塩谷かおり さん
2003年度入学生 坂下ゼミ
MBAプログラムの入学選考は、筆記試験(英語と小論文)と書類審査、口頭試験によって行われますが、なかでも準備に戸惑ったのは、出願時に提出する「研究計画書」でした。現在プロジェクト研究などを通じて学んでいる最中ですので、未だ自己流ではありますが、わたくしの場合をご紹介します。
研究の計画といっても何から着手すればよいのか、どれぐらい詳細な計画をたてる必要があるのかなど、はじめのうちは漠然とあれこれ思い巡らせていました。後々、それは「なぜ大学院で学びたいのか」「大学院で何を研究したいのか」の根幹に関わることと捉えるようになりました。
社会人として仕事をするなかで、もっと良くしたいこと、なかなかうまくいかないこと、なぜこうなっているのだろうと思うことなどに日々直面します。わたくしの場合は、仕事柄ひとと組織に関わることについて強い関心を寄せており、そこでの問題意識を整理することから始めました。「それを一言でいうとどういうことか」「2分で話すとどうか」「400字で書き著すとどうか」と繰り返し考えるうちに、本当にしたいことは何かが、徐々に明確になっていきました。最終的に「?のために、?という手段によって、?をしたい」と簡潔に表せるようになることを目指すなかで、自分の取り組みたい研究を深く検討することになりました。また、その過程で隣接する別の分野にも興味が広がり、関係書籍を手にする機会も増えました。
研究計画書を作成するうえで重要なことは、自分が研究したいことは何か、どのような背景からその研究をしたいのか、その研究の目的は何か、その研究を通してどのような成果が得られるのか、などをじっくりと考えて整理することだと思います。これらの内容を研究計画書に記述するのですが、いきなり書き始めるのではなく、考えるフェーズを大切にされることをおすすめします。
受験生へのオススメ本
などは、経営学を概観することができ、英語の試験に出題される内容のバックグラウンドの知識も得られます。自分の関心領域が、経営学のなかの、どのような位置にあるかを知ることは、研究計画を検討するうえでも役立つでしょう。
また、『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』ダイヤモンド社、『ビジネス・インサイト』現代経営学研究所、『一橋ビジネスレビュー』東洋経済新報社などの定期刊行物では、最新の研究やトピックスに接することができます。学術論文に触れてみたい場合は、例えば『組織科学』のようにインターネットで入手可能なものもあります。