2019年度テーマプロジェクト発表会 金賞チームインタビュー

金賞

メンバー:久保田 篤、徐 振宇、原薗 和也、穂積 潤一、松岡 亜都子、松岡 佑季
(※五十音順、敬称略)

2020年1月11日(土)、神戸大学社会本館206教室で行われたテーマプロジェクト発表会において、激戦の末、見事優勝を勝ち取られたチームにインタビューを行いました。

Q1. 準備にはどれくらいかかりましたか?

(久保田 篤)6月頃にチームを結成していましたが、本格的に始動したのは8月からなので、5ヶ月程度です。研究テーマはいくつか候補がありましたが、「デザイン経営」に集中して取り組んだのは10月中旬以降です。調査対象企業へのアプローチは、展示会に参加して飛び込みでアポを取ったり、神戸大学MBAのOBから紹介いただいたりして、11月に連休や土日を利用して調査対象企業に訪問してインタビューを行いました。そして企業インタビューが終わり、本番発表まであと2ヶ月弱といったところで、先生方に相談しつつ、ストーリーの構成・発表スライドの作成に取り掛かかっていきました。
チームの打ち合わせに関しては、土曜の講義終了後に教室でテーマ案の持ち込みや話し合いを行い、先行研究の調査等を平日に行っておりました。平日に打ち合わせが必要な時はSNSやWeb会議を使っておりました。

(徐 振宇)8月末のチーム結成から前後約5か月をかけて準備しました。最初の1か月はほぼテーマの探索と絞り込みでした。10月までは2か所のインタビューを実施して中間発表に挑みました。中間発表後はさらに最終発表を目指して準備を加速していきました。特に12月に入ると結論の精緻化と発表資料の構成のためにチームの皆さんでたくさん議論しました。集まる方法、場所は様々で、メンバーの職場の一室であったり、学校であったり、ZOOM会議であったりしました。

(原薗 和也)8月17日のオリエンテーションをスタートに約5ヵ月間、1月11日成果発表会に向けて、テーマ研究に取り組みました。毎週土曜日の授業後にはほぼ必ず2~3時間程度打合せを行い、発表(中間・発表)が近づくと、Web会議などを利用して平日でも打合せを重ねました。また、それぞれ一人ひとりに宿題を決めて、打合せ時に共有する形をとっていました。資料作成など負担がかかることもありましたが、仕事の都合を理解してくれるメンバーだったため、お互いでサポートし合いながら進めることができたと思います。

(穂積 潤一)8月から始めて5ヶ月くらいです。毎週土曜の授業後に集まり、夜の9時くらいまで打ち合わせを行いました。平日はLINEやメールでのやり取りが多かったですが中間報告前など話し合いの時間が必要な時には平日にWEBミーティングを行いました。
また、最終報告直前は、報告内容のクオリティを高めるために年末年始に梅田やメンバーの職場などで集まって議論しました。

(松岡 亜都子)8月中旬のテーマ選定開始から発表までの約5ヵ月間、平日に予定を合わせることが難しかったため、毎週土曜日の授業終了後に集合し、21時半ごろまで話し合いを行いました。最後は、年末年始の休暇時にLineでのやり取りをしつつ、2日ほど終日会議室にこもってスライドを仕上げ、カラオケボックスで最終発表練習をしたことが良い思い出です。

(松岡 佑季)チーム編成を組んだのは、おそらく学年で1番早かったので、6月中にはメンバーは決まっていました。ですが、具体的に動き始めたのは、ケースプロジェクト研究終了後の8月からです。基本的には土曜日の授業後の時間を使っていたのと、発表前などは適宜ZOOMなどのWebカンファレンスも行っていました。

Q2. 入学から振り返って、実際のMBAの授業はいかがですか?

(久保田 篤)正直に言うと、非常にハードです(笑)。4月から始まり、日々の仕事・講義の課題・プロジェクト研究と時間がいくらあっても足りないくらいでした。しかし、必死に食らいついて課題を一つ一つクリアしていくたびに、達成感と自分の成長を感じることができました。MBAでは様々なバックグラウンドを持った同期と交流を持て、そして講義も皆で議論を行っていく設計なので、毎回刺激を受けることができ、今では神戸大学MBAに入学してよかったと思っています。

