開発企画業務に携わってきました。現在は親会社である第一三共株式会社で臨床開発に携わっています。
ゼミでは畠田敬准教授にご指導いただきながら、医薬品の事業性評価や薬価に関しての研究を進め、学位論文を執筆致しました。
2. なぜ神戸大学MBAを選択されましたか?
最近では経営学を学べる大学は色々あると思いますが、どうせ学ぶなら歴史のある神戸大学で一からアカデミックに経営学を学びたいと思ったことが、神戸大学を選んだ一番の理由です。一方で、理論だけを詰め込まれる授業は正直しんどいかと思っていたのですが、先輩MBA生から授業によっては実務家の方を講師として呼んできて話を聴ける機会もあることを聞き、非常に魅力を感じました。プロジェクト研究があることも選んだ大きな理由の一つです。MBAの醍醐味のひとつに人脈が広がることが挙げられると思います。神戸大学ならではのプロジェクト方式によってチームを結成して半年間でひとつのものを作り上げる、当然、仲間意識も芽生え、自然と人脈も広がると思いました。このように他のMBAと比較して何かに偏っておらず、バランスが良いことが決め手になりました。
3. 神戸大学MBAコースでご自身の目的が達成されましたか?
これまで医薬品の開発という狭い視野しか持ち合わせていなかった為、私の目標はとにかくMBAを通じて視野を広げることでした。それは授業を通じて体系的に経営学を学ぶことでもちろん広がりましたし、やはり様々な業種の同期の方々との交流を通じて、広がったと思います。正直、授業で習ったことを医薬品開発の実務に活かせる機会は限られていると思っていますが、膨大な費用と長い年月が必要と言われている医薬品の研究開発では、様々な人々が各々の立場で関与しますので、視野が広がることで今後、俯瞰的に物事を捉えることができるようになればと思っています。
4. 在学中のお仕事と学生生活の両立についてお聞かせ下さい。
会社がMBAで学ぶことに非常に理解があったので、正直、仕事と学業の両立にはあまり苦労しなかった方だと思います。ただ、レポートを後回しにしないことを心掛け、実行しました。どうしても後回しにしがちかと思いますが、急な仕事が入った時に対応できなくなってしまいます。
家庭については、平日と土曜日を犠牲にする分、日曜日はできるだけ家族と一緒に過ごし、これまで以上に時間を作って色んな所へと出かけました。
何れにせよ、これまでの生活からは様変わりしますので、何よりもその事について、しっかりと会社や家族へ理解を得ておくことが重要だと思います。
5. 神戸大学MBAコースのカリキュラムはいかがでしたか?神戸大学MBAを受講してよかったと思うことはどのようなことでしょうか。
かなり詰め込まれたカリキュラムだとは思いますが、1年半で全過程が終了することは、時間が限られている社会人に取っては非常に有難い構成だと思います。あとは、神戸大を選択した理由の箇所にも記載しましたが、何かに偏っているわけではなく、非常にバランスの取れたカリキュラムだったと思います。特にプロジェクト研究(ケースプロジェクトやテーマプロジェクト)は良かったと思います。1時間や2時間のグループワークではなく、半年間のグループワークです。その場しのぎでは終わりませんので嫌でも関与しないといけませんし、当然意見が割れることもあります。一度関係が崩れてしまうと立て直すのも大変かもしれません。ただ、異業種の方々と半年掛けてひとつのモノを作り上げる機会はそうそうないですし、発表の時など緊張感やチームとしての一体感を久々に味わうことができました。やり遂げた後の充実感もありましたし、神戸大学MBAを受講してよかったと思うことのひとつです。
6.在学中、特に印象的な授業・イベント・出来事などはありましたか?
授業で印象に残っているのは、ゼネラルマネジメント研究とオペレーションマネジメント研究でしょうか。一番初めの授業で、三品先生のあのインパクトはやはり強かったですし、松尾先生の独特の空気感は印象深いです。どちらも課題やレポートはキツかったですが…。あと、前期にある原先生のテクノロジーマネジメント研究では、セッション毎にいくつかのグループに分かれて、授業で習ったフレームを自社の事例にあてはめて議論する場があり、それを通じて同期の方がどのような仕事をしていて、どのような考え方をしているのかを知る機会にもなり、非常に面白かったです。
あとはゼミです。私は二年目から東京に転勤になり、頻繁に大学に行けるような環境ではなくなったのですが、指導教官の畠田先生とSkypeをしながら、論文についてご指導をいただいたことは印象に残っています。ゼミ生全員が論文を出し終えた後に、指導教官である畠田先生が全ゼミ生に宛てたメールには「放心状態…」と書かれていました。それだけ熱心に指導していただけたことは本当にありがたいと思っています。
7. 神戸大学での学生生活を通じてご自身の変化などはありましたか?
神戸大のこのカリキュラムをやり遂げたことは自信に繋がっていると思いますし、他の方も述べられていると思いますが、時間の使い方が変わりました。仕事、家庭、学業とありますが、私はどれかを犠牲にすることはしたくなかったので、限られた時間の中で隙間時間をいかに活用するか、そしていかに集中するか、1年半という期間を通じて時間の使い方に関する意識や切り替え・メリハリをつけることへの意識は間違いなく変わったと思います。社会人になってから日々漫然と過ごしてきた生活からは一変しましたし、卒業後の長い社会人生活の中では今より忙しくなる時期もあるでしょうし、このタイミングで時間の使い方の大切さをあらためて知るよい機会になったと考えています。
8. これから受験を考えているみなさんへのアドバイスをお願いします。
授業についていけるか、時間が確保できるか、挫折しないか…などなど、受験を迷われている方は、1年半という限られた期間ですし、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。受験を迷う理由は人それぞれあると思いますが、一人ではなく同期の方々含めて多くの方が支えてくれますし、あっという間に過ぎていきます。1年半のMBA生活を通して得られた仲間との繋がりは一生ものです!