英国産業事情応用研究(RST2017)報告
【日程】2018年2月11日(日)~ 2月17日(土)
【行先】 ロンドン、クランフィールド大学(イギリス)
日英産業事情応用研究(通称RST=Reciprocal Study Tour)は、英国クランフィールド大学と神戸大学が協働して提供しているMBA生向けプログラムです。このプログラムは、6月に行われる、クランフィールド大学MBA生が来日する日本研修プログラムと、2月に行われる、神戸大学MBA生が渡英する英国研修プログラムから成り立っています。今回は、2月に行われた英国研修プログラムの様子を紹介します。
引率教員から一言
本年の英国研修は、2月11日(日)から17日(土)までの日程で行われました。直前に仕事の関係で急遽参加できなくなった人が3名でたため、最終、16名の参加と例年より少なめの人数となりましたが、その分、結束力が強く、密度の濃い研修となりました。直前に退官されたにも関わらず、神戸大学MBAのためにと、今年も、企業訪問に講義に文化体験にと盛りだくさんのスケジュールをリードしてくださったDavid先生をはじめ、クランフィールド大学の皆さん、企業訪問にご協力をいただいた企業の方々、関係の方々に心より御礼を申し上げます。
また神戸大学MBAのみなさん、事前準備、プレゼン等お疲れ様でした。実りある研修旅行になっていれば幸いです。以下、英国研修の概略、参加した神戸大学MBAの方からの感想記を紹介します。
研修概要
2月11日(日)
夕刻 ロンドン・ホテルに集合
夜クランフィールド大学David先生を交え、恒例となったパブでのキック・オフ・ディナー
2月12日(月)
二階建てバスに乗って、トラファルガースクウェア、ビッグベン、ウェストミンスター寺院の脇を通り抜け、最初の訪問先 Rolls Royce社へ。少し早く着いたのでDavid先生の計らいでバッキンガム宮殿へ。Rolls Royce社の後、クイックランチをすませ、今度はTUBE(ロンドン地下鉄)で2番目の訪問先 Euromonitor社へ。今日の研修はここまで。その後またまた二階建てバスでテムズ川を渡り、ウオータールーへ行きロンドン・アイ(ロンドンにある大観覧車)乗車体験。天気にも恵まれ、ロンドンの夕景が楽しめました。その後、テムズ川のディナークルーズ。少し寒かったですが、船上からのロンドンの夜景、そしてダンシングタイムを楽しみました。盛りだくさんの一日が終わりホテルにもどったのは11時を過ぎていました。
2月13日(火)
TUBEでロンドンの金融街Cityへ。地下鉄の駅名もBank。本日最初の訪問は、Brown Shipley社。日本ではあまり馴染みのないプライベートバンキングを行っている会社でちょっとみなさん戸惑い気味でした。その後、ギルド・ホール、セントポール寺院を見ながら、ミレニアムブリッジへ。雨模様でそうそうに引き上げ昼食。午後は、M&A情報の調査、分析等を行っているMergermarket社、英国最大の保険会社であり、世界中に多くの顧客を抱えるAVIVA社。本日夜は束の間の自由時間。みなさん思い思いにショッピング、ミュージカル等を楽しんでいました。
2月14日(水)
朝早くにバスでロンドン郊外のルートン空港へ。Easyjet社訪問。格安航空会社ですが、日本で言うLCCとは少しビジネスモデルが違うようです。特別にコントロールセンターも見学させてもらいました。昼食は、ローカル線の古い駅舎を利用したRichimond Station Tea Roomsにて英国伝統のCream Tea。午後はミルトンキーンズ近郊にあるBlechley Park見学。第二次世界大戦時にナチス・ドイツが使用したエニグマ暗号の解読に成功した政府暗号学校が設置されていた場所で博物館になっています。夕方クランフィールド大学に到着。夜は、クランフィールド大学MBA生主催のValentine’s Day Partyカラオケで盛り上がりました。
2月15日(木)
終日クランフィールド大学滞在
午前中は、神戸大学MBA生によるプレゼンテーション
午後は、クランフィールド大学Joe Nellis 先生の講義
「Brexit and the UK」
クランフィールド大学David Simmons先生による講義
「British Culture and Cultural trend」
夜は、クランフィールド大学主催によるウェルカムディナー
2月16日(金)
