英国産業事情応用研究(RST2022)報告

日程
2023年2月19日(日)~2月25日(土)
行先
ロンドン、クランフィールド大学(イギリス)

日英産業事情応用研究(通称RST=Reciprocal Study Tour)は、英国クランフィールド大学と神戸大学が協働して提供しているMBA生向けプログラムです。このプログラムは、6月に行われる、クランフィールド大学MBA生が来日する日本研修プログラムと、2月に行われる、神戸大学MBA生が渡英する英国研修プログラムから成り立っています。今回は、2月に行われた英国研修プログラムの様子を紹介します。

経営学研究科 講師 戸梶奈都子

引率教員から一言

本年の英国研修は、2月19日(日)から25日(土)までの日程で行われました。コロナ禍の影響を受け過去2回中止となっていた英国研修が復活しました。参加者は22名とコロナ前と同様に多くのMBA生が参加しましたが、リーダー陣のもと強い結束力で、大きな事故もなく無事研修をおくることができました。本年も、企業訪問に講義に文化体験にと盛りだくさんのスケジュールを準備してくださったクランフィールド大学の皆さん、企業訪問にご協力をいただいた企業の方々、関係の方々に心より御礼を申し上げます。

また神戸大学MBAのみなさん、事前準備、プレゼン等お疲れ様でした。実りある研修旅行になっていれば幸いです。以下、英国研修の概略、参加した神戸大学MBAの方からの感想記を紹介します。

研修概要

2月19日(日)
(夕刻)ロンドン・ホテルに集合
(夜) 夜クランフィールド大学Ms. Victoriaを交え、パブでのキックオフディナー
2月20日(月)
(午前)ロンドンを拠点に世界で会計事務所を展開するGrant Thornton社へ。会場では、Adam Cox氏による講演後、同氏がリードするパネルディスカッションに参加しました。
(午後)恒例のテムズ川のクルーズ、その後、ロンドン・アイ(ロンドンにある大観覧車)乗車体験。高層からロンドンの街を満喫しました。
2月21日(火)
(午前)金融街Cityへ。コロナ禍とEU離脱の影響が気になる中、イングランド銀行、王立取引所等由緒ある建物をまわりました。昼食は、午後の訪問先Lloyds of Londonに向かう途中のレドンホール・マーケットで。
(午後)保険の総本山Lloyds of London訪問。普通では入ることのできない実際に取引を行うフロアー、タイタニック号沈没の際も鳴らされた鐘(ルーティングベル)等も見学させて頂きました。
2月22日(水)
(午前)朝早くにバスでクランフィールド大学へ。到着後、Adam Nemenyi氏による講演に参加。
(午後)クランフィールド大学においてアントレプレナーシップの権威者であるStephanie Hussels教授による講義。その後、Joanne Alper氏による講演。
(夜)クランフィールド大学主催によるウェルカムディナー。
2月23日(木)
(午前)小型車で人気のあるMINI工場の舞台裏を見学のためオックスフォードへ。
(午後)クランフィールド大学にもどり、グループに分かれてセッションを行いました。その後神戸大学MBA生によるプレゼンテーション。多くの学生が集まりネットワーキングイベントも経て、大変盛り上がりました。神戸大学MBAの皆さんご苦労様でした。
(夜)クランフィールド大学MBA生主催のカラオケパーティー。
2月24日(金)
(午前)英国大手サプライチェーンパートナーであるWincanton社の物流センターへ。
(午後)大学街ケンブリッジを視察、夕刻ロンドンにもどりました。
2月25日(土)
(朝)解散

ここからは、神戸大学MBA生の感想記です。(原文のまま掲載)