(徐 振宇)経営学の研究を体系的に学ぶことができ、普段の業務上経験できないものもたくさん得ることができました。体系的な学習を通して自分の強みと弱みもある程度わかってきて今後の深堀するところも分かるようになります。さらに、ケースプロジェクトやテーマプロジェクトという教育方式は難しくて、苦労するところが多いですが、私にとっては研究の作法を理解する大事なプロセスでした。チームメンバーと議論しながら、ゴールにたどり着く中で、優秀なメンバーからたくさん学ぶこともできました。

(原薗 和也)MBAの授業は、理論やフレームワークの紹介、論文作成などがあり、アカデミックな内容という印象です。ビジネスで問題意識を持っている社会人にとっては、どのように仕事へ取り入れられるかを考えて授業を受けるため、身につくことが多いと思います。また、毎週のレポート課題として、多くのケーススタディをこなすため、思考力と多角的な視点が鍛えられました。他のMBAに通っている方に話を聞くと、やはり神戸大学MBAの内容は他のMBAよりハードだと思います。本当に大変なことも多いですが、厳しい環境だからこそ得られることも多いと感じています。(英語のケーススタディは本当に苦痛です。)

(穂積 潤一)大変勉強になります。講義ではマーケティング、会計、経営戦略などの科目を体系的に学び、日々経営的な考え方が身に付いているように感じます。授業では異業種の方とディスカッションを行うことも多いですが、自分とは違うバックグラウンドを持つ方の意見はとても新鮮で、大いに刺激を受けています。また、毎週のように課題として与えられるケーススタディをこなすことで論理的な思考力が鍛えられているように感じます。
仕事と家庭、学業のバランスを取るのは、神戸大学MBAを卒業した会社の先輩から聞いていた以上にハードですが、充実した毎日を過ごしています。

(松岡 亜都子)仕事にプラスしてMBAの授業と課題に取り組むため、優先順位をつけてタイムマネジメントをすることに、今まで以上に気をつけるようになりました。課題では、様々な側面から「自分自身の業務」について問われることも多く、新たな知識を吸収するだけではなく、今までの自分の仕事に対する考え方ややり方を振り返り、新たな視点を実務に取り入れていけることが、自分にとっての収穫ではないかと思います。「学び」はやはり新鮮で楽しく、そして難しいということを実感しています。

(松岡 佑季)医師という専門職である自身にとって、企業組織の話は、どれも新鮮で毎日が刺激的です。後期に入って、医療系の授業もあり、経営という視点から病院業界を見る時に新たな気づきも多く、とても勉強になっています。後期に入り、会計などの専門的な授業も多く、実務にすぐ使うわけではないですが、アカデミックな環境でその道の一流の先生方や実務からの視点を交えた同級生と議論ができるというのは、本当に贅沢な環境だと思います。

Q3. 発表会の準備で大変だったことは何ですか?優勝の感想と併せてお答え下さい。

(久保田 篤)「デザイン」の定義を決めることと、結論に至るまでのストーリーです。「デザイン」という言葉には様々な意味があり、自分たちはデザインをどのように定義するのか決定するのに苦労しました。さらに企業へのインタビューで収集した情報が大変多く、どのようなストーリー構成にすれば伝わるのか、不要な情報は何かを選別するのにも大変苦労しました。金賞という大変名誉ある賞を受賞させていただけたのも、先生方や先輩方からアドバイスをいただけたことや、自分たちが本当に伝えたいことを突き詰めていけたからだと思います。
プロジェクトが始まってから仕事や講義が忙しい中、チームの皆で打ち合わせを重ねたこと、年末年始にも集まって発表練習をしたことはいい思い出になっています。

(徐 振宇)苦労したのはインタビューで得たネタをどう発表資料にまとめるか、ということでした。インタビューにおいてはたくさんの情報を聞き取ることができました。チームが面白いと考えたネタもたくさんありました。そのたくさんの情報の中から何を選んでストーリーを作り上げて結論を導き出すかにチーム一同深く悩みました。そのため、チームの議論や先生への相談も経てたくさんの情報から一番伝えたいことだけに焦点を当ててストーリーを作ることに集中しました。必要のない情報を削り落とし、明白なストーリーを構築しました。
優秀なチームメンバーのお陰で金賞が獲得でき、感謝しかないです。半年間はあっという間に過ぎてしまい、苦しい時も多々ありました。しかし、チームメンバーが最後まで支え合った結果、良いアウトプットに結びつけることができたし、良い勉強になりました。一生忘れられない経験でした。

