神戸大学MBA

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2018年度ケースプロジェクト発表会
 

2018年8月4日(土)

 ビジネスとは、所属する社会の課題から目を背け、私利だけを追求する活動か。「そうではない」というのであれば、私たちは日本の社会の課題に向き合い続けなければなりません。
 こうした日本の社会の今の重要課題のひとつと目されるのが、地方あるいは地域の創生です。

 本年度の神戸大学MBAのケースプロジェクトでは、架空企業のケースを用意し、MBA生たちのチームに、事業再生プランを提案してもらうことにしました。そこでの架空企業としては地方FM放送局を選び、この会社が無理な成長志向の営業で2018年4月に破綻してしまうという設定を行いました。
 このケースを前提に、この架空企業の事業再生計画を、中長期の成長戦略を示しながら提案してもらう。これが本年のケースプロジェクトです。

 FM放送局を取り上げたのは、基本的にこのビジネスは、都道府県下全域への独占あるいは寡占的な放送権の上に成り立っており、地域に密着したときに優位性を発揮しうるビジネスだといえるからです。
 とはいえ都道府県県域は、狭いようで広いエリアです。全国型あるいはグローバル型のビジネスの圏域と比べるとはるかに小さいとはいえ、数百万人の商圏です。
 そしてFM放送局は一般に、各都道府県における有力な地域ブランドです。そのポテンシャルを活用して事業再生を果たすとともに、いかに成長戦略を描くか。そして地域創生という成功事例の少ない課題にいかに切り込むか。さらには昨今のデジタル経済の拡大から広がる可能性をいかに取り込むか。
 しかし一方で、インターネット利用の拡大が、ラジオ放送がかつて保持していた影響力を減じていることへの注意も怠ってはなりません。さらにラジオ放送局というのは、規模の小さい企業体であり、投入できる資金は限定的です。この不足を知恵でおぎなうことが欠かせません。
 これはたいへんな難題です。神戸大学MBAのOBでもあるKiss FM KOBE の横山社長に業界事情の徹底解説をいただいた上で、12のチームに分かれた神戸大学MBA生たちの挑戦がはじまりました。

 本年はチーム間の競争が激しく、抜きつ抜かれつの大接戦となりました。その結果として金銀銅の入賞を果たしたチームは、FM放送局のポテンシャルのどこに賭けるかの絞り込みが徹底しており、かつ編み出した事業案をライブライリサーチとフィールドリサーチを通じてしつこく鍛え上げていくことにおいて頭ひとつ抜け出したチームだったといえます。

 ラジオ放送局というのは規模の大きい企業体ではありません。しかしそこにおいても経営の舵取りを行おうとすれば、マーケティング、テクノロジー、人材、財務、そして戦略という複数の旋律を巧みに束ねながら、豊かなハーモニーを編み出しつつ、さらにその上にメインとなる主旋律を明確に浮かび上がらせていくことが欠かせません。
 このオーケストラの指揮者の仕事にもなぞらえられる経営という行為の醍醐味を、本年度のケースプロジェクト研究に参加した学生たちには味わってもらえたものと考えます。

(文責:栗木契)

 

 

◆金賞チーム

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◇銀賞チーム
 
 
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