山口 美紀さん

コベルコシステム株式会社 勤務

1 . プロフィールをお聞かせ下さい。

2015年度入学の山口美紀です。コベルコシステム株式会社に勤務しています。当社は株式会社神戸製鋼所の情報システム部門が分社化して設立されました。2002年に日本アイ・ビー・エム株式会社が資本参加し、神戸製鋼グループだけでなく、様々な業種のお客様向けにITソリューションを提供しています。入社以来、システムエンジニアとして、お客様向けのITシステムの提案や構築に携わってきましたが、2012年に社内の品質管理部門に異動となり、セキュリティ管理・推進を担当することになりました。その後、その部門のグループ長業務を経て、2015年11月に経営企画部に異動となりました。

経営企画部への異動のきっかけは、私が神戸大学MBAで勉強中であることを知っていた役員からの、「経営企画部の業務はMBAでの勉強を実践に活かすよい機会だから」、という声掛けによるものです。異動して2カ月がたった現在、社内の事業構造改革タスクを担当し、充実した毎日を送っております。まさに「人生を変えるMBA(※)」を実感しているところです

(※)2014年に25周年を迎えたことを記念して2015年に出版された神戸大学MBAの書籍の題名です。神戸大学MBAについての情報がぎっしりつまっていますので、一読されることをお勧めします。

2 .なぜ神戸大学のMBAを選択されましたか?

異動前の部署でグループ長として勤務している時に、直属の上司から、「マネージャとしてキャリアアップを考えているのであれば、一度経営について体系的に勉強しておいた方がよい」と、MBAを勧められました。その上司も数年前に他大学のMBAで勉強しており、経営学の勉強はもちろんのこと、人脈形成にも有益で、視野が広がった、という自身の経験に裏付けされた勧めだったため、心が動かされました。また、ちょうどその頃、自分が、マネージャとして「人の視点」は持っているが、「経営の視点」が足りていないと感じていたため、「経営の視点」を養うためにも、神戸大学MBAへのチャレンジを決意しました。

上司は私にMBAを勧めたものの、神戸大学MBAにチャレンジするとは思っておらず、受験まであまり時間もなかったことから、「無謀だな」と感じたようです。しかし、経営学を体系的に学習し、経営について戦略的に考える思考力を習得するためには、神戸大学MBAのプログラムが私には最適だと思えたので、それ以外の選択肢はありませんでした。特に魅力を感じた点は、以下の通りです。

  • 働きながら学ぶことで、学習したことをすぐに職場で実践し、また職場での課題、疑問点を学習の場に提供し、教授や同級生からアドバイスを得ることが可能であること。
  • 人との交流の中でお互いに切磋琢磨して刺激を受け、与え、成長していきたいという思いが強い自分にとって、神戸大学MBAの特徴の一つである「プロジェクト方式」の研究は最適な教育方法だと感じたこと。
  • 神戸大学MBAには優秀な社会人が集まるので、意識の高い異業種の同級生との交流は視野を広げ、卒業後も人的ネットワークを活用して活躍ができること。

また、受験前に梅田サテライト教室で開催されたセミナーにも参加し、実際にMBAで勉強中の先輩方の体験談を直接聞くことができ、さらに期待が膨らみました。そして、セミナーに参加して、新たな志望理由として追加になったのが、RST(日英産業事情応用研究)の受講です。RSTについては、こちらにレポートが掲載されておりますので、ぜひご覧ください。

3 .MBAに在籍されて、今現在の1週間のスケジュールを教えて下さい。

講義は、毎週金曜日の夜と土曜日の終日行われています。基本的に全ての科目を履修しているため、お正月以外は毎週講義を受講することになります。

金曜日の夜は梅田サテライト教室での授業なので、勤務地が神戸の私は、定時になるや否や会社を出て梅田に向かい、18時20分から21時30分までの講義を受講してから帰宅します。土曜日は朝8時50分から六甲台で授業があるため、平日会社に行くよりも早く起床して大学に向かい、18時30分もしくは20時20分まで授業を受けます。放課後は、引き続き、神戸大学MBAの特徴の一つである「プロジェクト研究」の打合せのために空き教室を借りて、チームメンバーでディスカッションを行います。神戸大学正門前の最終バスが21時53分なので、それに間に合うように打合せを終了してバスで山を下り、JR六甲道駅近辺で一杯飲んでから帰宅する、というのがパターンとなっています。ただし、メンバーが自家用車で来ている日はその限りではなく、最終バスの時間を気にすることなく、夜遅くまで教室での議論が続きます。飲みに行っても行かなくても、帰宅は夜中0時をまわり、くたくたになって就寝することになります。

平日は、仕事が終わって帰宅してから、週末の授業の準備です。必読文献を読んで予習したり、事前課題や事後課題のレポートを書いたりと、毎日勉強が必要となります。加えて、「プロジェクト研究」のための時間も必要です。「プロジェクト研究」は、基本的に学校での授業の時間は発表以外には設けられていないので、自分たちの自由時間を利用して研究を進めます。そのため、平日に有給休暇を取得して企業訪問などのフィールドリサーチを行ったり、分担して論文や文献を読み込むライブラリーリサーチを行っています。また、土曜日の放課後の打合せだけでは時間が足りず、週に1回は、平日の夜にSkypeを利用してディスカッションを行っています。前期の「ケースプロジェクト研究」の時には、チームメンバーの半分が海外出張の多い業務に就いており、アメリカやマレーシアや台湾などの出張先からSkypeでのディスカッションに参加していました。それまであまりSkypeやSNSを利用することがなかった私は、海外から問題なくディスカッションに参加したり資料の共有ができることに、感動しました。

平日には、その他にも、週に1回勤務地が近所の同級生有志によるランチ勉強会を開催し、情報交換を行うなど充実した昼休みを過ごしています。例えば、統計学の試験前には、同級生が統計の専門家である同僚をゲストに招いて補習を開いてくれました。そのおかげで、好成績を修めることができ、感謝しています。昼休み以外にも、神戸近辺で勤務する同級生で不定期に飲み会を開催して交流を深めています。

4.ゼミではどのようなことを学ばれていますか?また、専門職学位論文に向けて現在どのような研究に取り組まれていますか?

