中田隆弘 さん

三菱重工業株式会社勤務 2003年度入学生 南ゼミ

私は工学部の出身で会社に入ってからも、開発設計を主に担当しており、10数年間ずっと技術系で歩んできました。ところが、2002年に新製品企画を担当する部署に異動し、経営に関する知識が必要であることを実感しました。たまたま同年11月に出身の大学研究室を訪ねたところ、社会人MBAコースがあることを教授より聞き受験することにしました。

願書提出締め切りまで3週間ほどしかなかったので、学生募集要項を取り寄せると共に、ひとまず「社会人大学院」というキーワードで検索した図書館の本を借りてきて、入学願書や研究計画書にどんなことを書くのかということを調べたあとで、以下のように出願書類を書きました。

研究計画書について

  1. 研究テーマ:自身の業務に関連する新製品・新事業をテーマとして選び、現実に困っていることをどうすれば解決できるかをできるだけ簡潔に書きました。
    前年の受験者数を見ると合格者の約4倍もいたので、研究計画書を見る先生も量が多くてたいへんだと思いました。そこで、できるだけわかりやすく書かないと最後まで読んでもらえないと考えて、文章を短くしました。さらに、先生で社会人経験のある方が少ないことから、できるだけ実務上の課題を具体的に書くようにしました。
    それから,研究計画書だけでなく出願書類全般について友人に見てもらい、わかりにくい文章をレビューしてもらい修正していきました。自分の気がつかない点を指摘してもらえるので、ぜひ他の人に見てもらうべきだと思います。
  2. 志望理由:なぜ一橋大や慶應大でなくて、神戸大かということは書かなくても良いと思います。また、近くて通学しやすいからというのは、就学環境という欄の方に記載することになります。
    私は,会社で新たに担当することになった新製品企画という部門でのこれまでの事例を振り返ってみて、新製品開発・新事業創出が計画通りに進まず、また、失敗が多いことがわかったので、絶えず変化する市場に適応し、市場ニーズを満たす新製品・新事業開発を行うために必要な事業創造戦略を習得したいと志望動機に書きました。
  3. 研究の背景となる経験・資源:私は入社後ほとんどの期間、開発設計業務に従事してきましたので、担当製品を主体とした職務経歴を書きました。したがって、研究テーマに関連するのは直近の業務だけでしたが、自分自身の社会人としての経歴を選考する教官に理解してもらえればよいと考えました。記述にあたっては、専門用語を使わないように気をつけました。 

1次試験の対策として,まず過去問題のコピーを大学生協から入手しました。( 神戸大大学院入試情報のサイトに入手方法が書かれています。)

英語対策は、過去問題を見るだけでした。私は中学校以来ずっと英語が苦手で以前に大学にいた時も何度も語学は再履修していましたので、一朝一夕に学力は向上しないことを身をもって感じています。そこで,実際の1時間の試験で全問解答するのではなく、できそうな問題をいかに確実に解くかを考えました。私が受験したときは、問題は大きく2問となっており、それぞれ1ページ、半ページの英文を読んで5問と4問の小問に回答する形式となっていました。

そこで、まず、英文は読まずに小問すべてをじっくり読んで、頭の中に入れました。これらの問いの中で答えやすそうなものをまず解答しようと考えて、英文を読みました。辞書持込みありでしたが、1回目は辞書を引かずにわからない単語をマーカーでチェックしながら最後まで英文を読みました。内容はよくわからないですが、設問から考え合わせるとどのようなテーマで書かれた英文かがわかりました。次に辞書で不明な単語を調べましたが、英語力が弱いため多くの単語がわからなく、そこで、設問に関連ありそうな文章にしぼって単語の意味を調べました。試験は1時間もあるのでこのようなやり方で十分時間的には対応することができました。

もう1つの受験科目の小論文ですが、私が受験したときには小論文の過去問題のコピーサービスがなかったため、何もしませんでした。その点、今後の受験者は過去問題を参照することができるので、事前に受験対策をとりやすくなったと思います。

実際の試験では、解答を500字程度でとあったので、まず解答用紙の 500 字目のところにチェックマークをつけておき、そこまでで解答をまとめるように書いていきました。それから、選考される教官に読んで頂きたいため、最初に3行程度で結論を書きました。私は、小論文に正解はなく、いかに自身の考え方を伝えられるかだと考えておりますので、自分はどのように考えて結論を出したかということを、繰り返し書きました。私は30分程度で500字を書き終えたので、きっと小論文も解答時間としては十分あると思います。

2次試験では、研究計画書の内容を主体に聞かれるのですが、暗記しておくことは必要なく研究計画書に書いた概要だけ覚えておけばだいじょうぶです。面接時間も10ー15分程度しかないため、教官からの質問に対して素直に自分の考えを言えばよいと思います。実際、私の場合は研究テーマが絞りきれていないと言われましたが、授業を受けていきながら絞り込んでいくと答えました。また、研究計画書の中に書いてあった「創造的模倣」という言葉は自分で考えたのかという質問に対しても、何かの本に書いてあったのをもってきましたと回答しました。

受験勉強は、ひとそれぞれだと思いますが、私の場合、願書の提出まで1ヶ月もありませんでしたが、研究計画書を書くのも十分間に合いました。また、受験準備は早く着手した方がよいのかもしれませんが、 1次試験の準備は短期で差がつくとは思えません。いずれにしても、はじめるのに遅すぎることはないので、願書の締め切りが近いからということであきらめる必要は全くありません。さらに、入学後にわかったのですが、東京周辺から通学している同級生が数名おりますので、かなり遠くに住んでおられる方でも毎週末に神戸に行けるなら受験されることをお奨めします。本試験は、最終的に60数名が合格する試験なので、1番を取ることを考えずに60数名に入るにはどうすればよいかと考えて試験を受ければよいと思います。なお、前年の入学者の傾向をみてみるのもよいかと思います。2003年度入学者では、理系出身が4割もいますので、経営学にくわしくない受験者が多いと考えてよいと思います。2003年度入学の場合には、1次試験で半分以内に残り、2次試験でも半分以内に残れば合格できるので厳しい方ではないと思います。

以上の通り受験勉強について書きましたが、もちろん合格することも重要ですが、実際に授業が始まると参考図書、指定教科書、事前課題(宿題)、グループワーク、レポート、ミニプロなど、怒涛の如く時間が経過していきます。このため、仕事や家庭に加えて、授業準備の時間管理を的確にすることを余儀なくされます。神戸大の MBA では、おそらくどの授業でも、「知識を記憶すること」ではなく、プロジェクトを通じたプロジェクトマネジメントやグループメンバー達と議論して自身の考えの深さや幅を広げること、そしてなにより「自分の頭で考え抜くこと」が極めて重要になると思います。

受験生へのオススメ本

研究計画書の参考図書は、影山貴彦『社会人大学院生入門』世界思想社が薄くて読み見やすいです。また、ジャパン MBA ネットワーク『国内MBAスクールガイド』東洋経済新報社で他の大学院との違いを見ておくこともよいと思います。

研究テーマを考える際の参考用としては、他のゼミ教官が紹介された伊丹敬之『創造的論文の書き方』有斐閣をおすすめします。神戸大学の加護野忠男教授 『<競争優位>のシステム』PHP研究所、『企業変革のパラダイム』講談社が楽しく読めて、参考になります。マーケティングの入門書の沼上幹『わかりやすいマーケティング戦略』有斐閣も読みやすいです。池上重輔『わかる!MBA』PHP 研究所も図が多くて分かりやすいと思います。