(原薗 和也)テーマプロジェクトに限りませんが、仕事との両立がとても大変でした。終電まで仕事をすることがあり、それに加えて課題レポート、テーマプロジェクトでとても負担を感じていました。でも、良いチームに恵まれたため、最終発表までの1週間は本当にメンバーに助けてもらったと感じています。金賞を受賞させてもらったのは、メンバーのおかげで、ありがとう!っていう気持ちでいっぱいです。

(穂積 潤一)最も大変だったことはリサーチクエスチョンに対する解を導き出す作業です。デザイン経営を推進する企業へのインタビューを通じて、デザインを活用する効果や組織への取り入れ方を知り、とても勉強になりましたが、これまでの先行研究にない新しい知見が何かがわからず苦労しました。しかし、数多くの文献を調べ、粘り強くメンバーで議論することで一つの解に辿り着くことができました。その結果が金賞に結び付いたことは大変嬉しく思います。
私一人では考えつかなかったと思いますのでお互い協力し合い、様々な意見を言い合えたメンバーに感謝しております。

(松岡 亜都子)本プロジェクトの期待値が新規性の発見にあるということを、最初にしっかりと理解することに一番時間をかけたように思います。理解した後は、その新規性をどう見出し論理的に説明していくのか、多くの意見を出し合いながらもそぎ落とすことが重要で、それにより論旨がより明確になるということを体感することができました。これらをチームメンバーと協力して行うことができたことに加え、ヒアリングで大変興味深い話を真摯に語っていただいたことや、中間発表や相談時に的確なコメントをいただいたことが優勝につながったと考えています。良い経験をさせていただくことができ、チームメンバーをはじめ、ご指導ご協力いただいた皆様に感謝しております。ありがとうございました。

(松岡 佑季)私は仕事の資格試験に加え、選択科目を多く受講していたこともあり、プロジェクト研究以外にも多くのレポートや発表を抱えることになり、それらとのバランスを取ることに苦労しました。結局、どうしてもしんどい時は、メンバーに甘えさせてもらって何とか乗り切った感じです。発表の内容では、“デザイン”という言葉の定義やそれをどう伝えるのかに苦労しました。しかし、先輩のご協力やインタビューさせていただく企業先に恵まれて、是非伝えたいというテーマだと自分たちが思えたことが大きかったかなと思います。月並みな感想ですが、優勝できた時は本当にうれしかったです。

Q4. 今後の抱負をお聞かせ下さい。

(久保田 篤)これから本格的に修士論文に取り組んでいく事になります。これまでの課程で、ケース分析や研究テーマ選定の進め方、問いの立て方などを学びました。修士論文に活かしていきたいと思います。また、仕事においてもMBAで学んだことを活かして、積極的に取り組みを進めていきたいと考えております。

(徐 振宇)神戸大学MBAで学んだ知識と研究の作法を用いて仕事上の課題解決の役に立てるようにしていきたいと考えています。MBAでの勉強は一つのスタートとして今後卒業しても自分磨きを忘れず継続していきます。卒業後のMBA同級生との再会を楽しみに妄想しておりますが、その前に、まず1年半で卒業することを目指します。

(原薗 和也)これからは本格的にMBA論文がスタートします。これまでの経験を大切に、情熱を持って取り組めるテーマを見つけ、終わったときに自分が成長できていることを実感したいと思います。この経験が、今後の仕事人生にも十分活かせるはずだと信じて頑張っていきます。

(穂積 潤一)プロジェクト研究や授業を通じてこの1年間で経営に関する多くのことを学びました。しかし、時間の関係で復習を疎かにしていたため十分に理解できたとは言えませんのでよく復習し、神戸大学MBAで学んだことを仕事で活用できるようにしたいと思います。
これから修士論文の執筆に取り組みますが、研究の成果を会社に持ち帰って活かせるよう、意義のある内容にしたいと思います。

(松岡 亜都子)授業やプロジェクトでの学びを、如何に生きた学びとして実務で活かせるかがやはり一番重要なことと思っています。これからも継続して実務への反映を考え、実行していきたいです。

(松岡 佑季)いよいよ修論が始まります。このプロジェクト研究を通して、良い問いとは何かを考えることの重要性を学びました。これまでのグループワークと違い、個人戦ですが本当に伝えたいこと、伝えるべきことは何なのかを考えていきたいと思います。

 

優勝チームの皆様、ご協力ありがとうございました。そして、おめでとうございました!