午前Lipton紅茶で日本でもお馴染みのUnilever社訪問。その後Cambridge University Press社へ。ご好意で昼食もご馳走になりました。午後はケンブリッジ ウォーキング・ツアー。夕刻ロンドンへ移動。最終夜は自由行動(打上げ食事会をやりました)
2月17日(土)
朝解散
ここからは、神戸大学MBA生の感想記です。(原文のまま掲載)
- 今回、はじめてイギリスを訪問しました。訪問した企業は世界的に有名なところばかりで、RSTでなければ伺えないと思います。貴重な話をたくさん聞くことができました。Strategyの授業で習った「competitive advantage」という言葉が、何度も出てきて”これが真のグローバル企業なのかぁ”、と感じました。すべて英語で行ったクランフィールド大学でのプレゼンテーションは大変貴重な経験となりました。本当に参加できて良かったです。
- 英国の企業訪問では、普通の観光旅行では経験できない貴重な経験をさせて頂きました。ロンドン郊外のルートンにあるLCCのeasyJet本社では、コントロールセンターを見学させていただき、Brexit対策など貴重なお話を伺うことができました。世界最古の出版社であるCambridge University Pressでは、一般には公開されていない資料室を見学させていただき、アインシュタインの直筆のサインなども見ることができました。Cranfield大学ではあたたかく歓迎して頂き、1週間があっという間に過ぎ、とても楽しい英国研修旅行でした。」
- 途中リタイアはいつでもできる。1%でも行きたいと思ったら迷わず登録を!判断の躊躇は後悔を残すだけだ!
- 仕事を1週間休む時間的余裕があれば、RSTに参加してみてもよいかも。無理はしすぎないでくださいね。
- 「参加してよかった!」。英国から日本への帰路で感じたことです。RSTの英国研修は理論と実践における「実践」の場に触れることができる絶好の機会です。企業訪問ではMBAで学んだことが現実として起こっていることを確認しました。また、クランフィールド大学の講義では英国の歴史・文化についても学ぶ機会があり、日本との比較を通して視野が広がりました(私たちはBrexitに関する講義を受けました)。日本研修と同様に自分たちで組み立てるパートがあり、参加メンバー各々が協力しながら作り上げました。自分たちで工夫して作っていくことができる点もRSTの魅力です。神戸大学MBAに入学したからにはRSTを履修されることを強くお勧めします。
- 様々な業種の企業を訪問することができ、最新の経営課題や取り組みを直接聞ける貴重な経験でした。また、訪問した企業で働く日本人との出会いは、自分のキャリアを考える上で、とても刺激的でした。海外MBAの学校生活に触れることもでき、普段の旅行で経験することのできない充実した英国研修でした。
- 英語がしゃべれなくても大丈夫。一緒のご飯を食べて、踊れれば感じるものがあります。チャンスと思って参加という一歩を踏み出せば、得られるものは絶大です。
- 4月から受講していく様々な授業が実際のビジネスにどのように展開されているか?RSTプログラムでは、訪問したUK企業の多くで「モノ・ヒト・カネ」、そしてサービスイノベーションを活用して企業・事業の価値を生み出していく営みをまざまざと見せつけられた1週間でした。また、クランフィールド大学では世界中から集うMBA生との交流も多様性に触れられる良い機会となりました。せっかく神戸大学MBAに来たのだからと思いRSTプログラムに参加した経験は、これからの企業人生に有意義な気づきとアイデアをもたらしてくれました。
- 英国研修は、MBAプログラムに参加しない限り企業訪問が困難な企業を訪問することができました。現在のUKの市場環境で懸念されている「Brexit」について、各企業から様々な意見を頂き、状況を直接体感することが出来るという点は、この研修の醍醐味ではないかと思います。また、グローバルに関わる業務に関わっていますが、英語力の無さを痛感したと共に、別途英語の勉強意欲が湧いたことも有意義な時間でした。英国研修は入学した直後に出席の有無を決定する必要があり、迷う方も多いと思います。業務がどうなるか数か月後の状況は不明確であることが一般的ですので、参加する意思がある方は参加の意向を示した方が良いと思います。ぜひ、ご自身の目で企業文化の違いや市場環境を体感し、経営に関するより深い考察に役立てて頂きたいです。