人的資源管理がご専門の上林教授のゼミに所属し、「女性活躍推進を促進する働き方改革」というテーマで研究に取り組んでいます。上林ゼミは、所属する16名中7名が女性で、5つあるゼミの中で一番華やか(?)です。(一番おしゃれで華やかなのは、ゼミに所属する女性陣ではなく、上林教授ご自身なのですが。)

ゼミでは指導教官によって、論文執筆に至るまでの進め方が異なるのですが、上林ゼミでは、研究の出発点となる「問題意識」を徹底的に深掘りすることが求められます。8月から始まった毎月のゼミの時間では、学生がそれぞれの「問題意識」について発表し、それに対して他の学生が自身の実務経験に基づいた質問や意見を述べ、活発な議論を繰り広げています。人的資源管理が専門のゼミなので、所属する企業や業務内容が異なっても共感できるような「ヒト」や「組織」に関するテーマが多く、自然と議論も白熱します。その上で、上林教授やサポートの他校の先生方に理論に基づいた鋭いご指摘や考え方のヒントをいただき、さらに「問題意識」を深堀りしていきます。

現在は、それに加え、関連する論文を多数読み込む段階に入りました。論文の読み方についても、小説のように頭から全部読むのではなく、目次から論理の構成を理解して必要なところを読むことや、批判的に読むことなどご指導いただいています。

論文の執筆において、もう一点求められているのが、「誰が読んでも理解できる日本語で書くこと」です。ゼミでの発表でも、職場やその業界でしか通用しないような専門用語は排除し、わかりやすく説明することを求められます。その指導に従い、会社の業務においても、今まで以上に、相手にわかりやすく伝えることを心がけるようになりました。

5 .神戸大学に入学してから、今までを振り返ってどのような感想をお持ちでしょうか。

この原稿を執筆しているのは2016年のお正月で、1年半のMBA生活のうち、ちょうど半分が終わったところです。振り返ってみると、あっという間だったと感じています。一言で言うと、とても楽しく充実した毎日でした。当初期待していた通り、様々なバックボーンを持つ同級生との交流はとても刺激的です。授業中やプロジェクト研究での議論で、自分が思いもつかないような視点からの意見を聞くと、まだまだ自分の勉強不足を痛感しますが、議論を繰り返す中で、自身の考えも深まっていく手応えを感じ、切磋琢磨しながら成長していることを実感しています。また、MBA Cafe(OB組織)では世代を越えた交流の場を提供してくれるので、同級生だけでなく、たくさんの先輩方にも刺激を頂いています。

素晴らしい修学環境も、学生生活を楽しめる要因の一つとなっています。MBA生に解放されている自習室での自習も良いのですが、充実した蔵書を誇る社会科学系図書館の大閲覧室での自習も雰囲気が良くてお勧めです。また、六甲台からの素晴らしい眺めは、授業や議論で疲れた頭をリフレッシュしてくれます。その眺めを見ているだけでも、神戸大学のMBAを選択して良かった、と感じています。

学生生活の中で、当初思っていたよりもお金がかかっているのが、書籍代と飲み代です。書籍については、お金だけでなく、保管場所もかさんで大変なので、図書館を活用し、何回も読み返したいと思うものだけ購入するようにしました。神戸大学の図書館に必要な書籍は全て揃っていますし、入学時に配布されるコピーカードを用いて、自習室で必要なページをコピーすることも可能です。飲み代については、交流もMBAの目的の一つでしたので、必要経費だと割り切っています。

6 .今後のキャリアプランについてお聞かせ下さい。

MBA修了後は、MBAで学んだことを活かし、マネージャーとしてキャリアアップし、当社の変革と発展に貢献したいと考えています。ITソリューションベンダーである当社にとって、会社の発展のために一番重要な経営資源は「ヒト」だと考えていますので、論文の研究成果として得られる予定の、働き方の改革への知見を活用し、女性だけでなく全社員が適材適所でいきいきと働き続けることのできる会社の構築を目指します。

7 .残りの学生生活に関して、どのような希望をお持ちでしょうか。

2月に開催される「テーマプロジェクト研究」の最終発表に向けた追い込みと、その次の日に出発するRSTの英国研修に向けた事前準備で多忙な毎日が続きますが、体調を崩さず、悔いの残らないように精一杯頑張りたいと思います。また、周りの同級生にたくさん与えてもらっている良い刺激を、少しでもお返しできるように、クラスやゼミの中での自分の役割を意識しながら残りの学生生活を送ります。学生生活もあと半分しか残っていないと思うと寂しい気がしますが、後半も興味深い授業が目白押しなので、引き続き全科目履修し、できるだけたくさんのことを吸収していきたいと思います。

最後になりますが、MBAでの勉強に理解を示し、サポートしてくれている家族や職場の皆様、たくさんの刺激や気付きを与えてくれる同級生、右も左もわからなかった私たちに経験者として様々な助言を与えてくださる先輩方、新しい知識の世界を見せて下さる先生方、授業のゲストスピーカーや「プロジェクト研究」でインタビューさせていただいた経営者や企業の皆様、打合せ用の教室の予約の調整を始めMBAでの生活を支えてくださっている教務係の皆様、全ての方に厚く御礼申し上げます。

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