事後レポート 英国研修

RST2022リーダー 薄健二

私たち神戸大学MBA生22名は2023年2月20日~25日の日程で英国を訪問し、短期の英国研修プログラムに参加しました。研修プログラムでは、提携校であるCranfield大学のStephanie Husseles教授によるEntrepreneurshipに関する講義や、英国で起業されて成功を収められた方々による講演など、様々なイベントが用意されていました。起業家精神にあふれる神戸大学MBA生たちにとっては、実際の起業家たちのメッセージはとても刺激的で、重要な学びとなりました。また神戸大学MBA生からもCranfield大学MBA生たちに対して自分たちの研究内容をプレゼンテーションして議論する機会もあり、有意義な知的交流を楽しむことができました。この研修プログラムを通して得られたもう一つの重要なことは、ともに参加した学友たちとの関係性がより緊密なものになったことです。このことは何事にも代え難い貴重な機会であり、プログラムに参加できたことに心から良かったと思っています。

続いて、それぞれのパートの担当者からの各活動コメントです。

スピーカーイベント・講義

1. スピーカーイベント(Mr. Adam Cox)
adamcox.comの創業者であり,Reflare LtdのCSOでもあるAdam Cox氏から,英国の起業における6つの文化の違い,起業家の業務上の課題トップ10,そして英国のビジネス支援事業について講演を聞きました。豪州出身である同氏は日本の文化・習慣に大変明るく,①リスクと失敗,②個人主義と集団主義,③意見の多様性,④ヒエラルキーと権力,⑤コミュニケーションと意思決定,⑥ワークライフバランスの違いを紹介してくださいました。この中でも,「失敗は名誉の象徴」であり,「fail fast, fail cheap, fail forward」が評価されるという点は印象的でした。
2. パネルディスカッション(Dr. Matthew Wilkinson, Ms. Saori Okada, Mr. Chinedu Abanobi)
Adam Cox氏が司会進行役となり、英国の起業家3名の方々とパネルディスカッションを行いました。活躍されている業界はライフサイエンス・医薬のコンサルタント、コーチング、舶用機器のエンジニアリングと3名とも異なりますが、英国で事業を軌道に乗せるまでストーリーやその苦労話など様々な視点から起業家の経験を語ってくださいました。3名ともにブレグジットの影響もあり、英国の銀行から融資を受ける際には手続きから半年以上も要してしまうケースが多いことを語られ、融資の面からみると日本の方が起業しやすい環境かもしれないという意見もありました。また「もう一度起業を1からやり直すとしたら、どのような改善を行うか?」という質問に対して、Chinedu Abanobi氏が自身が身体を壊した経験を踏まえて「早い段階から権限委譲を行い、従業員への教育を徹底する」という意見が印象的でした。
3. 講義 (Dr. Stephanie Hussels)
