日本産業事情応用研究(RST2017)報告

【日程】2017年6月12日(日)~ 6月15日(木)

経営学研究科 講師 中井正敏

本年の日本研修は、クランフィールド大学よりMBA生24名と引率教員1名、神戸大学MBA生20名の参加をえて、6月11日(日)から15日(木)までの日程で行われました。本年のクランフィールド大学学生の国籍は、英国のほか、レバノン、中国、ブルガリア、ジンバブエ、インドネシア、インドの計7か国と例年同様多彩な顔ぶれでした。研修は、例年同様、神戸大学教授陣による講義、クランフィールド大学、神戸大学双方のMBAによるプレゼンテーション、企業訪問の他、奈良東大寺見学、大覚寺での抹茶体験、ウェルカムパーティでは殺陣の実演等クランフィールド大学の皆さんには、日本文化を大いに体験してもらいました。双方が交流を深め、有意義な研修になってくれていれば幸いです。企業訪問にご協力をいただいた企業の方々をはじめ関係の皆様にも心より御礼申し上げます。以下、日本研修の概略、またおもてなしの心を存分に発揮した神戸MBA生のひとことを紹介します。

6月11日(日) 午前 神戸大学六甲台キャンパスにて、神戸大学教授陣による講義

  • 平野恭平准教授
    「History of Japanese Production System」
  • Jittima TONGURAI准教授
    「Firm Internationalisation: Evidence from Japanese firms in the Greater Mekong Subregion」

午後

クランフィールドMBA・神戸MBAによるプレゼンテーション
神戸MBAよりは忍者・手裏剣の紹介がされ、クランフィールドMBAには手裏剣の投げ方を学んでもらい、実演してもらいました。
夜は恒例の神戸大学MBA生主催のウエルカムパーティ。殺陣の実演他で多いに盛り上がりました。その後2次会はボーリング大会・カラオケパーティ。
6月12日(月) 午前 パナソニック(株)訪問
松下幸之助記念館見学および企業概要・企業理念に関するプレゼンテーション
午後 日本文化体験(奈良東大寺見学)
6月13日(火) 午前 日本文化体験(大覚寺にて抹茶体験と拝観)
午後 ローム(株)訪問 施設内見学および企業概要・CSRに関するプレゼンテーションとディスカッション
6月14日(水) 午前 アストラゼネカ(株)訪問 日本の製薬業界および日本の企業文化に関するプレゼンテーション
午後 西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)安全研究所 訪問
企業概要及び安全に関する研究成果プレゼンテーション・ディスカッションと研究施設見学
神戸大学経営学研究科主催のウェルカムレセプション
6月15日(木) 午前 川崎重工業(株)訪問 企業概要と当社の取組に関するプレゼンテーションおよびカワサキワールド見学

 

