分林増幸 さん

LVMHウォッチ・ジュエリージャパン株式会社勤務 2010年度入学生 栗木契ゼミ

2度目のチャレンジで合格

1度で合格していない私が語らせて頂くのは心苦しいですが、少しでもこれから受験される皆さんのお役に立てればと考え、執筆させていただくことにしました。

神戸大学MBA受験を思い立ったのが、2008年で1次試験の3ヶ月前でした。1次試験には下記の文献などを活用して何とかパスしましたが、2次試験の面接では無理してアカデミックに論じようとした為に、自分が考えていることが相手(教授陣)に伝わっていないことを肌で感じました。結果は予想通りの不合格でした。

その帰り道に自分を冷静に見つめてみると、あらためて自分の考えが整理できていないことに気づきました。「なぜ受験するのか」「何を研究・勉強したいのか」「なぜ必要なのか」「それを職場にどう生かして行くのか」「これまで自分が何をして来たのか」という一番大切な部分を軽視していたのです。そこで、これまでの経験を体系的に振り返ることを考えました。それを経営学の観点から見つめ直すことに時間を費やしました。その時に教科書にしたのが、『ゼミナール経営学入門』(伊丹敬之・加護野忠男(2003)、日本経済新聞社)です。これは非常に参考になりました。

そこで、整理しておいた結果、再チャレンジの2次試験の面接では落ち着いて答えることができました。約10分という短い時間ですが、意表を突く質問もありました。例えば、「前職のそごう(百貨店)が破綻した理由は?」「外資系ブランドから見て日本製品がグローバル市場で売れない理由は?」など、自分がどのような背景に存在して、どのような問題意識を持っているか。という内容の質問が多かったと思います。そこを切り抜けたことで、何とか合格できたのだと思います。

合格発表と同時に東京転勤

発表があったすぐ後に、会社から東京本社への転勤を命じられました。その時は、正直言ってかなり迷いましたが、目指していた神戸大学MBAを諦めることも出来ず、毎週末に神戸に通うことを決めました。最初は「東京の学校を探してはどうか」「本当に両立できるのか」など色々と言われましたが、最終的に理解してくれた会社と上司に大変感謝しています。

学校生活がスタートすると、毎週の授業(複数の課題)に加えて、グループ単位でのプロジェクト研究など、仕事と学校の両立は、移動距離もあり想像以上に厳しいものでした。しかし、それらに取り組む中で、グループメンバーから得られる「学び」や「気づき」は自分にとって大きな財産になり、充実した時間になりました。

今、現在は修士論文の提出に向けてゼミが中心ですが、ここでも担当して頂いている栗木准教授のご指導は勿論ですが、仲間からの厳しい質問などが良い刺激になり、何とか先が見えてきた感じです。

最後に、一番大切なことは「家族の理解」だと思います。締め切りに迫られて、時間的に余裕がない時が多いので、家族の理解が無いとやり遂げることはかなり厳しくなると思います。

≪試験対策≫

まずは過去問題(コピーサービス)を収集して、傾向を把握することをおすすめします。各項目は、以下の通りです。

小論文

小論文対策としては、『日経ビジネス』がおすすめです。私は毎号の特集をノート一枚にまとめることを繰り返しました。(各企業の事例など参考になります。)文章力の鍛錬と日本経済の課題を整理する意味でこれがかなり有効な勉強になりました。

  • 吉岡 友治 (2002) 「大学院・大学編入学社会人入試の小論文 – 思考のメソッドとまとめ方」 実務教育出版
英語

英語対策としては、『MBA速読英語』(グローバル タスクフォース、(2005)大和書房)などがお薦めです。私は出来ませんでしたが、時間があれば『ハーバードビジネスレビュー』なども良いと思います。

研究計画書

実務又は将来進みたい方向から、ブレない方が良いと思います。現状抱えている課題や将来的に直面する課題などがベストだと思います。

  • 飯野 一、 佐々木 信吾 (2003) 「国内MBA研究計画書の書き方 – 大学院別対策と合格実例集」 中央経済社
  • 金井壽宏(2005)『リーダーシップ入門』日本経済新聞社
面接

とにかく自分のこれまでの職歴を整理して、「面接当日、なぜここに自分がいるのか?」という問いを明らかにしておくことが大切だと思います。特に節目に起きた出来事などは、整理しておくと役立つと思います。

  • 伊丹敬之・加護野忠男(2003)『ゼミナール 経営学入門』 日本経済新聞社
 

 

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