2024年度入学生の研究状況(担当: 栗木 契)
「現代経営学演習」
担当: 栗木 契
目的、テーマ
幅広くマーケティングにかかる問題に関心をもつ学生たちが集うゼミです。マーケティングとは市場の創造と維持にかかわる企業活動です。そこには、組織におけるパーパスの共有と一体感の醸成、ウェブやAIの活用、新規性の高い活動にともなう不確実性への向き合い方、ビジネスモデルの再構築、プロジェクトにかかわる人たちのマインドへの対処など、数々の問題が層をなしながら多方面に広がり、あたかも知のジャングルの様相を呈しています。
このゼミの目的は、マーケティングという知のジャングルの中にあって、地に足を着けて前進していこうとしている実務家に必要な研究を行うことを後押しし、実践的な研究能力を高めることです。この目的にこたえるべく、ゼミでは、学生個々人が、仕事を通じて直面しているマーケティング上の課題を持ち寄り、多面的な討議と調査、分析と解釈を重ねることで、未来に向けた筋のよい進路を見いだしていくことに取り組んでいます。
ゼミの雰囲気
ゼミでは、学生各人が個別のリサーチクエスチョンを追求しています。しかし、ゼミに集っているのは、マーケティングにかかわる幅広い問題に関心をもつ学生たちですので、各人の研究の進捗の報告をめぐっては議論が絶えません。自身の研究の探究だけではなく、他のゼミ生の研究からの学びや気づきを自身の研究、さらには日々の実務に取り入れようとする学び合いの雰囲気に満ちています。和気あいあいとしているようで真剣勝負のやり取りが繰り返されています。
現在までの進捗状況
M1のあいだは、輪読会形式で調査と分析の方法を学びながら、各人の問題意識にもとづくリサーチデザインを固めていきました。3月までのライブラリーリサーチなどを経て、現在(6月初旬)は企業へのインタビュー調査などを順次進めています。現場発の独自のリサーチクエスチョンに、ずばり答えてくれる先行研究はなかなか見つからないのですが、関連しそうな斜め横の領域などに先行研究を見つけ、インタビュー調査を行うことで、そこから導出した仮説が自身の問題領域にも当てはまりそうなことを確認したり、先行研究からは得られなかった発見を獲得したりしています。
この知の探索と探求の大冒険を、論文としてクリアにまとめ、書き上げることができるか。そこでの発見物にどのような意義があるかを、説得力をもたせて主張していけるか。論文の完成に向けての課題は山積みで、汗を拭いつつゼミ生たちは一歩一歩各人がめざす山頂へと迫っていっています。