- 今回の英国研修において最も大きな学びは、「グルーバル競争で勝つことの難しさ」です。イギリスで我々を迎えてくれたグローバル企業の社員のレベルに加えて、組織としての成熟度に対して、私の所属している日本企業との差を感じることができました。さらに、クランフィールド大学で世界中から集まっているMBA生のモチベーションの高さにも非常にいい刺激をもらえました。日本企業がグルーバル企業やグローバル人材が豊富な会社にビジネスで勝つためには正攻法では不十分であり、経営戦略が非常に重要だと再認識しています。残りのMBA生活、モチベーションを保って学びを広げたいと思います。
P.S. 英語が苦手なのですが、周りの方がサポートしてくれるのでなんとかなりました。少しでも興味のある方は受講登録された方がいいと思います! - 英国は日本と同じ島国でありながらも産業・歴史・周辺環境などが大きく異なり、非常に有意義な1週間を過ごすことが出来ました。これ程のスタディツアーを経験できるのは大変な幸運であったと思います。人生で二度と無い体験でした。本研修に少しでも興味があるMBA生に一つ、心からのご提案としては『キャンセルはギリギリまで可能なので、まずは申し込むべき!』の一言です」
- イギリスの計8社の企業訪問は、私にとってグローバルに通用するビジネスを考える上で非常に貴重な機会となりました。航空、食品、銀行や市場調査など多様な企業の責任者の方々からそれぞれのビジネスのエッセンスを得られ、我々MBA生の経営に関する素朴な疑問にも事例も交えて非常に丁寧に説明頂けました。企業によっては勤務中のオフィス環境を見せて頂けたり、ティータイムに従業員の方と雑談できたりと、イギリス企業のリアルな日常も体感できました。特にビジネスの海外展開に関わったり今後関わる予定の方には、是非参加される事をお勧めします!
- 英国研修では、1週間でさまざまな業種8社を訪問しました。また、クランフィールド大学内に2泊し、学生さんたちと交流をあたためました。社会人になって、このように異国の異業種企業を複数一度に訪問することや大学に滞在することって、そうないことですよね?神戸大MBAプログラムならでは!のこの機会を活用しない手はないと思います!企業訪問の際には、ビジネスのディスカッションもさることながら、各社オフィスの雰囲気(概ねオープン、自由)、そこで働く人たちの価値観にも触れることができ、学び・気づきの豊かな研修でした。きっと「行ってよかった!」と思える120%オススメの科目(研修)です!!
- 毎晩飲んで、毎日走り、毎食食べられるだけ食べ、動き回ったこの1週間。(走行距離75km、平均睡眠4時間)大手企業の経営層、マネージャーとのディスカッションを通し、最先端の経営、様々なキャリアや価値観と触れ合う事が出来ました。特に海外でMBAが評価されている理由と国内MBAでも負けていない点を体感出来たのが一番大きかったです。
- 私が英国研修の存在を知ったのは、受験前に神戸大のHPです。そのときは、普通では訪問できないような企業を訪問して話を聞くことができる、素晴らしい研修だと思い、願書にも合格したら是非行ってみたい、と書きました。そして、MBAに合格し、いざ履修登録を行う時になり、最初は申し込みをしませんでした。それは、英語が苦手だからということと、講義やレポートだけでも精一杯なのに、これ以上無理だと思ったからです。しかし、入学前のことを思いだし、そもそも何のためにMBAを目指したのかを考え直しました。それは、自分の成長のためです。成長するためには、自分の枠の中で対応できることしかやらないということではダメだ、と思い直し、自信は全くありませんでしたが、思い切って申し込みしました。そして、実際に研修を終えて今感じていること、それは、経験できて本当に良かったということです。イギリスという国を肌で感じたこと、グローバル企業を実際に訪問して話を伺ったこと、クランフィールド大学の教授の講義を受けたり学生さんとコミュニケーションをとったこと、そして、一緒に行った同級生との共同作業、全てが本当に素晴らしい経験でした。こんな経験ができるのは、神戸大MBAしかないと思います。神戸大の先生方とスタッフの皆さま、サポートいただいた同級生の皆さま、そして最大のおもてなしをしていただいたクランフィールド大のDavit先生、本当に素晴らしい経験をありがとうございました。
みなさんお疲れ様でした。