緑豊かで美しいクランフィールド大学のキャンパスで、ステファニー先生のアントレプレナーシップの講義を受けました。講義内容は「アントレプレナーシップにおけるファイナンス」で、資金調達に関する内容。英国では起業を支援する制度が多くあり、そのような風土の中で多数の起業家がチャレンジしていますが、課題になるのが資金調達です。ステファニー博士は起業家の資金調達をアイスクリームのフレーバーに例え、創業時の企業にふさわしいフレーバーと量を選ぶことの重要性を説かれました。創業時は資産が少ないため成長期にキャッシュ不足に陥ります。それを乗り切るには借入金はなるべくしないこと、国の支援事業やエンジェル投資家、ベンチャーキャピタル等を上手く組み合わせ活用することについて事例を交えて具体的に示されました。グランフィールドのMBA生は起業への野心を持っている生徒が多いように感じましたが、このような講義から英国の起業家が誕生するのでしょう。
4. スピーカーイベント(Ms. Joanne Alper)
Adoption Plusはバッキンガムに拠点を置き、ロンドンを含めた英国各地にて児童の養子縁組斡旋サービスを提供している団体で、養子縁組・里親とのマッチングだけでなく、養子縁組後の養父母と子供に対して、児童臨床心理領域におけるソーシャルワーカー、プレイセラピスト等専門家を活用した様々なセラピーサービスを提供し、養父母と子供間の愛着関係の強化についてもサポートをしています。今回講演を頂いたジョアンヌ・アルパー氏は、自身もソーシャルワーカーとセラピストの資格を保有し、地方自治体の児童保護・養護チームでの長年の勤務経験を経て当団体を共同で設立、現在は当団体の理事を務められています。また彼女は絵本作家であり、養父母だけでなく養子を出してしまった両親に対するケアを説いた本の編集者でもあり、この領域においてマルチに活躍されています。直近では日本国際社会事業団(ISSJ)を通じて日本の児童福祉関係者向けにオンラインセミナーを実施予定とのことで、講演時のエネルギッシュさからも、そのアントレプレナ―シップを肌で感じる貴重な経験となりました。
5. ケーススタディ(Dr. Stephanie Hussels)
Day3に引き続き、Cranfeild大学のDr Stephanie HusselsによるCase Studyをベースとした授業を体験して、海外MBAのカリキュラムを実際に体験する機会を頂きました。本授業では、ドイツにあるBoschの事例を取り上げて、変化する産業環境に対応するために企業として企業内起業を進めていくか、ベンチャーキャピタル(VC)を通じて外部からイノベーションを持ち込むべきかということをグループに分かれてディスカッションしました。神戸大学でも同様にグループディスカッションを通じて学びを得ていますが、普段とは違った環境で新鮮な気持ちで議論をする機会となりました。日本とは異なる英国ならではの起業に対する視点は、日本に戻った後も私たちの仕事やキャリアを考える上で参考になると感じました。
6. スピーカーイベント(Mr. Michael Toxvaerd)
Michael Toxvaerdは、クランフィールド大学でMBAを取得し、多くの企業で取締役を務め、起業家、投資家、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティの専門家でもあります。
Micheal は、人生においてビジネスと自分の人生に大切なものが何かを『Life Pie』を通して語ってくれました。そしてビジネスにとって「人」はとても重要であること(ベストな人に囲まれていなければ成功しない)、エゴや傲慢さに隠れないこと、自分自身のSuperpowersとして、自分の強みを特定し強化する(自分の差別化要因に特化すること)、時間をどう使うのかを考える(時間をどう使っているのか、時間は自分の選択である)自分で決定して自分に大切なものを考える、自分のために時間をとることなど多くの教訓を教えてくれました。

