英国産業事情応用研究(RST2015)報告

【日程】2016年2月7日(日)~2月13日(土)
【行先】 ロンドン、クランフィールド大学(イギリス)

日英産業事情応用研究(通称RST=Reciprocal Study Tour)は、英国クランフィールド大学と神戸大学が協働して提供しているMBA生向けプログラムです。このプログラムは、6月に行われる、クランフィールド大学MBA生が来日する日本研修プログラムと、2月に行われる、神戸大学MBA生が渡英する英国研修プログラムから成り立っています。今回は、2月に行われた英国研修プログラムの様子を紹介します。

経営学研究科 講師 中井正敏

引率教員から一言

本年の英国研修は、神戸大学MBA生16名の参加を得て、2月7日(日)から13日(土)までの日程で行われました。今年も、企業訪問に講義に文化体験にと盛りだくさんのスケジュールでしたが、クランフィールド大学の計らいで、めったに入ることのできない、国会議事堂の中にもはいることができました。研修以外でも、マナーハウスでの夕食、クリームティーでの昼食、リーバークルーズ等、素晴らしいプログラムを用意していただいたDavid先生をはじめクランフィールド大学のみなさん、企業訪問にご協力をいただいた企業の方々、関係の方々に心より御礼を申し上げます。また神戸大学MBAのみなさん、事前準備、プレゼン等お疲れ様でした。実りある研修旅行になっていれば幸いです。以下、英国研修の概略、参加した神戸大学MBAの方からの感想記を紹介します。

研修概要

2月7日(日)

夕刻 ロンドン・ホテルに集合。
夜クランフィールド大学David先生を交えパブでキック・オフ・ディナー。

2月8日(月)

午前 バーバリー旗艦店および本社訪問
午後 PwC社 訪問。
夕刻 ロンドン・アイ乗車体験

2月9日(火)

午前 World Fuel Services社 訪問。
午後 BP社 訪問。ロンドン市内観光。
夜  クランフィールド大学MBA生とテムズ川リバークルーズ。

2月10日(水)

午前 国会議事堂視察。
午後 ケンブリッジ観光 その後クランフィールドへ移動。
夜  クランフィールド大学主催によるウェルカムパーティー。

2月11日(木)

午前 Unilever社 訪問。
昼  Mill Houseにてクリーム・ティー。
午後 クランフィールド大学David先生による講義「Introduction to Britain」
神戸大学MBAによるプレゼンテーション

2月12日(金)

午前 T-Systems社 訪問。
午後 Altro社 訪問。 夕刻 ロンドンへ移動。

2月13日(土)

朝  解散

◇RST2015英国研修に参加して

参加者を代表して、藤代 祥之から英国研修の感想をお伝えさせていただきます。

「RSTに参加してよかった!」RSTに参加したメンバーの、素直な感想です。RSTは数あるMBAの授業の中で最も充実感が高い授業の一つです。

今回のRST英国研修では7社の企業への訪問、Cranfield大学でMBAの学生に英語でのプレゼン、またロンドンやケンブリッジの観光など、密度の濃いここでしか出来ない経験に溢れた一週間を過ごしました。

企業訪問の最初は、ロンドンの真ん中Burberry旗艦店への訪問から始まりました。朝9:00、開店前の一時間を神戸大学の学生だけの為のシークレットオープンです。その後Burberry本社に移動して、経営戦略、人材開発、SCRの取り組みを各部門のトップの方の説明を聞きます。こんな経験をしたことのある日本人は、数えるほどしかいないのではないでしょうか?

企業訪問はその後も、会計監査、税務、コンサルティングなどを手掛けるPwC、BPのトレーディング部門、飛行機や船への燃料供給サービスを提供するWorld

Fuel Services、Liptonや Doveなど食品、ヘルスケア商品を多く持つUnileverの研究所、ITソリューションプロバイダーのT-systems、床材を製造販売するAltroと続きます。訪問先事業は事前にメンバーで手分けして調査しています。準備した問題意識を頼りに、英語のプレゼンテーションを聞き、Q&Aに臨みます。もっと英語を勉強しておけば良かったと後悔をしながらも、日本でも訪問できないようなバラエティに富んだ産業、事業規模、事業部門の方々と話をする貴重な機会でした。

企業訪問の合間を縫って楽しんだロンドンやケンブリッジの観光も衝撃的で感動的でした。今回は、幸運にも英国の国会議事堂であり、ビッグベンで有名なウエストミンスター宮殿の中に特別に入ることができました。ケンブリッジではハリーポッターの世界の様な数百年の歴史ある建物にあふれています。皆で騒いだパブでさえどこか趣があり、歴史に包まれて日常生活が廻っています。英国人の伝統や歴史に対する考え方は、日本人のそれとは根本的に違う事を肌で感じた瞬間でした。

クランフィールド大学では、クランフィールド大学のDavid Simmons教授による英国の歴史と文化についての講義を受け、神戸大学MBAを代表して日本のビジネストピックについて4つのプレゼンテーションを行いました。テーマプロジェクトの忙しい時期と平行して準備した英語のスライドを、世界中から集まったMBAの学生に英語で発表します。クランフィールドMBA学生の中には来年神戸大学を訪問することが決まっている学生も多く、日本への強い興味を感じました。去年の春に神戸大学を訪問したクランフィールド大学MBAのOBとは再会を喜び、今年の春に神戸大学を訪問するMBA学生とは数カ月後の再会を約束しました。言葉の問題はありますが、伝えたい気持ちがあれば身振り手振りで意外とコミュニケーションが成り立ってしまうのが不思議なところです。

振り返ってみれば、この英国研修はMBAの仲間と共に、自身の視野を拡げる本当に素晴らしい一週間でした。こんな経験ができるのは、恐らく一生に一度です。成長の為に来ている神戸MBA。皆さんも、英語への不安は横において、まずは行って見て何かを感じてみてはどうでしょうか?

◇ スナップ写真集