クランフィールド大学・神戸大学共同による日本研修はここまでですが、クランフィールド大学一行は、午後東京に移動、東京での研修後6月19日(月)に帰国しました。

ここからは、研修に参加した神戸MBA生からのひとことです。

  • 「短い期間でしたが、Cranfield-MBAの皆さんとの交流を大変楽しむことができました。彼らは皆、MBAを終えた後のビジョンがはっきりとしており、現在の学びを次の仕事へ活かす準備が着々とできあがっているようでした。私も2月にはそのような姿になれるよう、日々の学びに努めます。」
  • 「日本でMBAプログラムに参加するものとして、海外のMBA生と交流したいと思い、今回のRSTプログラムを受講しました。クランフィールド大のMBA生は欧州系だけでなく、アジア系の学生も多く、またパートタイム(エクゼクティブ)だけでなく、フルタイムの学生も参加する等、非常に多様性があるというのが第一印象でした。彼らの神大生との共通点は20代~40代までと様々な年齢層の受講者が多い事と授業で積極的に質問されたり、研修中は様々な事に挑戦されようとするなど非常に積極的な事です。UK研修までにイギリスに関する理解を深めて、日本の良さを伝えるだけでなく、クランフィールド生のように体当たりでイギリスのすばらしさを学びたいと思っております。」
  • 「RSTプログラムは、神戸大学MBAを希望した理由の一つでした。グローバルでの製品開発に携わっており、海外の企業訪問や海外MBAの方との交流を通して、新しい視点を学べると考えたからでした。実際にプログラムに参加したところ、クランフィールドのMBA生は国籍が多様であり、考え方や立場が全く異なる方と勉強されていることがよく認識できました。企業訪問においては、クランフィールドのMBA生とディスカッションする場を頂き、大変刺激を受けました。さらにウェルカムパーティーでは、RST参加者全員で取り組み、「おもてなしの心」という日本の文化をお伝えできたのではないかと感じます。今回の学びを生かし、英国研修時には貪欲に様々な情報を吸収し、自分の成長に生かしていきたいです。」
  • 「私は普段の業務で、英語は勿論、海外の方と接することはないため、英語は苦手ですが、自分の視野を広げるためにRSTに参加しました。当初はコミュニケーションが難しいのではと危惧していましたが、クランフィールドの皆さんはとてもフレンドリーで、かつ優秀で、貴重な経験を得ることができました。2月には我々がイギリスに行くことになりますが、多くの学びを得られるよう、しっかり準備して望みたいと思います。また、クランフィールドの皆さんとの交流も非常に楽しみです。」
  • 「クランフィールド大の方々は色々なバックグラウンドがあって、話していて面白いです。出身国も職業もバラバラ。空軍・海軍からの派遣で通われてる方も多数。MBAの課題のしんどさは万国共通っぽいので、とりあえずそこは取っ掛りになります。」
  • 「日本研修では、プレゼンテーションと企業訪問時の担当事業説明をさせて頂きました。短い時間ではありましたが、クランフィールド大学の皆様との交流を通じ、新しい視点や価値観を共有できたことは、非常に良い経験となりました。来年2月の英国訪問時までに、英語でのコミュニケーションスキルをよりブラッシュアップして、深くディスカッションが出来ればと思います。」
  • 「パーティー班と企業訪問の対応企業側として、今回のRST2017日本研修に臨みました。パーティー班としては、彼らに日本の「チャンバラ」を知ってもらいたいということで、プロの殺陣集団の方に来ていただき、公演と殺陣体験をしてもらいました。自分の想像以上に盛り上がり、彼らにも喜んでもらえたのではないかと思います。企業訪問対応としては、同社の2017年度入学の同学年のメンバー(私含め合計4人)の力を借りて、会社の全体紹介だけでなく、各事業所のトピックスについてもプレゼンを行い、「広く、浅く」なりがちな企業紹介に少しでも「深み」を持たせられるように工夫しました。英語が苦労したので、今回を英語学習のモチベーションにできるように頑張ります。」
  • 「訪日された約20名の出身国は、8か国、英国出身者は約半数でした。一度にこれほど多くの国の方々とお話できたことは、大変貴重で刺激的な機会となりました。企業訪問で資料館を見学している時、「文書の縦書きと横書きの使い分けは?」という質問をいただきました。日本の慣習等についての質問を通じて、日本の理解が深まる良い機会でもありました。」
  • 「ウェルカムパーティーの企画をさせていただきましたが、日本の文化を海外の方にお伝いするいい機会をいただきました。クランフィールドの方々をしっかりおもてなしできた反面、日本人でありながら、海外の方の日本に対する質問にしっかり答えることのできない不甲斐なさを感じました。これを機に語学力の向上に加えて、日ごろ何となく考えていることの意味や成り立ちについても理解を深め、イギリス訪問時にはより日本をアピールできるようにしたいです。」
  • 「企業訪問や交流の場を通して、英国のMBA生と企業の経営のあり方について議論したり、お互いの国での仕事の実情を話す事ができ、MBAの講義や議論では得られない経験ができました。」
  • 「普段は一般公開していない半導体企業を訪問し見学させて頂きました。半導体ができるまでの過程を詳しく説明して頂き、非常にクリーンな部屋で作業している様子をガラス越しに見学させて頂き、大変勉強になりました。」
  • 「学生との交流を通じて、海外のビジネススクールの雰囲気を感じとることができました。また、国内の企業訪問は日頃では経験することのできない貴重な経験でしたが、そこでの討議も気づきが多く、参加してよかったと思います。」
  • 「一番の収穫はM1における仲間ができたことです(M1は全員で71人いるので、なかなか顔と名前が一致しません)。短期間で準備する過程で互いの人となりを知ることができました。」
  • 「RSTプログラムには、2つの大きな価値があると感じています。ひとつは、キャリアプランの形成にポジティブな海外の学生(といっても、社会人)のものの見方を講義や会話の中から実感できて自分のモチベーションアップに繋がること、もうひとつは神戸大MBAの座学で得ている知識を実社会の、しかも違う業種の企業活動に照らして考えられること。また、RST参加メンバー同士の交流も楽しいですね。時間と予算があれば、皆さんにぜひオススメです!」
  • 「英語のSpeakingとListening能力の向上は必須だなぁとあらためて認識したのと同時に、クランフィールドのみなさんが日本の文化をとても勉強してくださって発表してくださったことに大変感銘をいたしました。来年クランフィールドに伺うときにはイギリスの文化についてももっともっと勉強してそれに基づいて会話がふくらませ、異文化交流をもっと活発にしたいと思います。」
  • 「クランフィールドの皆さんはとても気さくで、私の拙い英語にも快く接してくださいました。一緒に奈良の東大寺を訪問しましたが、日本の寺院や歴史に強く興味を持たれているのだなと感じました。明るくて、エネルギッシュで、礼儀正しくて、知的な方々との交流ができて、本当に良い経験になりました。」
  • 「全然英語ができなかったが、クランフィードの方々は、すごく優しく接してくれました。彼らの何かを感じとろう、学ぼうという姿勢は、自身の態度の見直さなければという気持ちにさせてくれました。非常に短かったが、濃厚な時間を過ごすことができました。イギリスでは彼ら質問攻めにしたいと思います。」
  • 「Cranfield大生の、何かを掴んで帰ろうという熱意の高さ、またビジネスのみならずリベラルアーツ全般に対する見識の深さに、大いに刺激を受けました。イギリスに行った際に、彼らをあっと言わせられるよう、見識を深めていきたいです。」
  • 「クランフィード大学の学生との交流は、普段のMBA生活とはまた違った刺激を多く受ける機会となりました。次回、イギリス訪問時には今度はこちらがいろいろな刺激を与えられればと思います。」
  • 「Thank you for visiting Kobe university. We very much enjoyed RST program with Clanfield team. We wish your success in Clanfield MBA and in your business scene.」

◇ スナップ写真集