企業訪問・スタディツアー

1. London City Finance Tour
London City Finance Tourはロンドン中心部に位置しCity of Londonと呼ばれるビジネスの中心地を巡るツアーです。ロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社(Lloyd’s of London)が置かれるイギリスの金融活動の中心地として、ニューヨークのウォール街に並ぶ世界経済の中心を2時間半かけて歩いて巡りました。ツアーはセントポール大聖堂の直下にあるSt. Paul’s駅からスタートし、金融街を代表する歴史的な建造物から、ギルドホール(1440年)などその街の骨格を形作って来た伝統的な建物群を巡っただけでなく、ブルームバーグ本社(2017年)など伝統の中にも革新を持つ新しい金融街の在り方を示す建物群を見ることができ、移り変わっていくロンドンの経済地区を一望することができました。最後にイングランド銀行を訪れ、その足元に時価1,000億ポンドの金塊が貯蔵されているという写真付きの説明を受けた時が一番皆さんのテンションが上っていたように思い、世界最大級の金融街の底力を垣間見た気がしました。
2. Lloyds of London
長年Lloyd’sで保険業者の審査を行われていた、元社員の方に事業及び施設概要について、説明いただきました。Lloyd’sの起源は1688年にCoffee Houseを営んでいたEdward Lloyd氏が店内のスペースを商人に貸し出し、船舶の保険販売を始めた事に由来します。
現在では戦争、サイバーアタックやテロリズムなどあらゆるリスクに対応する、世界最大の保険市場となっています。Lloyd’sの事業内容は、保険市場のハード面の管理と、そこに出入りする保険関連業者の信用審査です。Lloyd’sビルにBoxと呼ばれる取引スペースを有する保険業者は業界内でTop50位に限られており、Boxを所有する事で業界内の評判は非常に高まるとの事でした。
伝統を大事にする英国企業らしく、保険業者を意味する”Underwriter”や上記の”Box”はCoffee House時代から今も使われ続けている言葉だと伺いました。英国の国際貿易の歴史と共に築きあげられてきたビジネスモデルの一端を感じられた企業訪問となりました。
3. MINI/BMW
愛らしい外観が特徴の自動車MINIのオックスフォード工場を見学。この工場はイギリスのMINI生産3工場の一つであり、自動車ボディの溶接、塗装、完成組立を行っている。生産規模は年間30万台以上であり、この工場から世界に向けてMINIが出荷されている。工場内部を見学し、まず圧倒されたのは作業に関わるロボットの数の多さである。溶接という特殊な工程のためか、人の姿は無くロボットが淡々と作業をこなしており、その姿はまるでSFの世界に入ったかのようである。また、昨今の大きなトレンドであるEV車もガソリン車と同じラインで組立されており、車両構造が異なる両タイプをうまく同一ラインで製造しているところを見ると製造技術・生産効率の高さも伺えた。人件費が高いイギリスの地でこれほど省人化と生産効率化が進んでいるのであればMINIの品質は大丈夫なんだろうと勝手に思い込み、少しだけMINIが欲しくなったことを思い出す。日本でも自動車メーカーの生産工場を見る機会が無い中、今回の工場見学は非常に貴重な体験となった。
4. Wincanton
Wincanton社は、ミルクの運搬業界にルーツを持つイギリスの物流サービスプロバイダーです。同社はビジネス向けのサプライチェーン管理を含む輸送と物流サービスを提供しています。コンテナ輸送と保管、倉庫ソリューションや健康安全、ITサービス、人材移行などの関連サービスなどを提供に加え,小売業、消費財、建設、乳製品、国防、産業、燃料、エネルギーなど同社の事業領域は多岐に渡ります。現在、Wincanton社はイギリスとアイルランドに200以上の施設を持ち、約20,000人の雇用者を抱えています。我々はCorbyにあるWincanton社の物流サイトを見学させていただきました。コンベアシステムや自動倉庫システムなどの近代的な自動化技術が備わっており、効率的でスムーズな運営が実現されていました。非常に大規模な物流倉庫において自動化とIT化により限られた人員でのオペレーションを可能としながらも,雇用の創出や従業員の働きやすさにも配慮されているというお話を伺い,信頼性の高いサプライチェーンソリューションを提供する企業という印象を強く受けました。

Kobe プレゼンテーション

GroupAは製薬企業、医療施設勤務メンバー5名からなる医療チームでした。プレゼンテーションのテーマは「Strategic Human Resource Management」で、グループメンバーが勤務しいている小林製薬を題材に、日本独自のHRMについて紹介しました。小林製薬の商品は、イギリスでも販売されていて身近に感じてもらえる企業を選定して良かったと感じています。GroupAは英語があまり得意ではないメンバーだったのですが、全員で発表を分担して慣れない英語を人に伝えることができたことで自信に繋がることができたと思います。準備までの期間が短く、メンバーは現地に到着した後に各々練習に励みましたが、海外のMBA生の前で英語でプレゼンテーションをするという普段の仕事では得ることのできない貴重な経験ができました。日常の仕事では得られることのできない貴重な機会ですので、是非チャレンジしてみてください。

GroupBは、本社機能部門に所属している6名のメンバーで構成されたチームで、プレゼンテーションテーマとして「新規事業を継続的に生み出す企業特性の研究」について発表を行いました。日本企業で新規事業が生まれにくい現状を問題意識に挙げ、なぜ難しくなったのか、それを克服するために必要な条件は何か、企業はどのような取り組みを実施しているのかを紹介しました。日本特有の文化もあることから、一つひとつの内容を丁寧に説明することを心掛けました。発表の前夜はソファで囲みあいながら、他のチームと合同で発表の練習をお互いに実施しながら更なるブラッシュアップをするなど、まさに海外の大学でのグループワークを経験することができ、MBAならではの仲間との切磋琢磨により非常に楽しい時間を過ごすことができました。

