2022年度ポスターセッション MBA生のコメント

ポスターセッションについて 松田 義基さん(所属ゼミ:三品 和広ゼミ)

Q1:MBA論文報告会(ポスターセッション)を終えての感想をお聞かせ下さい。
松田 義基さん

ポスターセッションは、修論提出も終えた修了式の前週に行われる。修了式を控えた私たちとしては、すっかり最後のフィナーレに向かう華やかな気分の中での作業だった。修論執筆までの生みの苦しみはもう既に過去の話。実際の修論作成に至るまでに、これまで各ゼミの先生方と議論を重ねる度に作成し、研鑽を重ねたパワーポイントや、取りまとめ済みの裏付けデータもふんだんにある。全く心配はいらない。
ポスターはA0サイズ縦。A3サイズのパワーポイントを8枚並べて、説明ストーリーにしたものも居れば、業者へ発注してA0サイズにデザインして印刷した者もいる。私は前者だった。ポスターを張り終えると全員が一旦、講義室に集まり、前半・後半に分かれてプレゼンという説明。「論文とは別に、プレゼンだから中身云々だけでない「伝える力」が試されるから、がんばれ!」と言われ全員が各会場に散る。M2だけでなく、M1の皆さんも多く居る。ご家族の方も居る。配られたレジュメを見て配属ゼミの先輩の報告や関心のある発表を優先的に回らないと時間はない。説明する方も、1~2人を相手にする場合もあれば、一度に5~6人を相手にする場合もある。私はA3x8枚パターンだから、紙芝居の様に皆さんの視点を動かして、どんどんしゃべる。ひっきりなしに説明して、数回やるとこちらも調子が出てくるが、同時に喉も乾いてくる。飲み物は必須です。質問も的を射た内容が多く、正しく楽しい「セッション」だった。
投票は、全員が名前の書いてあるところにシールを貼って、貼られた枚数で決まる。なんと、4位だった。全員が全てのポスタープレゼンを聞くわけではないから、聞いてもらった方の打率が高かったのだと思う。思いがけず、最後に表彰されて感想まで述べる機会を得た。一言で言えば、楽しいイベント。本当は、こういう場で他のゼミの方やM1の方と議論をゆとりをもって深堀り出来る時間があると、もっともっとMBAらしいイベントになりそうだと思う。
そして実際に表彰された1~5位の中に三品ゼミが3名も入った。三品ゼミは論文ではなく、建議書である。これも先の見えず閉塞感を感じる世相や、スタートアップや新事業といった言葉が飛び交う社会を反映しているのかもしれない、検証はできないが・・。

Q2:論文の執筆やポスターの準備にあたって難しかったのはどういった点ですか。

難しかった点は、私の論文が建議書であったこと。そして、非公開論文であったことである。利用データはもちろん、建議の内容自体に秘匿性が高く非公開であることを教授会で認められた論文だった。よって、これを冒してまでポスターにすることはできない。具体的な内容が一番迫力を持つ部分であるのに、そこはもちろん出せない。だから7割の力で勝負するようなモノ。問題意識や考え方のプロセス、関連情報からどのような方向性になっていくのかを説明する内容に仕立てた。作業前にもポスターセッションにするのは難儀であることを教授に相談したが、「思いのたけをぶつけてください」と思わぬエール。仕方がないので、問題意識と一般論や予想対論の欠点を指摘して、持論の大体の方向性を指し示すところで留め置きした。聞く方は、「つづきはまたね」っていう状態だろうからポスターセッションの評価は全く考えずに準備をした。ところが、結果は上記に示すように4位。入賞者で非公開だったのは私だけ。「中身云々だけでなく、伝え方」と言われた先生の言葉を思い出し、正にそうなだと納得。ゼミで散々先生とやってきたスパーリングならぬ、議論が思わぬ説得力を言葉に乗せていたのかもしれない。一番の準備は、ゼミの議論の中にあったのだろう。