GroupCは製造業に所属するメンバーで構成されており、「過剰品質な製品を作ることが企業にどのような利益をもたらすのか」ということをテーマにプレゼンテーションを行いました。ある日本の高級工具を製造している工具メーカーの調査研究から、過剰品質と思われる高級工具を開発、製造することにより、技術の水平展開、組織の活性化、顧客への技術アピールなどの効果が期待できること、またそのようなメリットを享受するには大多数の社員が過剰品質製品の開発、製造に関りを持つことが重要であることを紹介しました。プレゼンテーションで取り上げた高級工具の過剰品質ぶりをより理解してもらうために、会場内で工具を使ったデモンストレーションを実施し、多くの関心 (と笑い) を集めました。

アクティビティ

1. River Cruise & London Eye
午後からはテムズ川クルーズとロンドン・アイを楽しみました。様々な歴史遺産が立ち並び、訪れる人々を魅了するテムズ河畔。常に英国の歴史と共にあったテムズ川は、今でも通勤客用の水上バスが運行されるなど、ロンドナーの生活を支え続けています。クルーズ船からはビッグ・ベンをはじめ、ウェストミンスター、タワーブリッジなど多くの素晴らしい建造物の眺めを堪能することができました。船から降りると少し休憩して、ロンドン・アイに乗り込みます。頂点からはロンドンの街が一望できる、世界でも屈指の大観覧車です。全員がすっぽり収まる程の大きなゴンドラに大はしゃぎの仲間たち。たくさん写真を撮って、一気に距離が縮まりました。ゆっくりと回るうちにいつの間にか夕刻に差し掛かり、徐々に日が暮れ始めます。夕日に陰るビッグ・ベン。一瞬、時間を止めてしまったかのような美しさがそこにはありました。空から見たあの荘厳な風景は、生涯忘れることはないでしょう。
2. Welcome Dinner & Karaoke night
Cranfield大学を訪問した2日間は、両日とも大変すばらしいディナーイベントをご用意頂きました。
1日目はCranfield大学ビジネススクールの先生方とともに食卓を囲み、英国でのMBA教育の在り方や文化の違いなど、ざっくばらんな会話を楽しみました。最後にCranfield大学ビジネススクールの研究科長であるDavid Oglethorpe教授に日本からのお土産をお贈りし、私たち神戸大学MBA生のために貴重な学びの機会をご提供頂いたことに感謝の言葉を述べさせていただきました。
2日目はCranfield大学MBA生が主催するカラオケパーティに招待して頂きました。大学構内の学生食堂のようなところにDJブースとカラオケ機器が用意されており,日本と同じようにソングブックの中から自分が歌いたい歌の番号をDJに渡すと順番に流してくれる、というスタイルでした。初めはお互い緊張しながら少しずつ歌うことに挑戦していくというような雰囲気でしたが、次第に緊張がほぐれ、最後は歌うことも忘れて日英MBA生入り混じってのダンスフロア状態になっていました。音楽というのは異文化交流において、とても強力なツールであるということを実感しました。
3. Cambridge大学散策
古都ケンブリッジでは、主にケンブリッジ大学を訪問し、そこで学んだ著名な人々の足跡を辿りました。ケンブリッジ大学は一つの総合大学ではなく、31のカレッジの集まりの総称です。一番有名なのは、キングスカレッジですが、印象的だったのは、アイザックニュートンが重力を発見したリンゴの木のある、トリニティ・カレッジ。さらにDNAを発見したワトソンとクリックが通い詰めたという、パブにも訪問しました。そして、ケンブリッジ大学のライバルはなんといってもオックスフォード。ガイドの説明に時折、ライバル関係が垣間見えます。そのライバル関係が両者の圧倒的な強みを長く続かせているのでしょう。静かなキャンバス内で、時折過ぎる学生は物静かで国籍も様々に見えます。4年間、まさに修道院のような環境で教授と学生で切磋琢磨し合う、日本とは異なるキャンバスライフを堪能することができました。何かの機会でまたゆっくりと訪れてみたいと思った人が多かったに違いありません。